TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

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フォーガイズ結成編

第93話 お迎えスパイスちゃん

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 異世界にピョイっと飛び出して、例の魔法陣まで飛んでいく。
 場所は何回か行ったのでもう覚えたねー。

 空を行くと、またいつものドラゴンが見えた。
 ここでちょっと差し入れを……。

 スパイスはスーッと降りていって、手にしてきたものを差し出した。
 コーラの2リットルペットボトルだよ!

『なんだお前か』

「嫌そうな顔してる」

『お前に関わるとろくなことにならない……。なんだこれは? もしや我への貢物か?』

「まあそんな感じー。この間は魔女を食べてくれてありがとうねー」

『刺激が少ないものは不味かった』

 うえーという顔をするドラゴンなのだった。
 で、スパイスの差し出した2リットルペットボトルをパクっと咥える。

『どれ』

 パクっとペットボトルを噛み潰したら、口の端からコーラがじゅわーっと漏れた。

『ほほー!! なかなか面白い味わいだな。刺激がある。これは良い。また持ってきてもいいぞ』

 気に入ってもらえたようなのだった。
 ドラゴンからすると一口サイズだろうけどねー。

 今度はバケツいっぱいのコーラを持ってこよう。
 人間よりコーラの方が美味しいということは、あのドラゴンは今後あまり人間を食べようとはしないのではないか。

 ちょっとだけグリーンドラゴンと関係を作れた気がするスパイス。
 さあ目的地へゴーだ。

 ドラゴンが睨みを効かせてくれたためか、モンスターは大人しいものだった。
 今後もちょこちょこ上納品を差し出して、このルートの安全性を守ってもらおう……。

 フロータに魔法陣のコントロールをしてもらい……。

『私もちょっとやり方を覚えてきました』

『フロッピーちゃん優秀~!!』

『ん覚えがいいぃなぁ~!』

『あまりに優秀で涙が出てくるでやんすよ~。魔導書は涙を流さないでやんすが』

 賑やか~。
 スパイスはここで座ってお弁当をいただきます。

 タルタルソースの三色鳥弁当!
 一品で800キロカロリーあるから腹持ちもバッチリ。
 これを炎の魔法で温めて食べると、いやあーご馳走だねー。

 烏龍茶のペットボトルをラッパ飲みして、後味もさっぱり。
 ごちそうさまでした。
 ちょうどその頃にフロータとフロッピーの作業が終わった。

「よーし、じゃあ行ってみよっかー!! 魔法陣展開! 目的地……迷宮省!」

『はあーい! 回れ回れ魔法陣!! 巡り巡りて主様を導け!!』

『GPS起動します。座標を特定』

『ロックオンでやんすよー! あの長官とやらの精神の波長は覚えているでやんすからねえ』

『ぶるあああ! 魔力の燃料は俺が肩代わりする! どんどん回せぇ!』

『おっしゃ来たー!! 迷宮省前、お届けでーす!!』

 魔導書たちの共同作業で、別に特異点化しているわけでもない、迷宮省の出入り口前にゲートが開いた。
 空から降りる形で登場するスパイス。

 白黒螺旋の光が空から溢れ出して見えたらしく、記者たちが一斉に振り返った。
 わあわあ騒いでる。

 すごい数いるなー!

 ちょうど、記者に囲まれつつあった大京元長官。
 こっちを見てにやりと笑った。

「大京さーん! 迎えに来たよー!」

「ありがとう! 記者の皆さん、済まないが私のための迎えがやって来たようだ。通してもらうよ! はっ!!」

 記者の中から飛び上がる長官。

「うおー! キャーッチ!!」

 これをスパイスがキャッチだーっ!
 見た目はちびのスパイスだけど、腕力はショウゴのままだからね。

 変身前と変身後の肉体のいいとこどりな体らしい。
 結構重いけど、このままレビテーションでふわふわ浮かんでいくのは余裕だ。

「あーっ! 大京さんが連れ去られる!」「取材を!」「本当にあの災禍は防げなかったんですか!」「首都圏の交通網を止めるほどの意味があったんですか!」
「何も犠牲が出てないのに、過剰だったんじゃないんですか!」

 わあわあ騒いでいるなあ。
 結果オーライだったら備えはいらないじゃんとか、おバカの考えじゃない?

 ってことで、こんな頭のおかしい集まりに話す言葉はありませーんということで、スパイスは元長官をお持ち帰りだよ。

「じゃあねみんなー! ばいばーい! 異世界を経由して帰るので、みんなも取材したかったら異世界にどうぞー!」

 こうして元長官をゲットしたまま、スパイスは再びゲートをくぐるのだった。

 ストっと異世界に降り立つ大京元長官。

「いやあー助かった!! 公職にある以上、手を出すわけにはいかなくてな! あいつらめ、それを分かってて図に乗って好き放題やってくれる」

「長官、青筋青筋! まあねー、長官も仏様じゃないもんねえ。人間、やっぱ堪忍袋ってあるよねえ」

「まったくだ。本当に助かった、スパイスくん!! 俺は犯罪者にならなくて済んだよ。まあ、ああいう連中を逆に燃料みたいにして扱う配信者もいることはいるんだが……」

 そんな恐ろしい人いるんです?
 詳しいことは聞かないでおこう。
 恐ろしいものの知識は、あえて持たないことで遠ざけることもできるからね。

『ははあ、この英雄級の男は完全に主様の仲間で? では気負う必要もありませんねー。この魔法陣はよく使うみたいなんで、コピーして自宅に繋がってるところ作っちゃいます? 見ていってもいいですよー、英雄級の男!』

「いいねいいねー! やろうやろう」

「スパイスくんの魔導書は凄いな……。そんなことまでできるのか」

「だんだんパワーアップして行ってるかも……? 最初は大変だったけど、今はすっごく便利ー」

「いいなー。俺も議員辞職したし、配信者として再スタートしようかな。妻子を食わせていかないといけないしな」

「あー、大京さん奥さんとお子さんいるもんねえ」

「ああ。当時の制度を活用して、妻は二人いる」

「二人!!」

 ハーレムじゃん!!
 子どもも5人いるとか聞いてぶっ飛ぶスパイスなのだった。
 公私ともにつよつよな人だな!

「俺が配信者をやっていくために、アバターを作る必要が出てくる。この顔は知られすぎたからな。配信するにしてもリスナーにとってはノイズだろう。それに、アバターを被ると肉体能力が変化するそうじゃないか」

「するねー。スパイスを見てもらうと分かる通りだよ」

「ああ。あの彼が君になっているというのは、この目で見ていても信じがたい……。俺も新たなアバターを纏い、異なる自分になってみたいものだ」

「アバターのアテはあるの? デザイナーとかみんな忙しそうだし、元長官の頼みだと色々しがらみがあって大変じゃない? 世論もうるさいでしょ」

「そこは問題ない。あらゆるしがらみから自由なデザイナーを一人知っているからな」

 元長官はそう言ってウインクするのだった。
 うーむ、今の彼……政治家という枷から解き放たれて、誰よりも自由な人かも知れないな……。
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