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スローライフが攻めてきたぞーっ編
第11話 二度と犠牲は繰り返さん!
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大変な事実が判明した。
壊れた骨のベルは修理できないのだ。
正確には、骨を使うと修理できるが、もう骨三郎は出てこなかった。
ベルに宿っていた骨はもういないのだな……。
この悲劇を繰り返してはいけない。
俺は決意した。
「流血男爵と戦う前に色々準備していこう。魔人商店でレシピ集買ってきた」
『自然に閃くのではなかったのですかな』
「あれ、ランダムだからなあ。なので事前にレシピを手に入れて、城の一階で素材を集めよう。そして色々準備して行くのだ」
「ねえねえタマル。この紙吹雪マシンっていうの? 押したら動くんだねー」
ポタルが驚くべき事実を発見したようだ。スイッチの話ではない。
俺がこの世界で作るアイテムは、手持ちの道具以外は非破壊オブジェクトになり、固定される。
だがどうやら、俺や俺の仲間たちが後ろから押すと動くようなのだ。
これは使える……!!
『そしてタマル様、眉間にシワが寄っていますぞ。タマル様がおっしゃるスローライフなるものは我には分かりませんが、それは怒りを露わにしながら行うものなのですかな?』
「作物の収穫具合が悪い時は阿修羅になると思う……。だがラムザーのいう通りだ! 俺は優しきスローライフの精神を忘れていた……。楽しみながら流血男爵を狩ろう」
「スローライフこわっ」
ポタルを怯えさせてしまったな。
そしてひとまず、一階を歩き回って素材を集めるのだ。
屋内ではポタルが飛び回るには狭いので、彼女は俺の背中に掴まっている。
「ハーピー軽いなー」
「飛ぶんだもん。軽くなくちゃできないわ。それにこれでも、魔法の補助を使わないと飛べないのよ? 本当の鳥ってもーっと軽いんだから」
「ひえー、体重の概念が壊れる」
背中にポタルをくっつけたまま、一階を徘徊する俺である。
『もがー!!』
「あっ、ブラッディアン!」
「ほりゃあ! おしゃれな衣装ケース!!」
『も、もがー!!』
衣装ケースにぶつかったブラッディアンが、ボイーンと跳ね返された。
こいつをぎゅうぎゅう押し込むと、ブラッディアンが壁に挟まれて動けなくなった。
そこに素早く近づいて、殺戮の虫取り網を振るう俺である。
一瞬でブラッディアンはアイコンになってアイテムボックスに表示された。
「タマル、だんだん手慣れてきたわね……! 歴戦の戦士みたいだった!」
「ブラッディアンの攻撃パターンを覚えたからな……。生前にゲームで鍛えた」
「ほうほう?」
ふくろうかな?
まあポタルには分かるまい。
いや、休みのないブラック労働をする現実世界は、ヘルズテーブルを超える地獄だった可能性もある……!!
「なんか落ちてるよ! 光ってる!」
「なんだと!!」
ポタルを乗せて、バタバタ走る俺。
なるほど、キラキラ光るものがあるが、これは金属の破片のようなものだ。
『魔剣の欠片を手に入れた!』
『石を手に入れた!』
『石を手に入れた!』
「おっ! レシピのこれ作れるじゃん! どうやって作るんだよこんなもんって思ったけど」
ほくほくしながら戻ってくると、ラムザーと骨たちもたくさんの石を拾ってきたところだった。
中でも骨次郎が珍しいものを持っている。
「それなあに」
『カタカタ』
差し出されたのは装飾品のように見える。
これは……。
『夢幻の欠片を手に入れた!』
「なんだなんだ。ふんわりした名前の素材だな」
『新しいレシピが生まれました!』
「おおっ! じゃあつくりまーす」
俺が宣言すると、仲間たちがわーっと拍手した。
ということで、トンカントンカン作業をする。
石柱ができましたよ……!
そして、魔剣の欠片と夢幻の欠片を合わせて……完成!
モビールになった。
モビールというのは、赤ちゃんの頭上でくるくる回りながら音を出すやつね……。
こんな伝説のアイテムの素材っぽいもので、凄く見慣れたものが完成したぞ!
「これで準備は十分だろう。よし、行くぞ!」
俺たちは上の階へ向かった。
遭遇する流血男爵の部下たちとの戦いは、まず石柱を眼前に設置して、相手がびっくりしながら近づいてきたところを、柱を押して囲み、隙間から虫取り網でキャッチした。
アイテムボックスを埋めるわけには行かないので、捕らえた彼らは檻に入った状態のまま道端に放置していく。
『ほんと、ハマれば無敵の能力ですな……』
「誰も傷つけない慈悲の力だぞ」
『捕まえた後売り払いますけどな』
「売られた先で幸せになってほしい」
「その言葉今考えたでしょ」
うるさいよ!
そしてついに最上階なのだが……。
「いるなあ」
『まさか魔人侯の前まで、こんなのほほんとした感じで来られるとは思いませんでしたな……』
「あれが魔人侯なんだあ。強そう……」
最上階には朽ちた玉座があり、四方には大きな窓みたいなのがある。
そして窓の前に、その男が座していた。
赤い刃の大剣を傍らに、甲冑姿の大柄なブラッディアンがいるではないか。
『貴様ら、この流血男爵の城に押し入るとは何者か』
「あ、はじめまして、俺はー」
俺が間抜けな自己紹介をしようとしたら、サササッとラムザーが進み出た。
『控えよ! こちらにおわすは最も新しく、最も力を持つ魔人侯! スローライフ王タマル様である!!』
「な、なんだってーっ!!」
『いつもスローライフスローライフと仰っておられるので、きっとスローライフがタマル様の座右の銘なんだろうなあと思いましてな』
「間違ってはいないが、スローライフ王って微妙じゃない?」
「かっこよくていいじゃん」
わいわい盛り上がっていると、流血男爵がこめかみに青筋をピキピキさせながら立ち上がった。
『き、貴様らーっ!! 俺を愚弄する気か! 良かろう! 単身でオークの王とその軍勢を屠った俺の技を受けてみるが良い!!』
おお、ボス戦だ!
▶レシピ
※石柱
素材:石×4
※夢魔のモビール
素材:石+魔剣の欠片+夢幻の欠片
UGWポイント
840pt
壊れた骨のベルは修理できないのだ。
正確には、骨を使うと修理できるが、もう骨三郎は出てこなかった。
ベルに宿っていた骨はもういないのだな……。
この悲劇を繰り返してはいけない。
俺は決意した。
「流血男爵と戦う前に色々準備していこう。魔人商店でレシピ集買ってきた」
『自然に閃くのではなかったのですかな』
「あれ、ランダムだからなあ。なので事前にレシピを手に入れて、城の一階で素材を集めよう。そして色々準備して行くのだ」
「ねえねえタマル。この紙吹雪マシンっていうの? 押したら動くんだねー」
ポタルが驚くべき事実を発見したようだ。スイッチの話ではない。
俺がこの世界で作るアイテムは、手持ちの道具以外は非破壊オブジェクトになり、固定される。
だがどうやら、俺や俺の仲間たちが後ろから押すと動くようなのだ。
これは使える……!!
『そしてタマル様、眉間にシワが寄っていますぞ。タマル様がおっしゃるスローライフなるものは我には分かりませんが、それは怒りを露わにしながら行うものなのですかな?』
「作物の収穫具合が悪い時は阿修羅になると思う……。だがラムザーのいう通りだ! 俺は優しきスローライフの精神を忘れていた……。楽しみながら流血男爵を狩ろう」
「スローライフこわっ」
ポタルを怯えさせてしまったな。
そしてひとまず、一階を歩き回って素材を集めるのだ。
屋内ではポタルが飛び回るには狭いので、彼女は俺の背中に掴まっている。
「ハーピー軽いなー」
「飛ぶんだもん。軽くなくちゃできないわ。それにこれでも、魔法の補助を使わないと飛べないのよ? 本当の鳥ってもーっと軽いんだから」
「ひえー、体重の概念が壊れる」
背中にポタルをくっつけたまま、一階を徘徊する俺である。
『もがー!!』
「あっ、ブラッディアン!」
「ほりゃあ! おしゃれな衣装ケース!!」
『も、もがー!!』
衣装ケースにぶつかったブラッディアンが、ボイーンと跳ね返された。
こいつをぎゅうぎゅう押し込むと、ブラッディアンが壁に挟まれて動けなくなった。
そこに素早く近づいて、殺戮の虫取り網を振るう俺である。
一瞬でブラッディアンはアイコンになってアイテムボックスに表示された。
「タマル、だんだん手慣れてきたわね……! 歴戦の戦士みたいだった!」
「ブラッディアンの攻撃パターンを覚えたからな……。生前にゲームで鍛えた」
「ほうほう?」
ふくろうかな?
まあポタルには分かるまい。
いや、休みのないブラック労働をする現実世界は、ヘルズテーブルを超える地獄だった可能性もある……!!
「なんか落ちてるよ! 光ってる!」
「なんだと!!」
ポタルを乗せて、バタバタ走る俺。
なるほど、キラキラ光るものがあるが、これは金属の破片のようなものだ。
『魔剣の欠片を手に入れた!』
『石を手に入れた!』
『石を手に入れた!』
「おっ! レシピのこれ作れるじゃん! どうやって作るんだよこんなもんって思ったけど」
ほくほくしながら戻ってくると、ラムザーと骨たちもたくさんの石を拾ってきたところだった。
中でも骨次郎が珍しいものを持っている。
「それなあに」
『カタカタ』
差し出されたのは装飾品のように見える。
これは……。
『夢幻の欠片を手に入れた!』
「なんだなんだ。ふんわりした名前の素材だな」
『新しいレシピが生まれました!』
「おおっ! じゃあつくりまーす」
俺が宣言すると、仲間たちがわーっと拍手した。
ということで、トンカントンカン作業をする。
石柱ができましたよ……!
そして、魔剣の欠片と夢幻の欠片を合わせて……完成!
モビールになった。
モビールというのは、赤ちゃんの頭上でくるくる回りながら音を出すやつね……。
こんな伝説のアイテムの素材っぽいもので、凄く見慣れたものが完成したぞ!
「これで準備は十分だろう。よし、行くぞ!」
俺たちは上の階へ向かった。
遭遇する流血男爵の部下たちとの戦いは、まず石柱を眼前に設置して、相手がびっくりしながら近づいてきたところを、柱を押して囲み、隙間から虫取り網でキャッチした。
アイテムボックスを埋めるわけには行かないので、捕らえた彼らは檻に入った状態のまま道端に放置していく。
『ほんと、ハマれば無敵の能力ですな……』
「誰も傷つけない慈悲の力だぞ」
『捕まえた後売り払いますけどな』
「売られた先で幸せになってほしい」
「その言葉今考えたでしょ」
うるさいよ!
そしてついに最上階なのだが……。
「いるなあ」
『まさか魔人侯の前まで、こんなのほほんとした感じで来られるとは思いませんでしたな……』
「あれが魔人侯なんだあ。強そう……」
最上階には朽ちた玉座があり、四方には大きな窓みたいなのがある。
そして窓の前に、その男が座していた。
赤い刃の大剣を傍らに、甲冑姿の大柄なブラッディアンがいるではないか。
『貴様ら、この流血男爵の城に押し入るとは何者か』
「あ、はじめまして、俺はー」
俺が間抜けな自己紹介をしようとしたら、サササッとラムザーが進み出た。
『控えよ! こちらにおわすは最も新しく、最も力を持つ魔人侯! スローライフ王タマル様である!!』
「な、なんだってーっ!!」
『いつもスローライフスローライフと仰っておられるので、きっとスローライフがタマル様の座右の銘なんだろうなあと思いましてな』
「間違ってはいないが、スローライフ王って微妙じゃない?」
「かっこよくていいじゃん」
わいわい盛り上がっていると、流血男爵がこめかみに青筋をピキピキさせながら立ち上がった。
『き、貴様らーっ!! 俺を愚弄する気か! 良かろう! 単身でオークの王とその軍勢を屠った俺の技を受けてみるが良い!!』
おお、ボス戦だ!
▶レシピ
※石柱
素材:石×4
※夢魔のモビール
素材:石+魔剣の欠片+夢幻の欠片
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