おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第43話 タマル村の誕生

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 ヌキチータが来た。
 フットワークが軽いなあ。

『やあやあタマルさん。退廃帝まで下してしまったのは流石なんだなもし。あの威圧感の中で平気で虫取り網を振り回すとか、頭のネジが一本外れてるどころじゃないんだなもし』

「褒めてる? ばかにしてる?」

『褒めてるんだなもし』

「ならよしよし」

「ヌキチータもタマルの扱い方が分かってきたみたいだねー」

『実力的には超一流ですからな。ヌキチータ神のオーダーを凄い速さでさらりとこなしますからな』

『えっ、この人、外なる神のエージェントだったんですか? アンビリバボー! ミーは創造神を裏切ってしまいました! まあやってしまったものは仕方ありませーん』

『ピピー』

 賑やかなうちの住人たちを見て、ヌキチータが目を細めた。

『ウンウン、仲間も増えてるんだなもし。また馬車を拡張して、アイテムボックスも増やしてあげるんだなもし。僕の支配領域が増えて、それくらいのことはしてあげられるようになったんだなもし』

「ありがてえありがてえ!」

 ということで、馬車が二階建てになったぞ。
 アイテムボックスには40個までアイテムをしまえるようになった。
 ラムザーとポタルは15個までだ。

 そしてフランクリンだが……。

『ミーは放置されていると溶けるので、氷のベッドをいただきたいでーす』

「よし、氷グッズはフランクリン用としておこう。二階に設置だな」

 馬車の二階にフランクリン部屋が設けられた。
 雪だるまの寝起きはここでやってもらうのだ。

 サイドカーも一台増やし、有事には右にラムザー、左にフランクリンを向かわせ、馬車からは死角がなくなったのである。
 なに、空の死角?
 そんなもんはエーテルバスターキャノンをぶっ放す。

 かくして、馬車もアイテムボックスも広くなった俺たち。
 ほくほく顔で元退廃帝領をあとにするのである。

 退廃帝が倒されたことで、この土地の兄弟神の力が失われていっているようだ。
 常冬の世界だった周辺が、徐々に変化しつつあるではないか。

 具体的には、春が来たのである。

 ピシピシ音を立てて、カルデラ湖を覆っていた氷が溶け砕けていく。
 退廃帝の城は自重を支えられず、湖の底に沈んでいくのだ。

 そして最後に城のてっぺんだけが残った。
 そこでキラリと光るのは、俺が置いてきた俺の彫像である。

 水面から俺の彫像だけが全身を表しているのは、まるで俺がこの土地を征服したみたいだな。

「よーし、征服ついでにちょっと手を貸してくれラムザー」

『おっ、やりますかな?』

「やるぞ。退廃帝の門をぶっ倒す」

 俺とラムザーで斧を担いで出てきた。
 ラムザーはよりによって、退廃帝の斧を持っている。

「せーので両方から叩き斬ろう。俺の予感だと、なんか三回殴ると倒れるはずだ」

『三回ですな! やりましょうやりましょう』

「せーの!」

 コーンッ、コーンッ、コーンッと斧を叩きつける音が三回響き。
 めりめり音を立てて、退廃帝の門は倒れていったのだった。
 倒れたところで、消滅してしまう。

 そしてここに、氷のゲートを建立だ。
 ひんやりしてるが、春になっても溶けない破壊不能オブジェクトだぞ。

「あっ、ここにタマルの姿が刻まれてる!」

 クマのコートを脱ぎ、飛び上がったポタル。
 ゲートのてっぺん辺りを指さしている。

「そんなところにあったのか。というか像といいゲートといい、これは完全に俺が退廃帝を下してここを支配してしまった形ではないか」

『事実そうでしょうな。なんならここに落ち着いてスローライフとやらができますぞ』

「ああ、確かにな。だが……空は行ってみたいじゃないか」

 そういうわけで、旅は続行である。

『タマルさん、じゃあこの土地にお店や博物館を下ろすんだなもし。僕たちがこちらで実体化できる支配領域として確立しておくから、ゴッドモジュールを使っていつでも来て欲しいんだなもし』

「おお、真っ白な世界じゃなくて、ちゃんとしたこっち側の世界になるんだな。いいぞいいぞ」

 魔人商店と博物館がやって来て、只今工事中と書いてある布に覆われた、謎の建造物も出現した。
 これが洋服店か。
 楽しみだなあ。

 そしてヌキチータの拠点だが。

『ここが僕の事務所なんだなもし』

「掘っ立て小屋ではないか」

『支配領域が少ないのでこんな姿なんだなもし。タマルさんがもっと支配領域を広げてくれれば、ゴージャスになっていくんだなもし』

「ヌキチータのためにやっているのではないのだが?」

『この事務所が大きくなるほどタマルさんが得られる恩恵も増えるんだなもし』

「がんばろうじゃないか……」

 ヌキチータと固い握手を交わす俺なのだった。

「それはそうと、あと一つ浮遊石がいるんだけど」

『そうなんだなもし。この辺りを調べておくから、分かったらメールをするんだなもし』

「頼むぞ! ところでこの土地だが、村だよな?」

『帝国でも王国でも村でも何でもいいんだなもし』

「では……タマル村と名付ける……」

 俺の命名に、驚くラムザー。

『村!? 魔人候を次々に平らげ、ついに自らの支配領域を手に入れたタマル様が、その土地に村と名付ける!? スケールが小さめ過ぎませんかな?』

「スローライフつったら村だろう!! 帝国でスローライフができるのかよ! スローライフはな、形から入る主義なんだ俺は」

『驚くべきこだわり!』

 ということで、タマル村の誕生である。
 ようやく、俺のスローライフは一歩目を踏み出したことになるのである。
 道はまだ半ばだ。

 次は飛空艇を作って、空の迷宮に挑んで素材をゲットしたり、洋服店でお洒落な服を買ったりせねばならんのだ……。

『ウグワーッ! 領域を完全に支配しました! 1500ptゲット!』
『ウグワーッ! 村が誕生しました! 2000ptゲット!』

▶UGWポイント
 5500pt

 拠点
 タマル村
  設備
  ヌキチータ事務所
  魔人商店
  異形博物館

 (このあたりで第一部完~しかし連載は連続します)
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