封印された魔王を解放してしまいましたが、私が何とかしますので放っといてください〜奇跡の力を持つ1人の女性は、2人の王子から愛を捧げられる〜
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
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本章1 本当の姿
魔物と魔法
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湖周辺には魔物から漏れ出る魔力が漂っていた。
でも、その魔力はとても不安定で、普通ではないことを肌で感じる。
「殿下、もうすぐです。危険ですので、こちらで待っていてください」
「危険と言われて、女性一人で行かせるわけがないだろう」
この国一番の剣士とも言われるこの方は、紳士なようだ。
でも、王族には不信感しかないので、決して信用してはいけない。
気配としては大きい魔物……なのに、バランスの悪い魔力。どこか怪我をしているのかしら?
肌で感じるその先へ向かう私。
蹲っているのは竜!?
初めて目にする魔物が、まさか上位の魔物とは……私って、どれだけ運がないのか?
「何故こんな人里に魔物が?」
「殿下、お下がりください!」
ジュリアス王子の前に出て王子を守るレイル様。
「ふふふ、やばいことになりましたね。リディアンヌ嬢。後からきっちり説明いただきますが、とりあえず、この状況をどうにかしなくてはなりませんね。ふふふ」
クルリさんのテンションって、よくわからないわ……。
どうすべきか迷っている時間もなく、竜は我々の気配を察知し、威嚇体制を取り始めた。
瞬間息を吐く如く、私たちに炎を吹く。
私の反応は、優秀な3人の足元にも及ばなかった。
それぞれが、華麗に炎を躱し攻撃を避ける。
ジュリアス王子が私のことを抱きかかえて、躱してくれていなければ、今頃は丸焼けだったかもしれない。
魔法が使えても、瞬発力も運動能力も、鍛錬をしていないただの令嬢だった。
過信していた自分の甘さを反省した。
俊敏な動きなど、とれるはずはなかった。魔法を使えるというだけで思い違いをしていた。
現実を目の当たりにして、恐怖心に駆られる。
「リディアンヌ嬢、大丈夫か? 今のはただの挨拶だろう、まだ来るだろうから油断するな。しかし、今の炎で、周辺の木々が燃え始めたか。逃げ場はないから、ここは、何とかするしかないな」
「……」
「大丈夫ですよ、リディアンヌ様。ここには、王国の1番と2番の剣士がいますからね。ふふふ」
「誰が、2番だと! まだまだ泣きべそ殿下には負けません」
「泣きべそとはいつの話だ! そんなことより、火の手が早い。ここにいるだけでも既に危険だ」
王子の言うとおりだ、目の前にいる竜も危険だが、この場に立っていることさえも既に危うい状況だ。
「……ハイパーレインドロップ」
魔法詠唱を唱えると同時に、すさまじい量の雨が降ってくる。
!? !? !?
「あっ、やり過ぎたかしら?」
おかげで、周囲の火は消え、全員ずぶ濡れになる。
濡れた服が体に張り付き、下着が透ける。顔が赤くなる私……。
! ! !
ジュリアス王子が左右の腕を伸ばし、控える2人の視界を塞ぐ。
見苦しいものを……お見せしてすみません。
気まずくなり、瞬時に風魔法で乾かす。
!? !? !?
私たちの様子を見ていた竜は、それ以上の攻撃をしてくることはなかった。
目の前に現れた人間たち。否、リディアンヌを見ていた。
『お前は何者だ!』
上位の魔族は話せることは知っていたが、この竜も例外ではなかったようだ。
でも、その魔力はとても不安定で、普通ではないことを肌で感じる。
「殿下、もうすぐです。危険ですので、こちらで待っていてください」
「危険と言われて、女性一人で行かせるわけがないだろう」
この国一番の剣士とも言われるこの方は、紳士なようだ。
でも、王族には不信感しかないので、決して信用してはいけない。
気配としては大きい魔物……なのに、バランスの悪い魔力。どこか怪我をしているのかしら?
肌で感じるその先へ向かう私。
蹲っているのは竜!?
初めて目にする魔物が、まさか上位の魔物とは……私って、どれだけ運がないのか?
「何故こんな人里に魔物が?」
「殿下、お下がりください!」
ジュリアス王子の前に出て王子を守るレイル様。
「ふふふ、やばいことになりましたね。リディアンヌ嬢。後からきっちり説明いただきますが、とりあえず、この状況をどうにかしなくてはなりませんね。ふふふ」
クルリさんのテンションって、よくわからないわ……。
どうすべきか迷っている時間もなく、竜は我々の気配を察知し、威嚇体制を取り始めた。
瞬間息を吐く如く、私たちに炎を吹く。
私の反応は、優秀な3人の足元にも及ばなかった。
それぞれが、華麗に炎を躱し攻撃を避ける。
ジュリアス王子が私のことを抱きかかえて、躱してくれていなければ、今頃は丸焼けだったかもしれない。
魔法が使えても、瞬発力も運動能力も、鍛錬をしていないただの令嬢だった。
過信していた自分の甘さを反省した。
俊敏な動きなど、とれるはずはなかった。魔法を使えるというだけで思い違いをしていた。
現実を目の当たりにして、恐怖心に駆られる。
「リディアンヌ嬢、大丈夫か? 今のはただの挨拶だろう、まだ来るだろうから油断するな。しかし、今の炎で、周辺の木々が燃え始めたか。逃げ場はないから、ここは、何とかするしかないな」
「……」
「大丈夫ですよ、リディアンヌ様。ここには、王国の1番と2番の剣士がいますからね。ふふふ」
「誰が、2番だと! まだまだ泣きべそ殿下には負けません」
「泣きべそとはいつの話だ! そんなことより、火の手が早い。ここにいるだけでも既に危険だ」
王子の言うとおりだ、目の前にいる竜も危険だが、この場に立っていることさえも既に危うい状況だ。
「……ハイパーレインドロップ」
魔法詠唱を唱えると同時に、すさまじい量の雨が降ってくる。
!? !? !?
「あっ、やり過ぎたかしら?」
おかげで、周囲の火は消え、全員ずぶ濡れになる。
濡れた服が体に張り付き、下着が透ける。顔が赤くなる私……。
! ! !
ジュリアス王子が左右の腕を伸ばし、控える2人の視界を塞ぐ。
見苦しいものを……お見せしてすみません。
気まずくなり、瞬時に風魔法で乾かす。
!? !? !?
私たちの様子を見ていた竜は、それ以上の攻撃をしてくることはなかった。
目の前に現れた人間たち。否、リディアンヌを見ていた。
『お前は何者だ!』
上位の魔族は話せることは知っていたが、この竜も例外ではなかったようだ。
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