封印された魔王を解放してしまいましたが、私が何とかしますので放っといてください〜奇跡の力を持つ1人の女性は、2人の王子から愛を捧げられる〜
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
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本章2 王子の恋心
はじめての討伐
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魔物達への元へ向かいながら、魔物が人里に近づいている理由をいくつか想像していた。
魔王が人間を襲うために魔物を使役し始めたのか?
だとしたら、この世界で、どう対抗したら人間達が生き延びることが出来るんだろうか。
悪い想像が止まらないまま、目的の場所へ到着する。
無心に草を食べている、カミツキラビッド達が目に飛び込む。
人間達を襲いに来た様子はないみたいね。この魔物達の背後に魔王の狙いはないってことかしら。
「魔物の数が……すごい勢いで増えているかもしれない……」
導き出した答えが、口から零れる。
「おそらくな。……これまでは減る一方だった魔物が、魔王の復活によって、数を増やし始めたのだろう。急激に増えすぎて、より弱い者から、住処のえさにありつけなくなったのだろう」
「どうすれば?」
「このまま、この一帯を食べつくしたら、次は人間が育てている作物に手を出すだろう。ここで食い止めるしかないな!」
まだ人を襲っていない魔物を退治することに躊躇したものの、許容できる数ではない。
一気に撃退することにする。
「ヘイルストーム」
空から無数の雹が、地面へ叩きつける。
雹に当たり、カミツキラビットの戦闘能力は一気に削がれる。
「……リディ、すごいな。この数を一瞬で……」
「ふふふ、お美しい見た目とは裏腹に、容赦ないですね。殿下と同じです」
私は、倒れているカミツキラビットに近寄りかけて、――――!
私のすぐ後ろで、金属音が響く。
ジュリアスがカミツキラビットに剣を突き刺すと同時に、私を抱き寄せる。
「リディ! 怪我はないか? 無闇に私の傍を離れないでくれ」
まだ、動けるカミツキラビットが私に噛みつこうとしたところを、間一髪で、ジュリアスが仕留めてくれてたみたい。
お礼を言いたくて、ジュリアスに顔を向けるけど、顔の距離が近すぎて、何となく気まずい。
「あっ、ありがとう。勝手な事をして、ごめんなさい……」
そんな私の気まずい空気は、レイルが一瞬でかき消してくれた。
「殿下こそ危ないです! 安全を確認するまで、後方にお下がりください!」
「レイル、大丈夫だ! 私のことは気にしなくてもよい。自分の身は守れる」
「殿下に何かあったらどうするつもりですか? 自覚なさってください!」
「レイル……」
「ふふふ、レイルは真面目過ぎです、少し空気を読んでください。主が無自覚に頑張ってるのですから、ふふふ」
クルリは相変わらず、独特の感覚でよくわからないわね。
私は、ジュリアスに抱きかかえられたまま、この後の作戦を話し合う羽目になってしまった。
魔王が人間を襲うために魔物を使役し始めたのか?
だとしたら、この世界で、どう対抗したら人間達が生き延びることが出来るんだろうか。
悪い想像が止まらないまま、目的の場所へ到着する。
無心に草を食べている、カミツキラビッド達が目に飛び込む。
人間達を襲いに来た様子はないみたいね。この魔物達の背後に魔王の狙いはないってことかしら。
「魔物の数が……すごい勢いで増えているかもしれない……」
導き出した答えが、口から零れる。
「おそらくな。……これまでは減る一方だった魔物が、魔王の復活によって、数を増やし始めたのだろう。急激に増えすぎて、より弱い者から、住処のえさにありつけなくなったのだろう」
「どうすれば?」
「このまま、この一帯を食べつくしたら、次は人間が育てている作物に手を出すだろう。ここで食い止めるしかないな!」
まだ人を襲っていない魔物を退治することに躊躇したものの、許容できる数ではない。
一気に撃退することにする。
「ヘイルストーム」
空から無数の雹が、地面へ叩きつける。
雹に当たり、カミツキラビットの戦闘能力は一気に削がれる。
「……リディ、すごいな。この数を一瞬で……」
「ふふふ、お美しい見た目とは裏腹に、容赦ないですね。殿下と同じです」
私は、倒れているカミツキラビットに近寄りかけて、――――!
私のすぐ後ろで、金属音が響く。
ジュリアスがカミツキラビットに剣を突き刺すと同時に、私を抱き寄せる。
「リディ! 怪我はないか? 無闇に私の傍を離れないでくれ」
まだ、動けるカミツキラビットが私に噛みつこうとしたところを、間一髪で、ジュリアスが仕留めてくれてたみたい。
お礼を言いたくて、ジュリアスに顔を向けるけど、顔の距離が近すぎて、何となく気まずい。
「あっ、ありがとう。勝手な事をして、ごめんなさい……」
そんな私の気まずい空気は、レイルが一瞬でかき消してくれた。
「殿下こそ危ないです! 安全を確認するまで、後方にお下がりください!」
「レイル、大丈夫だ! 私のことは気にしなくてもよい。自分の身は守れる」
「殿下に何かあったらどうするつもりですか? 自覚なさってください!」
「レイル……」
「ふふふ、レイルは真面目過ぎです、少し空気を読んでください。主が無自覚に頑張ってるのですから、ふふふ」
クルリは相変わらず、独特の感覚でよくわからないわね。
私は、ジュリアスに抱きかかえられたまま、この後の作戦を話し合う羽目になってしまった。
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