封印された魔王を解放してしまいましたが、私が何とかしますので放っといてください〜奇跡の力を持つ1人の女性は、2人の王子から愛を捧げられる〜
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
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本章2 王子の恋心
竜とジュリアス第2王子
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急いで雹が当たって倒れているカミツキラビット達を、どうしたらいいか考えなきゃ。
「私が使った攻撃は、的確に急所を捕えていないから、大半の魔物達は一時的に動けなくなるダメージを受けただけなの。中には、偶然核に雹が当たって絶命しているカミツキラビットもいると思うけど」
「確かに、一斉攻撃だから、ダメージに個体差はあるはずだな。では、1体ずつ留目を刺すか? 耳と耳の間に急所があるはずだ」
たったの半日足らずで、魔物の急所を把握しているジュリアスに驚いてしまい、近すぎる顔を、また見上げてしまう。――目が合って、恥ずかしくなり直ぐに目を逸らす。
「魔物を無闇に傷つけたら、また魔王を刺激する可能性もあるわよ。カミツキラビットなら、人間に攻撃するような強い魔法を使うことはできないから、頑丈な柵を作って、とりあえず飼育してみようと思うの」
「リディアンヌ嬢、それでは餌がなくて、また問題が起きるのでは?」
レイルは留目を刺さないことに不満があるようね。でも、私は魔物でも無闇に傷つけたくないから、ここは引けない。
「囲いの中の植物が良く育つように、力を使ってみる」
みんなの不満を押しのけ、一歩も引かないに私の提案を受け入れてもらう。
友達騎士団の力と、私の魔法を使ったら、思った以上に早く、鉄製の柵が仕上がったわ。
だけど、王子に大工作業をさせて、後で怒られたりしないわよね……。
まだ、気を失っているカミツキラビットをその中に入れて、しばらく様子を見ることにする。
「他の魔物が森から出てくるのも、時間の問題だな……。まだ、攻撃性の低い魔物だったからよかったが、中級以上の魔物が、森から出てきたら厄介だ。リディ、この辺に魔王から溢れる魔力は漂っているのか?」
私は首を横に振る。
「魔王の魔力はまだ感じないわね」
「そうか」
「じゃあ、当面の問題は、魔物達の食糧不足だな」
食糧が森に十分あれば、人間の生息地に近づく必要はないもんね。
魔物達の増殖によって食物が食い荒されているのであれば、植物の成長を促す事に決めた。
きっと私なら出来るはずっ!
「私が森の植物を再生させてみるわ。そうしたら、森から出てくる理由はなくなるもの」
「確かに理論上はその通りだとは思うが、実際にどうやる? 魔法をかけるために森の中を歩いてなど、全く間に合わないぞ」
うん、人の力だけではその通りだ。
でも、私は、昨日友人になったキュアを思い出していた。
「私には、とても頼れる友人がいるのよ! 忘れた?」
なぜか、ジュリアスが赤くなる。
「だから、今から念話をしてみるね」
ジュリアスは何故か項垂れているけど、大丈夫、私に任せて頂戴!
「ふふふ、やっぱり竜に負けてますね、ふふふ」
クルリと何も言い返さないジュリアスを見て、2人で何の会話をしているのか? 分からなかったけど、その意識はすぐに切り替わる。
「今から来てくれるって。うれしい」
「リディ、凄いな。竜を顎で使えるんだな……」
「失礼ね、顎ではないわよ。困ったときはお互い様でしょ。ちょっと甘えてみたのよ」
「竜に、ちょっと甘える……。リディ……」
「ふふふ、さすが、リディアンヌ嬢ですね。男どもは、手のひらの上で転がされてますね。まあ、うちの殿下は竜に負けてますが、ふふふ」
凄まじい砂埃を舞い上げながら、地上に降り立ったキュア。
「キュア大好き。来てくれてありがとう」
無意識に、足に抱きつく。
『すぐに会えて、私も嬉しいぞ』
……? キュアの荘厳さは、昨日の比ではないけど。かっこいいわね。
「あれ、キュアなんか輝いてる? 鱗が艶々してるよ」
『リディが昨日、私に力を与えてくれたからな。魔力を持つものは、魔力が体に充満すると輝くのだぞ。リディも髪が輝いているではないか。昨日の私は、空から落下するほど弱っていたからな』
そんな秘密があるなんて知らなかった。
「元気になってよかった! それで、念話で話した通りなんだけど、森の隅から隅まで移動するから、背中に乗せて欲しくって」
『容易い御用。リディといられるなら、どこへでも行くぞ』
よし! これで、食糧問題から起きる、魔物の襲撃を避けられるはず。キュアの背中に乗ろうとしたとき。
「一人で行くのは駄目だ。私も同行する!」
「えー、一人で大丈夫よ。キュアがいるし」
随分と私の事を心配するジュリアスに止められて、結局キュアと3人で動くことになった。
「ふふふ、殿下。少しは危機感を持ちましたか、ふふふ」
「危機感など、ずっと持っている! 何を今更。クルリは私たちが乗ってきた馬を引いて邸へ戻れ。外が暗くなって、竜が目立たない時間に戻るから、伯爵にはリディの帰りが遅いことを報告しておけ。それと陛下へ要求に応じるから至急準備をするように伝えてくれ」
「ふふふ、承知しました。お帰りは明日の朝でも良いですよ、ふふふ」
「そこまでは、リディの体力が持たないだろう」
「ふふふ、そうなんですね、ふふふ」
「私が使った攻撃は、的確に急所を捕えていないから、大半の魔物達は一時的に動けなくなるダメージを受けただけなの。中には、偶然核に雹が当たって絶命しているカミツキラビットもいると思うけど」
「確かに、一斉攻撃だから、ダメージに個体差はあるはずだな。では、1体ずつ留目を刺すか? 耳と耳の間に急所があるはずだ」
たったの半日足らずで、魔物の急所を把握しているジュリアスに驚いてしまい、近すぎる顔を、また見上げてしまう。――目が合って、恥ずかしくなり直ぐに目を逸らす。
「魔物を無闇に傷つけたら、また魔王を刺激する可能性もあるわよ。カミツキラビットなら、人間に攻撃するような強い魔法を使うことはできないから、頑丈な柵を作って、とりあえず飼育してみようと思うの」
「リディアンヌ嬢、それでは餌がなくて、また問題が起きるのでは?」
レイルは留目を刺さないことに不満があるようね。でも、私は魔物でも無闇に傷つけたくないから、ここは引けない。
「囲いの中の植物が良く育つように、力を使ってみる」
みんなの不満を押しのけ、一歩も引かないに私の提案を受け入れてもらう。
友達騎士団の力と、私の魔法を使ったら、思った以上に早く、鉄製の柵が仕上がったわ。
だけど、王子に大工作業をさせて、後で怒られたりしないわよね……。
まだ、気を失っているカミツキラビットをその中に入れて、しばらく様子を見ることにする。
「他の魔物が森から出てくるのも、時間の問題だな……。まだ、攻撃性の低い魔物だったからよかったが、中級以上の魔物が、森から出てきたら厄介だ。リディ、この辺に魔王から溢れる魔力は漂っているのか?」
私は首を横に振る。
「魔王の魔力はまだ感じないわね」
「そうか」
「じゃあ、当面の問題は、魔物達の食糧不足だな」
食糧が森に十分あれば、人間の生息地に近づく必要はないもんね。
魔物達の増殖によって食物が食い荒されているのであれば、植物の成長を促す事に決めた。
きっと私なら出来るはずっ!
「私が森の植物を再生させてみるわ。そうしたら、森から出てくる理由はなくなるもの」
「確かに理論上はその通りだとは思うが、実際にどうやる? 魔法をかけるために森の中を歩いてなど、全く間に合わないぞ」
うん、人の力だけではその通りだ。
でも、私は、昨日友人になったキュアを思い出していた。
「私には、とても頼れる友人がいるのよ! 忘れた?」
なぜか、ジュリアスが赤くなる。
「だから、今から念話をしてみるね」
ジュリアスは何故か項垂れているけど、大丈夫、私に任せて頂戴!
「ふふふ、やっぱり竜に負けてますね、ふふふ」
クルリと何も言い返さないジュリアスを見て、2人で何の会話をしているのか? 分からなかったけど、その意識はすぐに切り替わる。
「今から来てくれるって。うれしい」
「リディ、凄いな。竜を顎で使えるんだな……」
「失礼ね、顎ではないわよ。困ったときはお互い様でしょ。ちょっと甘えてみたのよ」
「竜に、ちょっと甘える……。リディ……」
「ふふふ、さすが、リディアンヌ嬢ですね。男どもは、手のひらの上で転がされてますね。まあ、うちの殿下は竜に負けてますが、ふふふ」
凄まじい砂埃を舞い上げながら、地上に降り立ったキュア。
「キュア大好き。来てくれてありがとう」
無意識に、足に抱きつく。
『すぐに会えて、私も嬉しいぞ』
……? キュアの荘厳さは、昨日の比ではないけど。かっこいいわね。
「あれ、キュアなんか輝いてる? 鱗が艶々してるよ」
『リディが昨日、私に力を与えてくれたからな。魔力を持つものは、魔力が体に充満すると輝くのだぞ。リディも髪が輝いているではないか。昨日の私は、空から落下するほど弱っていたからな』
そんな秘密があるなんて知らなかった。
「元気になってよかった! それで、念話で話した通りなんだけど、森の隅から隅まで移動するから、背中に乗せて欲しくって」
『容易い御用。リディといられるなら、どこへでも行くぞ』
よし! これで、食糧問題から起きる、魔物の襲撃を避けられるはず。キュアの背中に乗ろうとしたとき。
「一人で行くのは駄目だ。私も同行する!」
「えー、一人で大丈夫よ。キュアがいるし」
随分と私の事を心配するジュリアスに止められて、結局キュアと3人で動くことになった。
「ふふふ、殿下。少しは危機感を持ちましたか、ふふふ」
「危機感など、ずっと持っている! 何を今更。クルリは私たちが乗ってきた馬を引いて邸へ戻れ。外が暗くなって、竜が目立たない時間に戻るから、伯爵にはリディの帰りが遅いことを報告しておけ。それと陛下へ要求に応じるから至急準備をするように伝えてくれ」
「ふふふ、承知しました。お帰りは明日の朝でも良いですよ、ふふふ」
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