封印された魔王を解放してしまいましたが、私が何とかしますので放っといてください〜奇跡の力を持つ1人の女性は、2人の王子から愛を捧げられる〜
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
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本章4 暴かれる真実
カモメイルの裁き
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(SIDEジュリアス第2王子)
カモメイルの犯罪を糾明すれば、処刑に移す予定だ。
判明していた不法行為だけでも、死刑が確定する重罪だったが、その上、王族への弑逆とは……余りに問題が大き過ぎる。
尋問が終われば、大臣達の承認を待たずして、国王の裁量によって刑を執行する事になる。
「レイル、カモメイルに近づくと魔法を発動する可能性があるから気をつけろ!」
レイルを心配して声をかけるが、予期せぬ返答が返ってくる。
「殿下、リディアンヌ嬢から、奴はもう魔法を発動できないのではないかと聞いております故、大丈夫でしょう」
「何故だ? リディはどうして、そう判断したんだ!?」
「その詳細はお伝えできません」
「はぁっ! 要らぬ隠し立ては不要だ!! 話せっ!」
報告を伏せられることもそうだが、リディがレイルにだけ重要な情報を伝えていることに、苛立ちを抑えられない。
頭では冷静になるべきだと分かっているが、感情が追い付かない。
2人のやり取りを聞いていたクルリが、荒ぶった私の感情を窘める。
「なるほど、そういう事ですか……。昨日の魔法の事が、まだ府に落ちていませんでしたが、やはりそうでしたか。カモメイルには、もう一つ隠していたものがあったのですね? それを、リディアンヌ様がここから持ち出したから、カモメイルは魔法を使えないという事でしょうか? そうであれば、殿下にお願いします! この件を探るのは、カモメイル親子の尋問と処刑を行ってからにすべきです」
情け無い話だが、リディの事となると自分を見失っているようだ。
カモメイルの前で悠長な事は出来ないのは分かっている。レイルへリディの事を聞くのは、後にするしかない。
カモメイルの供述によって知り得た内容は、おおよそ私の想定通りだった。国費の横領は私が把握していた事に、ほぼ相違なかった。
だが、私の婚約者だったレイナ嬢の事故は、婚約の公表から直ぐに、企てていたのは予想外だった。
事故の計画を早々に立てたが、計画の遂行に時間を要していたとのことだった。
焦ったカモメイルは、娘を使って兄にも揺すぶりをかけたと自供した。
カモメイルは娘を王妃にしたくて、私の妃に据えたかったと言い出した。
皇太子でもない私の妃の座で、王妃と言うのは大袈裟だが、妃選びに無頓着だった私は、奴にとって好都合だった訳だ。
正直なところ、レイナ嬢の事故がもっと早くに起きていたら、カモメイルの思惑に乗せられていたであろう。
あの当時の私は、何故自分の大切な選択を億劫に思い、人任せにしていたのか?
今となっては、愚かな行いだと分かるが、リディに出会わなければ気付かないままだったかもしれない。
尋問が魔法の話に切り替わると、カモメイルは一層感情的になった。
「瑠璃色に変化した石を持てば、魔法が使える」と、カモメイル家に引き継がれていた謎の石の話を始めた。
昨日供述しなかったのは、魔法を使って反逆するためだったと、どこまでも卑劣な事をわめき散らしている。
カモメイルは、リディが瑠璃色に変化した、その石を盗んだと訴えている。
彼女を処刑しろとか、彼女の人格を酷い言葉で罵っている。
リディに限って、理由もなく人の物を奪う訳がない。
その石こそ、レイルが話せないと言った、魔法を使えない理由なのだと合点がいった。
加えて、クルリに呼び出され嬉しそうに登城したカモメイルの息子は、魔法は知らぬ存ぜぬを繰り返していたが、国費の横領にはしっかり関わっていた。
これで、この疑わしい息子も処刑対象である事に変わりはない。
この親子から確認できることは、これ以上はないと判断した私は、国王へ全てを報告した。彼らの処刑はこの日の内に行われた。
国の重要人物を裁くには、異例の早さであったが、第1王子に対する事件によるものと、世間では受け取られ、背景に魔法がある事など気付く者はいなかった。
さて次は、レイルに全ての確認を取ることにするか。
カモメイルの尋問で、私の怒りは抑えられない所まで到達していた。
カモメイルの犯罪を糾明すれば、処刑に移す予定だ。
判明していた不法行為だけでも、死刑が確定する重罪だったが、その上、王族への弑逆とは……余りに問題が大き過ぎる。
尋問が終われば、大臣達の承認を待たずして、国王の裁量によって刑を執行する事になる。
「レイル、カモメイルに近づくと魔法を発動する可能性があるから気をつけろ!」
レイルを心配して声をかけるが、予期せぬ返答が返ってくる。
「殿下、リディアンヌ嬢から、奴はもう魔法を発動できないのではないかと聞いております故、大丈夫でしょう」
「何故だ? リディはどうして、そう判断したんだ!?」
「その詳細はお伝えできません」
「はぁっ! 要らぬ隠し立ては不要だ!! 話せっ!」
報告を伏せられることもそうだが、リディがレイルにだけ重要な情報を伝えていることに、苛立ちを抑えられない。
頭では冷静になるべきだと分かっているが、感情が追い付かない。
2人のやり取りを聞いていたクルリが、荒ぶった私の感情を窘める。
「なるほど、そういう事ですか……。昨日の魔法の事が、まだ府に落ちていませんでしたが、やはりそうでしたか。カモメイルには、もう一つ隠していたものがあったのですね? それを、リディアンヌ様がここから持ち出したから、カモメイルは魔法を使えないという事でしょうか? そうであれば、殿下にお願いします! この件を探るのは、カモメイル親子の尋問と処刑を行ってからにすべきです」
情け無い話だが、リディの事となると自分を見失っているようだ。
カモメイルの前で悠長な事は出来ないのは分かっている。レイルへリディの事を聞くのは、後にするしかない。
カモメイルの供述によって知り得た内容は、おおよそ私の想定通りだった。国費の横領は私が把握していた事に、ほぼ相違なかった。
だが、私の婚約者だったレイナ嬢の事故は、婚約の公表から直ぐに、企てていたのは予想外だった。
事故の計画を早々に立てたが、計画の遂行に時間を要していたとのことだった。
焦ったカモメイルは、娘を使って兄にも揺すぶりをかけたと自供した。
カモメイルは娘を王妃にしたくて、私の妃に据えたかったと言い出した。
皇太子でもない私の妃の座で、王妃と言うのは大袈裟だが、妃選びに無頓着だった私は、奴にとって好都合だった訳だ。
正直なところ、レイナ嬢の事故がもっと早くに起きていたら、カモメイルの思惑に乗せられていたであろう。
あの当時の私は、何故自分の大切な選択を億劫に思い、人任せにしていたのか?
今となっては、愚かな行いだと分かるが、リディに出会わなければ気付かないままだったかもしれない。
尋問が魔法の話に切り替わると、カモメイルは一層感情的になった。
「瑠璃色に変化した石を持てば、魔法が使える」と、カモメイル家に引き継がれていた謎の石の話を始めた。
昨日供述しなかったのは、魔法を使って反逆するためだったと、どこまでも卑劣な事をわめき散らしている。
カモメイルは、リディが瑠璃色に変化した、その石を盗んだと訴えている。
彼女を処刑しろとか、彼女の人格を酷い言葉で罵っている。
リディに限って、理由もなく人の物を奪う訳がない。
その石こそ、レイルが話せないと言った、魔法を使えない理由なのだと合点がいった。
加えて、クルリに呼び出され嬉しそうに登城したカモメイルの息子は、魔法は知らぬ存ぜぬを繰り返していたが、国費の横領にはしっかり関わっていた。
これで、この疑わしい息子も処刑対象である事に変わりはない。
この親子から確認できることは、これ以上はないと判断した私は、国王へ全てを報告した。彼らの処刑はこの日の内に行われた。
国の重要人物を裁くには、異例の早さであったが、第1王子に対する事件によるものと、世間では受け取られ、背景に魔法がある事など気付く者はいなかった。
さて次は、レイルに全ての確認を取ることにするか。
カモメイルの尋問で、私の怒りは抑えられない所まで到達していた。
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