奴隷を飼いました。

まぐろ

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小さくなーれ(失敗)

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「そういえばご主人様、ぼく試したい魔法があるんだけど、淫魔ちゃんにかけてもいいにゃ?」

「あー…まぁ、いいよ。今春紫苑くん寝てるし。」

膝の上ですーすーと寝息を立てている春紫苑をねこの方へ向ける。

「確か前はこう…にゃっ…!」

ボフッと謎の煙が出て、春紫苑がしゅるるる…と縮んでゆく。

「えっ、ん?なにこれどゆこと?」

「にゃ…あー…また失敗にゃぁ…今回は服はうまく行ったのに…手のひらサイズに縮めたかったのに…幼くなった…」

どういうことだ、と春紫苑の方を見ると、確かに幼い容姿になってしまっている。
そういえば前ねこがにゃーにゃー言ってたときにこんなことになってたな。
春紫苑はやっぱり幼くてもかわいい。

「ごめんにゃさいご主人様…すぐ戻すので…」

「いや…俺ちょっと子育てとか…やってみたかったからもうちょい楽しませて。」

ぷにぷにのほっぺや小さい手を握ったりして楽しんでいると、春紫苑が目をぱちっと開けた。

「あっ、春紫苑くん起こしちゃったねー、ごめんね、」

「んー…ぁーー、」

所でこれは何歳くらいなんだろうと思い、歯は生えているのか確認すると、小さくて可愛い歯が並んでいた。おぉ…と歯列をなぞると、指を噛まれた。

「っいたたたた!!」

「にゃぁぁ!?ご主人様大丈夫にゃ!?血が…!」

春紫苑は俺の指を吸って血を飲んだようで、喉がコクコクと鳴った。
それからもっともっととよじ登ってくる。
 
「んー…んー…!!ごぁん…」

「凄いよじ登ってくるよ…ねこ…春紫苑くんって主食血なの?」

「まぁ悪魔だからにゃぁ、?それに血には栄養もあるらしいし?それがご主人様のってなれば…淫魔ちゃんに取ってはご馳走にゃ。」

「え?なんで俺のがご馳走なの?」
 
「悪魔は、契約した人間の一部が一番美味しく感じるようになるからにゃ。」

へー、と納得しながらよじ登って首を噛もうとしてくる春紫苑を引っぺがし、高い高いをしてあげる。

「ほらたかいたかーい」

「ぁうぁ…えへへ…!!」

春紫苑が満面の笑みを向けてくる。
キャッキャとはしゃぐ春紫苑を撫でたりお姫様抱っこでゆらゆらと揺らしたりして可愛がった。
ちょっと疲れたので下ろすと、春紫苑はもっとしてと足にしがみついてくる。

「あー!ぅー!おとーぁん!」

「えっ、お父さん?俺?」

「淫魔ちゃんは愛してくれる親いなかったからねぇ。悪魔全般そうだけどにゃ。」

「そっかぁ…おいで春紫苑くん。あー。いや、おいで、春紫苑。」

椅子に座り、春紫苑を抱き上げて膝の上に座らせる。春紫苑がにこっと微笑む…と、ボフッと元の姿に戻ってしまった。

「あ、え、ぁっ…ごごご…ご主人様っっ…こ、これは…っ」

恥ずかしそうにキョロキョロする春紫苑を撫で、抱き上げたまま立ち上がる。

「ほら、たかいたかーい。」

「や…僕そんなんで喜ぶ年齢じゃ、」

「もうちょっとだけお父さんさせて?…本当に、可愛くていい子だね。春紫苑は。」

「ご主人様っ…今僕のこと、っ…えへへ…っ…ん…、お父さん、大好きっ!」

やっぱりいつもの春紫苑は可愛い。
それにしても…この子からのお父さん呼びは破壊力がすごい…

「ご主人様…物凄い幸せそうでなによりにゃぁ」
    
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