貴重な男の中で一番優しいのは俺らしい

クローバー

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ファンクラブが出来るらしい

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今日も元気に登校した。



「おはよー!松本くん、サッカー部のマネージャーやらない?」

「おはよー!松本くん、茶道部に興味ない?」

「おはよー!修史くん、けいおん部に入らない?」

「「修史くん!!私達の部活に入らない?」」



…デジャヴだ。



ガタッ バサバサバサバサ

下駄箱を開けて落ちてくる、たくさんのラブレター。



…デジャヴだ。



「松本くん、これ読んで下さい!」

「修史くん、これ受け取ってください!」←野太い声



…デジャブだ。



ガラガラ

「おはよー!」

「ま、松本くんが私に挨拶を「違う、私によ!「あんたなんかにするわけないでしょ「わたくし「あなたは黙ってて!」」」



…デジャヴだ。



「おはよー、天音さん。」

「んっ!おはよう修史くん。そういえば、修史くんのファンクラブ作っていいか聞いといてって言われたけどさ、どうする?」



…デジャ…え?

今日はいつも通りではなかった。



「えっ、ファンクラブって何?」

「何って、そのまんまだよ。君のファンがファンクラブ作りたいんじゃない。お近づき出来るかもって期待してるんでしょ」



何を言ってるんだよ!そんな事あるわけ…まじでっ!?



「そ、そんな、芸能人じゃあるまいし」

「…はぁ…。もう、君は自分の人気に気付いた方がいいよ!人気者は大変だね。さあ、早く決めてよ」



おいおい、人気者、俺が?そんなわけ…あるよなぁ!やっぱり!



「ファンクラブなんて、全然嬉しくなんか無いんだからね!」

「そう?なら、だめって伝えとくね」

「嘘っ、嘘だよ!全然いい!むしろ大歓迎!」

「なんだ。大丈夫ってこと?まったくもう、紛らわしいなぁ」



ツンデレが天音さんには通じなかった。

どうやら俺にファンクラブが出来るらしい。

有名になるってこういう気分なんだね、調子に乗りたくなる。



「そう言えば、会員証とかのデザインって、誰が考えるんだろうね。」←そういうのに凝りたい人

「それは…私に聞かれても分からないよ」

「確かにそうだね、ごめんごめん」



(ファンクラブか。まだ転入してから一週間も経ってないのに。これはすごく嬉しいぞ!なんだか自分が特別みたいじゃないか!神様?みたいな存在よ、ありがとう!)



「そうだ!いいサービス思い付いた!」

「な、なに?修史くん。」

「天音さん、スマホで俺の写真撮って!」



…ピクッ

((何!?松本君の写真だって!?喉から手が出るほど、ほ、欲しい!))

うん?何だかクラスの空気が…。

まあいいや。



俺は思い付いたのだ!

ファンクラブのカードに俺の写真を載せれば、嬉しいかもしれないと。

なんだって、俺のファンだしね!はっはっは!

…すみません、調子に乗ってます。



「まあ、いいけど。…何で?」

「撮った写真をファンクラブのサイトか、会員カードに乗せて欲しいと思って。会員カードの十番以内だけ特別な写真とかにしたら面白くない?」←咄嗟に思い付いた

「…まあ、喜ぶでしょうね」

「じゃ、よろしく!」



そう言って俺は色々なポーズをして、天音さんに写真を撮って貰った。

いくら俺に耐性がある天音さんでも、俺の多彩なポーズや笑顔を向けられて、流石に効いたのか耳から真っ赤になっていた。

してやったりだ!やっと俺に惚れたか遅いぜ!

…なんてねっ!



…後々、撮った自分の写真を見て、「俺…完全に…ナルシストになってた」と反省するとはこの時は思っていなかった。





写真を撮って貰った後、スマホで送って貰おうとしたが、俺は天音さんの連絡先を知らない事に気付いたので、教えて貰うことにした。

合法的に連絡先を入手出来るチャンスだ!



「天音さん、スマホの連絡先交換しよ!」



…ピクッ

((ま、松本くんの連絡先!?ほ、欲しい!!))



「…っ!あー、う、うん。…お、おっけー」



パンパカパーン! 三森天音の連絡先を手にいれた!



「連絡先に追加したよ、ありがと!僕の連絡先追加してくれた?」

「んっ!追加した。…あ、ありがと」



なんだか、少し照れくさい雰囲気が流れた。

女の子の連絡先を自然に貰えて嬉しかった。



ガラガラッ!

「おっはよー!天音!お、…おはよう、松本くん!」

「おいっ!私と修史くんで態度変わりすぎだろ」



連絡先を交換してたら、早香さんが元気良く入ってきた。

俺への挨拶だけモジモジしてたけど。



「おはよう、早香さん。突然だけど、早香さんも連絡先教えて!」

「えっ、え!れ、連絡先ですか!?は、はい。その…よろしく…お願い…します」



いきなりだったがあっさりと、早香さんとも連絡先の交換が終わった。

パンパカパーン! 月島早香の連絡先を手にいれた!



(なんだかよく分からないけど、松本くんの連絡先…貰っちゃった。…細かい事はいいやっ!…えへへ~!松本くんの連絡先だー!)



満面の笑みを浮かべてるから、喜んでくれたみたいだ。

拒否されなくてよかった。

拒否されたらマジ…ね。気持ち分かる人いるよね。



「よかったね、早香。…これで毎日やり取りできるね」



天音さんがニヤニヤしながら、早香さんをからかう。



「も、もう!からかわないで!」

「ははっ!早香さん、気軽に連絡してくれていいからね!」

「えっ、そ、そう!?…わ、分かったよ。…えへへっ!」

(松本くんと毎日、家に帰ってもお話出来るなんて。そ、そんなの…幸せすぎるよぉ。)



早香はスマホを大切そうに握りしめていた。



「あっ、勿論、天音さんもね。気楽にメッセ送ってね」

「…んっ!おっけー!」



さて、何とか二人の連絡先を貰えてよかった。

本当に良かった、拒否されなくて。

心が25歳の男が女子高生から連絡先を貰うシチュエーション…か。

…ハァハァ、グヘヘッ。

…えっ!?おまわりさん!?連行しないで!無実だよ!まだなにもしてないよ!これからだよっ!



「じゃ、私はファンクラブの話をしてくるから!」

「よろしく!細かいことは任せるって言っておいて!」



そう言うと、天音さんは立ち上がり何処かへ行ってしまった。



「松本くん、ファンクラブって何?」

「あ、早香さんは知らなかったね」



早香さんに簡単に説明をする。

早香さんは驚いたが、納得していた。



「なるほどねっ!そりゃそうだよね。松本くん、モテるもんね」

「まだ、転入してから数日だから正直驚いてるけどね」←さらっとモテる事を認める俺。



「…ファンクラブ…か…。わ、私も入ろうかな?」

「ん?何か言った?」

「ううん!な、何でもないよ!」



(松本くんのファンクラブか…。やっぱりこっそり入っとこ。松本くんの写真たくさん欲しいし。ど、とんな写真乗るのかな、あんな写真やこんな写真もあるのかな!?きゃー!)←妄想乙



聞こえていないフリをしたが、早香さんも俺のファンクラブに入りたいみたいだ。

写真が欲しいのかな?

そんなに欲しいのなら…



「そうだ、俺らも記念に写真撮っとこうよ!」



そう言って俺はスマホのカメラを開き、内カメにする。



パシャッ!



そして、椅子ごと早香さんの横に行き、体を寄せて勝手にツーショットを撮った。

バッチリカメラ目線の俺と、少し驚いている早香さんの綺麗な写真が撮れた。

肩に手をまわすかは迷ったが、ひよって止めた。



「…ふぇぇー!?」

「ん?嫌だった?」

「ううん!嫌だなんて、と、もんでもない!その…あ、ありがと」



(うう~!ふ、ふいうちなんて卑怯だよ~!びっくりしちゃった!…でも松本くんとのツーショット撮って貰えたなんて、嬉しすぎるよぉ~!!)



早香さんは恥ずかしいのかお礼を言ったあと、机に突っ伏して動かなくなってしまった。

俺は撮った写真を早香さんのスマホに送っておいた。



((松本くんとツーショットだと!?早香め、いつの間にか進んでやがる。な、なんてうらやましい事を!!))



その時、俺はクラスの女子の注目を集めていることに気付かないでいた。



(もしかして、早香さん、俺の事を好きになってる?…いや、まだ出会って日が浅いし、それはない…のか!?)



若干の期待を抱きつつ、早香さんの内心はまだ分からないと思った。





ー ホームルームが終わり、授業が始まった ー



ミーンミーン



制服をきちんと着ないとダメと早香のお母さんに言われていたため、きちんとYシャツの上に制服を着ていたが、暑い。

薄地だとはいえ、流石にきつい。

昨日まではマシだったが、かなり暑い。

そのため、俺はYシャツ姿になり、首に滴る汗をタオルで拭う。



その俺の様子をチラチラと見るクラスの女子達。

セクシーにでも見えてるのだろうか?

…ああ、俺が高校の時、女の子の夏服に興奮してたのと同じ感じかな?



隣の早香さんにいたっては、机に突っ伏して腕の隙間からじぃーっと俺の事を見つめているし。

あっ、早香さん。目が合って誤魔化した。



席の位置的に修史の事を見れない人は、自分の運を恨んでいた。



「暑いな~」



そう言って俺はYシャツの第2ボタンまで開ける。



ギロリッ

女子の視線が突き刺さる。

もっとバレないようにしてほしい。



((え、エロい。松本くん無防備過ぎる!マジ最高っ!もっと…もっと近くで見たいっ!!))



ビクッ!

なんだか視線が鋭くなった感じがしたので、びっくりしてしまった。

…ちょっと面白かったので調子に乗る。



「こうすればマシかな?」



そう小声で言いつつ、第3ボタンまで開け胸元を少し開き、下敷きでパタパタと風を送る。

隣の早香には俺の胸が完全に見えているであろう。



ポタポタッ!

(ううっ~!み、見えちゃった!!ど、どうしよう鼻血が。)



「あれっ?早香さん、大丈夫?今日は暑いからね、これ使ってよ!」



原因が暑さで無いことはもちろん分かっている。

しかし、俺は早香さんがまさか鼻血を出すとは思わなかったので、ポケットティッシュを渡す。



「ご、ごめんね。…ありがと。…ちょっと、暑かったみたい。えへっ」



早香さんを見て少しやり過ぎたかな?とは思ったが、少し楽しくなってしまった自分がいたのは事実だ。

前の世界にいた、無防備に胸元が見えたりする女性は、実は狙ってやっていたのかもしれない。



「次、じゃあ、松本くん。この問題解いてくれるかな?」

「あ、はい!」



そんな事を考えていると先生に当てられたので、教室の前まで進む。

わざとゆっくりと歩いた。



俺が横を通ったときに、Yシャツの隙間から胸元を見えるようにするためだ。

見えた人が大勢いたのか、三者三様の反応をしていて皆、可愛らしかった。



(これは…楽しすぎるぜ!)



今後、要所要所でとことんあざとく生活してやろうと思った。
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