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第一章
治らない病
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「お兄様!!」
気が付けばわたくしはお兄様の部屋に行き、びっくりして立ち尽くすお兄様を見るなり抱きついていた。
「アンジェ!?どうしたんだい?」
「お、お兄様、、お兄様はどこにも行きませんわよね?居なくなったりしませんわよね?」
そう言ってわたくしは半泣きになりながら問いかけた。
「ふふふっ、まったくアンジェは心配性だなぁ」
「なっ!笑わないでください!わたくしは本当にっ」
「ごめんね、アンジェ。何だか嬉しくなって、」
そう言ってシャンスは嬉しさに笑みが零れた。それもそうだろう、可愛い妹が泣きそうになりながら、自分の事を心配しているのだ。ちょっと前までは考えられなかった光景に思わずといったようにまた笑い声が漏れる。
「お兄様のお病気は治りますわよね?」
「・・・あぁ」
その間が答えだった。アンジェリカは理解したのだ。いま、目の前で困ったように笑っているお兄様が治らない病にかかっていることを。
「大丈夫だよ、アンジェは何も心配しなくて良いんだ。それに、まだ死ぬと決まった訳じゃなしさ。」
「・・・」
アンジェリカは何も言えなかった。だって、アンジェリカは知っているのだ。証明する方法もないし、言っても誰も信じてもらえないだろうけど、この優しい兄の命がもう長くない事を。
「お、お兄様!お兄様のことはわたくしが必ずお助け致しますわ!だからっ・・・」
今度こそアンジェリカの瞳から涙が零れた。
それ以上言葉を紡げなかった。
言っていいのか分からなかった。
アンジェリカには今も前世でも医学の知識はない、助けるといっても自分に出来ることが無いということは分かっていたのだ。
「アンジェ、どうか泣かないでいて、僕は、アンジェの笑顔が好きなんだ。アンジェには笑っていて欲しいな」
(あぁ、こんな時でも、この人は、兄は、わたくしを気遣い笑うことが出来るのだ。今、本当に辛いのは、怖いのはお兄様なのに。)
まだ、13才の少年が治るかも分からない病気と一生懸命戦っているのだ。
(わたくしは、何をしているのかしら・・・)
アンジェリカにとって、兄はもうなくてはならない存在だった。最初は、破滅フラグ回避のためと下心があったかもしれない。けれど、今はもう、違う。
人の温かさを知った彼女はもう、一人でも平気だったあの頃には戻れそうにない。
アンジェリカは涙を拭いて、兄を見上げた。そして、不敵に微笑む。
「えぇ、お兄様。わたくしもお兄様の笑顔が好きですの。だから、わたくし諦めませんわ!待っていて、今にお兄様のお病気を治して差し上げますわ」
アンジェリカの言葉にシャンスは泣きそうになった。こんなにも真っ直ぐに自分の事を心配してくれる妹がいる事が嬉しかった。もう、それだけで良いと思った。
「あぁ、ありがとう。アンジェ・・・」
そういって、シャンスが優しく頭を撫でると、アンジェリカは嬉しそうに目を細め、やがて、恥ずかしくなったのか手を払いのけたが、その後すぐに後悔したような表情をするものだから、シャンスは妹が可愛くて仕方ないとばかりに頬を緩ませた。
気が付けばわたくしはお兄様の部屋に行き、びっくりして立ち尽くすお兄様を見るなり抱きついていた。
「アンジェ!?どうしたんだい?」
「お、お兄様、、お兄様はどこにも行きませんわよね?居なくなったりしませんわよね?」
そう言ってわたくしは半泣きになりながら問いかけた。
「ふふふっ、まったくアンジェは心配性だなぁ」
「なっ!笑わないでください!わたくしは本当にっ」
「ごめんね、アンジェ。何だか嬉しくなって、」
そう言ってシャンスは嬉しさに笑みが零れた。それもそうだろう、可愛い妹が泣きそうになりながら、自分の事を心配しているのだ。ちょっと前までは考えられなかった光景に思わずといったようにまた笑い声が漏れる。
「お兄様のお病気は治りますわよね?」
「・・・あぁ」
その間が答えだった。アンジェリカは理解したのだ。いま、目の前で困ったように笑っているお兄様が治らない病にかかっていることを。
「大丈夫だよ、アンジェは何も心配しなくて良いんだ。それに、まだ死ぬと決まった訳じゃなしさ。」
「・・・」
アンジェリカは何も言えなかった。だって、アンジェリカは知っているのだ。証明する方法もないし、言っても誰も信じてもらえないだろうけど、この優しい兄の命がもう長くない事を。
「お、お兄様!お兄様のことはわたくしが必ずお助け致しますわ!だからっ・・・」
今度こそアンジェリカの瞳から涙が零れた。
それ以上言葉を紡げなかった。
言っていいのか分からなかった。
アンジェリカには今も前世でも医学の知識はない、助けるといっても自分に出来ることが無いということは分かっていたのだ。
「アンジェ、どうか泣かないでいて、僕は、アンジェの笑顔が好きなんだ。アンジェには笑っていて欲しいな」
(あぁ、こんな時でも、この人は、兄は、わたくしを気遣い笑うことが出来るのだ。今、本当に辛いのは、怖いのはお兄様なのに。)
まだ、13才の少年が治るかも分からない病気と一生懸命戦っているのだ。
(わたくしは、何をしているのかしら・・・)
アンジェリカにとって、兄はもうなくてはならない存在だった。最初は、破滅フラグ回避のためと下心があったかもしれない。けれど、今はもう、違う。
人の温かさを知った彼女はもう、一人でも平気だったあの頃には戻れそうにない。
アンジェリカは涙を拭いて、兄を見上げた。そして、不敵に微笑む。
「えぇ、お兄様。わたくしもお兄様の笑顔が好きですの。だから、わたくし諦めませんわ!待っていて、今にお兄様のお病気を治して差し上げますわ」
アンジェリカの言葉にシャンスは泣きそうになった。こんなにも真っ直ぐに自分の事を心配してくれる妹がいる事が嬉しかった。もう、それだけで良いと思った。
「あぁ、ありがとう。アンジェ・・・」
そういって、シャンスが優しく頭を撫でると、アンジェリカは嬉しそうに目を細め、やがて、恥ずかしくなったのか手を払いのけたが、その後すぐに後悔したような表情をするものだから、シャンスは妹が可愛くて仕方ないとばかりに頬を緩ませた。
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