悪役令嬢に転生しました??

朝比奈

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第二章

ガーデンパーティー(4)

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小屋の中にはベットと机と本棚、そしてキッチンがあった。

もしかして、ジルは本当にここで暮らしているのかしら?

そう思わせるほどに、小屋の中は生活感が溢れていた。

「アンジェリカは、甘い物は好きか?」

「えぇ。好きよ」

わたくしがそう答えればジルはクッキーをお皿に入れて私の目の前に置いた。

「ほら、甘いから、食べてみろよ」

「ありがとう、ジル」

私は、小さな二人がけの机にジルと向かい合うように座って、ジルにもらったクッキーをかじった。

もぐもぐ。ごくり。

口に入れた途端に広がるチョコレートの甘さとクッキーのこおばしい匂いに頬が緩む。

「美味しい・・・」

気がつけば声が漏れた。

「ははっ、良かった・・・。」

とジルが嬉しそうに笑う。
私は何故ジルが嬉しそうなのかよく分からなくて首を傾げる。

「それ、俺が作ったんだ。」

「えっ?」

ジルから発せられた予想外の言葉に私は固まる。

ジルが作ったって、このクッキーの事?

ていうか、まってジルはこの国の王子様なんじゃなかった?

「ジルは第一王子殿下・・・なの?」

わたくしはもう分かっていることを聞いた。

「・・・うん。そうだよ。僕の名前はジルヴェルト・チェンテール。この国の第一王子だ」

その声は弱々しく、ジルはわたくしから目を背けた。

第一王子・・・。

「どうして、黙っていたの?」

話してくれても、良かったじゃん。
どうして、そんなに悲しそうな顔をするの?

わたくしがムッとして見つめると、ジルは一度なにかに迷うかのように視線をさ迷わせた。

「僕は体が弱いって聞いたことがあるだろう?」

「・・・あるわ」

「それ、嘘なんだよ」

「・・・・・・」

その言葉にわたくしが何も言えずにいると、ジルは苦笑して言葉を続けた。

「信じてくれなくてもいい・・・。どうせ僕もこれ以上は詳しいことは話せないからな。ただ、言えるのは、僕はあまり表に出ちゃいけないってことだな・・・」

「ジル・・・」

なにか、何かないだろうか。
なにか彼に気の利いた言葉をかけてあげたい・・・。そう思って口を開いた。だけど、その声はジルの明るい声に打ち消される。

「そうだ!アンジェリカも一緒にクッキー、作ってみないか?」




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