朝が来るまでキスをして。

月湖

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6 さすがに

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「ヒカルちゃん、今日車っしょ? 一緒に乗っけってってよ」



なんとなくさっきの視線のイミが気になって、既に帰り支度の終わってるヒカルちゃんに声を掛けた。



「え・・・いいけど」



多分無意識なんだろうな。

ほんのちょっとだけ困ったように眉を下げんの。

俺とは帰りたくない?



「けど、なに(笑)」



「あ、いや、いいよ。じゃ、車回してくるから待ってて」



・・・なんか、最近変だよな。

キスをせがんだと思えばちょっとなんか言ったら怒ったり?

マジで俺の事好きだとか?

・・・なんてな(笑)



「リーダー、ヒカルさんになんかしたの?」



もう十何年ずっと一緒にいるからなー・・・。

やっぱ気付くよな。



「しらん。あとで本人に訊くし。じゃ、おつかれー」



ヒカルちゃん信者の末っ子にジロっと見られるけど、説明すんのも面倒くさくて言い逃げして出た。

けど。


いんの?


そう思ってゆっくり歩いて出たら、ちょうどそのタイミングでヒカルちゃんの車が目の前に停まった。



「ナイスタイミング♪ ご褒美にキスしてやろっか」



乗り込みながら軽口を叩いたら「あとでね」ってさ。

・・・やっぱ変。

前なら「いらねーよ」って笑ってたのに。

やっぱり?

・・・って嘘だろ(笑)



「ふふ。ヒカルちゃん、俺とキスしたいんだ?」



「気持ちイイし。だいたい、あなたが言ったんだよ。オンナとするより気持ちイイって」



うーわ(笑)

なんかカワイイこと言ってるよ(笑)




「なに女なんかに対抗してんの?
心配しなくても女出来たからってヒカルちゃんとキスすんのやめるつもりねえけど?」



「対抗とかじゃなくて・・・っ」



じゃないなら何(笑)?

顔赤くしちゃってさ。

鈍い俺でもさすがに分かったよ(笑)



「あ、俺んチじゃなくてヒカルちゃんのとこね。今晩泊めて? たまには二人で飲もうよ」



ダメなんて言わないよな(笑)



「・・・いいよ。じゃあ、コンビニ寄ってく」



んー・・・でもなあ・・・。

どうしたもんかね。

ヒカルちゃんは俺とSEXしたいとかまで思ってんのかな。

さすがに俺、男とは経験ねえよ?

女のコとは後ろでシたことあるけどさ。



あ、つーか、その前にちゃんと確認しなきゃな。



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