朝が来るまでキスをして。

月湖

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104 ご褒美

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意外だった。

仕事中はどんな奴の前でも人当たりが良くそつのない『七瀬光』でいたのに、あの女の前ではカケラも作らず。

相手が俺の元・・・彼女かあれ?セフレ?だったからか。

あんなに敵意を剥き出しにする姿を見るのはいつ以来だろう。

全力で俺の害になるものを遠ざけようとしていた。

だから



「ご褒美、的な?」



優しくてやらしいキスをすると、多分無意識にだろう俺の服を掴んでくる手。

俺がそれに気付いたら、照れなのか睨んでくる目には少しだけ欲が見えた。

んふふ。

さすがにここじゃね?


まあ、でも。



「ちょ・・っ!あ・・っんん・・っ」



ヒカルちゃんがとっとと追っ払ってくれたおかげで、ちょっとイタズラするくらいの時間はある筈。

キスをしながら素早くシャツの前を開けて手を入れ、昨夜も可愛がった胸の先を摘まむと途端にビクッとカラダが震えた。

目を薄く開けると、目元をうっすら赤くして刺激に耐えているヒカルに自分の欲が上がってくるのを感じた。

なんにも知らなかったのを、俺の好みに拓いたカラダ。

こんな、少し触っただけで震えるくらいに。



「ふふ・・」



「あ・・っ」



「キモチイ?」



「や・・じか、んっ」



気にしてるけど無理だろ、これ多分。



「あっいやだ・・っ」



手を下にずらしていくと、やっぱりというか、膨らみ始めたオトコの象徴があった。



「まだ少しは時間あるけど。このまま帰る?(笑)」



布の上から擦るとむくむくと頭を擡げてくるソレ。

このまま楽屋帰ったら絶対3人にバレるな(笑)



「っ・・ひど・・あぁっ!」



きゅ、と握ると、明らかな嬌声を漏らす唇。

そんなヒドイのが好きなんだから諦めとけば?



「すぐ終わらせてやるよ?」



躊躇いも無くジッパーを下げ下着の中に手を入れると、それは待ち侘びたようにビクビクと手の中で震え、はしたない汁を漏らした。



「っ・・・」



「コッチはもっとしてって言ってるけど?(笑) どうする? やめる?」



なんて、ね(笑)

答えは分かり切ってる。



「・・んんっ」



弱々しく首を振り、俺の首に腕を巻き付けぎゅっとしがみ付いてきたヒカルちゃん。

やっぱり(笑)

とっくに先走ってるし、コレは出さなきゃ治まんねえよな。



「どうすんの?」



「・・して」



訊けば、小さく強請る声。



「ふふ。ちゃんと掴まってな?」



俺は自分のモノはそのまま、ヒカルだけをイかせるために手を動かし始めた。



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