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王都での出会い
ネタバラシ後編
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「ちょ・・・ちょ、ちょっと、その、待ってもらえるかな?頭の整理が・・・。」
大混乱を起こしている公爵を横目にフローレンスとグレースはにやにやしていた。淑女としては失格かもしれない表情だ。
「ふふっ、あはは!こんなに狼狽えている旦那様を初めて見たわー!」
「ふふふっ!わたくしもです。なんだかしてやったりの気分ですわ。」
「わたしは全くの置いてけぼりの気持ちです・・・。」
アワアワしている公爵を肴に和気あいあいと話していた。少し落ち着いてきた公爵がヒナタの方を見る。
「その、君は・・・スライムで合ってる・・・のかな?」
「はい、スライムです。」
「なんで、話せて・・・いや、立役者と言っていたな。今はフローレンスに変化している・・・という事は、さっきまでの棺の中のグレースは君かな?」
「そうです。」
それから、色々と質問をされて納得したようなしていないような、複雑な表情で公爵は黙り込んでしまった。
1番納得がいかなかったのは、ヒナタの透明化の魔法についてではあったが、実際に目の前でグレースが現れたのを見ていたので、納得せざるを得ない状況だった。
グレースが突然、出てきたのもミニをグレースに持たせて透明化しており、先に馬車に乗り込んで待っていただけなのだ。
「はぁ~~、分かった。いや、まだ混乱しているけど・・・とりあえず納得しよう。もうそろそろ、墓地にも着く事だしね。」
「あ、もうそんな時間なのね。じゃあ、とりあえずこの棺だけ埋めちゃいましょうね!」
「そうですね。はぁ、よかった。わたしも一緒に埋められるかと、ちょっと不安になりましたよー。」
さりげなく苦情を言っておく。
「まさか!ちゃんと出してあげたでしょ?それにお父様にはここでちゃんと貴女を紹介する予定だったんだから、棺に入れたままなんてあり得ないわよ。」
その言葉にハッと公爵は顔を上げた。
「そうだったのかい?フローレンス。わたしの事を信用できないからと言っていたのに・・・。」
「あれは、お父様の事をよく知らなかったから・・・お父様が黒髪のわたくしを嫌がっていると、嫌われているのは魅了だけのせいとは・・・思えなかったというか、・・・。」
言い淀むフローレンスをグレースがまた抱きしめる。
「フローレンスは、旦那様の本心が知りたかったのよね。だから、旦那様の魅了だけ解いてわたくしの死の偽装は教えなかったの。・・・悪気はなかったのよ、ごめんなさい。」
罰が悪そうな表情のフローレンスとグレースに公爵は何も言えなかった。
そもそも2人を責める資格を持ち得ていなかった。
「旦那様がどういう人かなんて、フローレンスには分からなかったから。わたくしも旦那様を信じたかったけど、今までの貴方をみている期間が長すぎて・・・・・・不安だった。」
「・・・・・そうだね。わたしの態度はそれほど酷かった。でも、これからのわたしを見て欲しい。・・・今までの事を取り戻す機会が欲しい。少しずつでいいから。」
「ええ、・・・これからゆっくりね。でも、その前にたくさんの問題が山積みよ。」
ちょうどその時、ガタンと音がして馬車が止まった。
目的地に着いたようだ。
「では、私たちはまた姿を消しますね。帰りの馬車は変えますよね?これは棺を載せる馬車だから・・・帰りの馬車には勝手に奥様と乗っているので安心してください。」
「あ、ちょっと待って。ヒナ、だったかな?まだちゃんと自己紹介をしていなかったね。わたしの名前は、ヘンリーだ。ヘンリー=ノースポール。妻と娘を助けてくれて心から感謝する。本当にありがとう。」
そして、座ったままだが深々と頭を下げたのだった。
「え、あ!いえ、その、どういたしまして!」
慌てて返事をしたヒナタだったが、挙動不審な態度になってしまったのはご愛嬌だろう。
「これからも力を貸してもらえるとありがたい。」
「わ、わたしでよければ!」
(いやー、公爵様めっちゃ美形だわー。なんか照れるー。)
そんなヒナタの態度を見てフローレンスが少し拗ねたように
「なんだか、わたくしの時と態度が違わないかしら?」
「え!?ソ、ソンナコトナイデスヨー。」
目を泳がして誤魔化すヒナタだった。
大混乱を起こしている公爵を横目にフローレンスとグレースはにやにやしていた。淑女としては失格かもしれない表情だ。
「ふふっ、あはは!こんなに狼狽えている旦那様を初めて見たわー!」
「ふふふっ!わたくしもです。なんだかしてやったりの気分ですわ。」
「わたしは全くの置いてけぼりの気持ちです・・・。」
アワアワしている公爵を肴に和気あいあいと話していた。少し落ち着いてきた公爵がヒナタの方を見る。
「その、君は・・・スライムで合ってる・・・のかな?」
「はい、スライムです。」
「なんで、話せて・・・いや、立役者と言っていたな。今はフローレンスに変化している・・・という事は、さっきまでの棺の中のグレースは君かな?」
「そうです。」
それから、色々と質問をされて納得したようなしていないような、複雑な表情で公爵は黙り込んでしまった。
1番納得がいかなかったのは、ヒナタの透明化の魔法についてではあったが、実際に目の前でグレースが現れたのを見ていたので、納得せざるを得ない状況だった。
グレースが突然、出てきたのもミニをグレースに持たせて透明化しており、先に馬車に乗り込んで待っていただけなのだ。
「はぁ~~、分かった。いや、まだ混乱しているけど・・・とりあえず納得しよう。もうそろそろ、墓地にも着く事だしね。」
「あ、もうそんな時間なのね。じゃあ、とりあえずこの棺だけ埋めちゃいましょうね!」
「そうですね。はぁ、よかった。わたしも一緒に埋められるかと、ちょっと不安になりましたよー。」
さりげなく苦情を言っておく。
「まさか!ちゃんと出してあげたでしょ?それにお父様にはここでちゃんと貴女を紹介する予定だったんだから、棺に入れたままなんてあり得ないわよ。」
その言葉にハッと公爵は顔を上げた。
「そうだったのかい?フローレンス。わたしの事を信用できないからと言っていたのに・・・。」
「あれは、お父様の事をよく知らなかったから・・・お父様が黒髪のわたくしを嫌がっていると、嫌われているのは魅了だけのせいとは・・・思えなかったというか、・・・。」
言い淀むフローレンスをグレースがまた抱きしめる。
「フローレンスは、旦那様の本心が知りたかったのよね。だから、旦那様の魅了だけ解いてわたくしの死の偽装は教えなかったの。・・・悪気はなかったのよ、ごめんなさい。」
罰が悪そうな表情のフローレンスとグレースに公爵は何も言えなかった。
そもそも2人を責める資格を持ち得ていなかった。
「旦那様がどういう人かなんて、フローレンスには分からなかったから。わたくしも旦那様を信じたかったけど、今までの貴方をみている期間が長すぎて・・・・・・不安だった。」
「・・・・・そうだね。わたしの態度はそれほど酷かった。でも、これからのわたしを見て欲しい。・・・今までの事を取り戻す機会が欲しい。少しずつでいいから。」
「ええ、・・・これからゆっくりね。でも、その前にたくさんの問題が山積みよ。」
ちょうどその時、ガタンと音がして馬車が止まった。
目的地に着いたようだ。
「では、私たちはまた姿を消しますね。帰りの馬車は変えますよね?これは棺を載せる馬車だから・・・帰りの馬車には勝手に奥様と乗っているので安心してください。」
「あ、ちょっと待って。ヒナ、だったかな?まだちゃんと自己紹介をしていなかったね。わたしの名前は、ヘンリーだ。ヘンリー=ノースポール。妻と娘を助けてくれて心から感謝する。本当にありがとう。」
そして、座ったままだが深々と頭を下げたのだった。
「え、あ!いえ、その、どういたしまして!」
慌てて返事をしたヒナタだったが、挙動不審な態度になってしまったのはご愛嬌だろう。
「これからも力を貸してもらえるとありがたい。」
「わ、わたしでよければ!」
(いやー、公爵様めっちゃ美形だわー。なんか照れるー。)
そんなヒナタの態度を見てフローレンスが少し拗ねたように
「なんだか、わたくしの時と態度が違わないかしら?」
「え!?ソ、ソンナコトナイデスヨー。」
目を泳がして誤魔化すヒナタだった。
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