スライムなのに悪役令嬢になっちゃった！？・・・荷が重い！！

身代わり生活スタート

友達になりました

「なぜなんだ！？俺の何が気に入らないんだ！？」


頭を抱えるライアンに若干申し訳なく思ったが、どう考えてもただ顔を知っているだけのイケメンの立ち位置であるライアンと人生を共に歩もうとは即決できない。当たり前だ。


「正直、ライの事をそんなに知らないのにプロポーズされても・・・ちょっと引くかも。なので、諦めてください。」

「そんな・・・本当にヒナは俺を番だと認識できてないの・・・か？」


激しく落ち込むライアンの肩をポンとケインが慰める。


「ライアン殿下。僕の目にもヒナ様はライアン殿下の事を番だとは認識してないように見えてましたよ。なのに・・・ぶはっはははっ！なんでプロポーズしてんですか！？あはははははっ！」

「このっ！ケイン！何を笑ってんだよ！慰めになってないんだよ！」


ライアンとケインの言い合いが始まったところで、フローレンスがヒナタに話かけてきた。


「ヒナよく言ったわ。その通りだわ。さ、よく知らない人からのプロポーズなんてお断り一択よね。じゃあ、この話はここまでという事で、今日の所は失礼させていただきましょう。」


ライアンの方へ淑女の礼をするとフローレンス。


「では、今日は失礼させていただきます。また後日お会いいたしましょう。」

「待て待て待て待て待て！何を帰ろうとしてるんだ！まだ話は終わってないぞ！」


帰ろうとするフローレンスとヒナタを慌てて言い合いをしていたライアンが引き止める。


「まだ何かお話がございましたでしょうか？」

「あるに決まっているだろうが！・・・ヒナ！ヒナが俺の事を知らないというのなら、俺の事を知るところから始めてはくれないだろうか？」


必死な表情でヒナタに話しかけてくるライアンに少し絆されそうになってしまう。別に嫌いなわけではないのだ。むしろ好感度は高い。
困ってフローレンスを見やると困ったような顔をした。


「・・・そうね、ヒナに任せるわ。流石にわたくしもこれだけ力になってもらっておきながら、ヒナの幸せの邪魔はできないわ。まだ居なくなられるのは困るし、本当にライアン殿下がヒナの幸せになるのかも分からないから手放しで喜んであげられないのが心苦しいけれども。まあ、でも、ヒナが知りたいというのなら、お友達からとかはどうかしら？」

「なるほど・・・ですね？確かにいきなり結婚はないですが、お友達くらいなら・・・。ライアン殿下、お友達からというのはどうでしょうか？」


その言葉を聞くとライアンは、パッと顔を上げ喜びで笑顔になった。
そしてヒナの手を両手で握ると自分の方へと引き寄せた。咄嗟の事でヒナタはライアンの元へ抵抗なく引き寄せられてしまった。そのままぎゅっと抱きしめられてさしまう。


「もちろん！じゃあ、今から俺たちは友達だな！明日はヒナの予定は空いているか？またケーキを食べに行こう！あ、今度はランチでもいいな！美味しいお店を見つけたんだ。一緒に行こう！」

「いやいやいやいや、これ、友達の距離感じゃないから。ちょっと離れてください。」


嫌がるヒナタにも全く介せず、次々と予定を立てていくライアンと嫌がるヒナタ。ケインとフローレンスの反応は正反対だった。


「ぷはぁっ！！この温度差！つ、番とはーー？！！まじ面白いーー！！あはははははははははは！」

「それより、わたくしの姿のヒナに触らないでくださいまし！見ていられませんわ！離れてくださいな！あぁ！またさぶいぼが・・・！」


混沌としてきたが、ヒナタはライアンと友達になりました。