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10話 闇の中の侵入者
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その日、落ち込んでいるケイルの為にとリーさんが豪華な食事を作って
くれた。
それでも、できるだけ嬉しそうに振る舞ったが、どうしても笑顔が作れ
なかった。
きっとリーさんにも分かってしまうだろう。
「ごめん…リーさんの期待にも応えられなかった…」
「ケイル様…私はそんなに期待はしていませんでした。いや…むしろ良
かったとさえ思っています」
「どう…して?」
リーさんの言葉にケイルはハッと顔を上げた。
「もし…結果が良くて、暗殺対象になってしまっていたかと思うと安心
しました。ロイド様の時は…」
「ロイド兄さん?」
「そうです。ロイド様は優秀な方でした。知識が豊富でいつも前向きに何
でも努力なさる方だったのですが…」
「引きこもりって聞いてるけど?」
「そうです、部屋に引き篭もるしかできなかったのです。ロイド様は精霊
の祝福の儀式の後に…暗殺されかけたのです」
リーさんの言葉にケイルは息が詰まる思いだった。
ロイドの暗殺は未遂に終わった。
が、彼には大きな傷跡を残したそうで、顔の反面を焼かれて。
醜く爛れているとか。
そして微量の毒によって手足の麻痺も始まっているという。
食事にわずかな毒が仕込まれていたらしい。
もちろんケイルの食事にも始めは微量の毒が入っていたらしい。
が、リーさんが選り分けているうちに全部に入っていて、今では強力になって
きているという。
これには呆れるしかない。
王族に毒を盛るなど…
いや…毒を盛ったのも王族なのだろう。
そのせいで誰も罰せられる事もなく、実行できるのだ。
その時は、食事を持ってきたメイドを一人処刑したと聞いた。
(もし俺が死んだら…リーさんが処刑されるのか?それは、ダメだ!)
いつもよくしてくれたリーさんを死なせたくはない。
いつもの癖で、リーさんが持ってきたデザートに鑑定をかけようとして滑って
持っているリーさんに鑑定魔法をかけてしまった。
「あっ…」
やばい、人間は鑑定できな…い?
目の前の表示に目を瞬かせた。
そこにはリーさんの事が表示されていた。
リー
男性
王様から遣わされた刺客。
意の沿わない時は殺す為にケイルの行動を見張る為、メイドとして
仕えている。
事情を知った乳母を殺害した過去をもつ。
「…」
「どうなさいましたか?」
「えっ…あ、いや…何でも、ないです」
「そうですか?これ、美味しいですよ?」
最近は一緒に食事を摂る様になったが、今の鑑定を見てしまうと怖くなって
しまった。
いつまで生かされているんだ?
魔法が使えない無能と知って、父はどう出るだろう?
やっぱり、不要な駒は消すのか?
それも一番身近な人間に殺させるのか?
もう誰も信じられなかった。
「ケイル様?どうかなさいましたか?お口に合いませんか?」
「うん。そんな事ないよ…ちょっとお腹いっぱいで…これ、明日でもいいかな?」
「はい、では片付けてまいります」
「うん…いつもありがとう」
自室に帰ると、疲れて眠りについたのだった。
何者かが息を潜める様に部屋の窓をこっそりと開けた。
鍵はかかっていたはずだった。
今は、何事もない様に中に侵入を果たすと鍵も勝手にかかる。
布団の中にはまだ幼い少年が眠っている。
月の明かりを浴びても銀糸の髪が綺麗だと思えた。
今日、目の前の少年を殺さなければならない。それが依頼だからだ。
高額の値段が付いていた。
それもそのはず、ダーゲットは王族の末っ子だったからだ。
噂では賢く、剣の腕も見込みがあると聞いた。
が、魔法の才能には恵まれなかったらしい。
異端の存在。
まるで自分を思い起こす様で余計にやりにくい仕事だった。
そして、躊躇っているうちに何かに気付いたのか、ターゲットの少年が目を覚
ましたのだった。
「リーさん?こんな夜中になぁに?」
「運が悪かったな?そのリーさんじゃなくて…さよならだ!」
「誰っ…」
口を塞ぎ喉元にナイフを当てた。
そしてゆっくりと力を込めて…
くれた。
それでも、できるだけ嬉しそうに振る舞ったが、どうしても笑顔が作れ
なかった。
きっとリーさんにも分かってしまうだろう。
「ごめん…リーさんの期待にも応えられなかった…」
「ケイル様…私はそんなに期待はしていませんでした。いや…むしろ良
かったとさえ思っています」
「どう…して?」
リーさんの言葉にケイルはハッと顔を上げた。
「もし…結果が良くて、暗殺対象になってしまっていたかと思うと安心
しました。ロイド様の時は…」
「ロイド兄さん?」
「そうです。ロイド様は優秀な方でした。知識が豊富でいつも前向きに何
でも努力なさる方だったのですが…」
「引きこもりって聞いてるけど?」
「そうです、部屋に引き篭もるしかできなかったのです。ロイド様は精霊
の祝福の儀式の後に…暗殺されかけたのです」
リーさんの言葉にケイルは息が詰まる思いだった。
ロイドの暗殺は未遂に終わった。
が、彼には大きな傷跡を残したそうで、顔の反面を焼かれて。
醜く爛れているとか。
そして微量の毒によって手足の麻痺も始まっているという。
食事にわずかな毒が仕込まれていたらしい。
もちろんケイルの食事にも始めは微量の毒が入っていたらしい。
が、リーさんが選り分けているうちに全部に入っていて、今では強力になって
きているという。
これには呆れるしかない。
王族に毒を盛るなど…
いや…毒を盛ったのも王族なのだろう。
そのせいで誰も罰せられる事もなく、実行できるのだ。
その時は、食事を持ってきたメイドを一人処刑したと聞いた。
(もし俺が死んだら…リーさんが処刑されるのか?それは、ダメだ!)
いつもよくしてくれたリーさんを死なせたくはない。
いつもの癖で、リーさんが持ってきたデザートに鑑定をかけようとして滑って
持っているリーさんに鑑定魔法をかけてしまった。
「あっ…」
やばい、人間は鑑定できな…い?
目の前の表示に目を瞬かせた。
そこにはリーさんの事が表示されていた。
リー
男性
王様から遣わされた刺客。
意の沿わない時は殺す為にケイルの行動を見張る為、メイドとして
仕えている。
事情を知った乳母を殺害した過去をもつ。
「…」
「どうなさいましたか?」
「えっ…あ、いや…何でも、ないです」
「そうですか?これ、美味しいですよ?」
最近は一緒に食事を摂る様になったが、今の鑑定を見てしまうと怖くなって
しまった。
いつまで生かされているんだ?
魔法が使えない無能と知って、父はどう出るだろう?
やっぱり、不要な駒は消すのか?
それも一番身近な人間に殺させるのか?
もう誰も信じられなかった。
「ケイル様?どうかなさいましたか?お口に合いませんか?」
「うん。そんな事ないよ…ちょっとお腹いっぱいで…これ、明日でもいいかな?」
「はい、では片付けてまいります」
「うん…いつもありがとう」
自室に帰ると、疲れて眠りについたのだった。
何者かが息を潜める様に部屋の窓をこっそりと開けた。
鍵はかかっていたはずだった。
今は、何事もない様に中に侵入を果たすと鍵も勝手にかかる。
布団の中にはまだ幼い少年が眠っている。
月の明かりを浴びても銀糸の髪が綺麗だと思えた。
今日、目の前の少年を殺さなければならない。それが依頼だからだ。
高額の値段が付いていた。
それもそのはず、ダーゲットは王族の末っ子だったからだ。
噂では賢く、剣の腕も見込みがあると聞いた。
が、魔法の才能には恵まれなかったらしい。
異端の存在。
まるで自分を思い起こす様で余計にやりにくい仕事だった。
そして、躊躇っているうちに何かに気付いたのか、ターゲットの少年が目を覚
ましたのだった。
「リーさん?こんな夜中になぁに?」
「運が悪かったな?そのリーさんじゃなくて…さよならだ!」
「誰っ…」
口を塞ぎ喉元にナイフを当てた。
そしてゆっくりと力を込めて…
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