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28話 交渉
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よし、今日もいい朝だ!
日が昇る前には起きると、他の部屋にクリーンの魔法をかけると綺麗
にしていく。
魔法とは便利なものだった。
イリアが起きる頃には外の土の中に埋めた種芋からじゃがいもを数個
収穫していた。
他の野菜も成長させるといつのまにか家に横にはリンゴの木も生えて
いる。
これはケイルが来た次の日に植えたものだった。
今は身を付けて美味しそうに熟れていた。
「いつ見ても、それ…生活魔法から逸脱してる気がするわ…」
りんごをもぎ取るとケイルに渡した。そして自分でも齧って見るが、
今まで食べた中でも一番甘かった。
「甘っ、こんな美味しいの初めてだわ」
「でしょ?即席で作ってるのに、美味しいよね?」
サラダと昨日買ったパンを挟むとポテトサラダをつける。
あとはりんごを煮てからパンの上に乗せた。
「朝ごはんにしよう?」
「まさかケイルちゃんが作ってくれるとはね~、これからは毎日が楽
しみだわ」
食事を終えるとイリアと一緒に鉱山地帯へと向かった。
もちろん歩いてではない。空をひとっ飛びだった。
おかげで今、気持ちが悪い。
「さぁ~今日はベノニウム鉱石を掘り出すわよ~」
「ねぇ、そのベノニウム鉱石ってこの洞窟にあるの?」
「そうよ~すっごくお高いんだから~」
ケイルは首を傾げると疑問を口にした。
「ただ掘るだけなのに?」
「そうよ、ただ掘るだけが難しいのよ。ベノニウム鉱石ってね火山
の近くのここの洞窟でしか取れないのと、近くを掘ると…有害な
ガスが出るの」
「有害なガス?」
「そう、数分吸ってると麻痺して動けなくなるのよ。そしてこうい
う洞窟ってね、魔物が住んでる事が多いのよ…」
その言葉に一瞬ゾッとした。
気を失ってる間に襲われたら人間などひとたまりもない。
「それってどうやって掘るの?」
「まぁ~任せなさい!」
奥へとスタスタ入っていくと、火炎で一気に奥まで焼いてしまった。
これでもし中に魔物がいても、黒焦げ確実だった。
そのあとは身体の周りを光る膜が覆うとこれでガスを防げると聞
いた。
ツルハシで鑑定した場所を掘ると煙の様にガスが出てきて、鉱石
もポロリと転がって落ちた。
「やったー!これだね!」
「そうそう、上手いじゃん!どんどん掘るよ~」
イリアに褒められるとなんだか嬉しかった。
気分よく、疲れ知らずでどんどん掘り進めた。
気づくと後ろには結構な量の鉱石が転がっていた。
疲れ知らずにがむしゃらに掘れたのも、後ろから常に疲れを緩和
する様に回復されていたからだった。
気づいてはいたが、当たり前の様に疲れてくるとすぐに身体がふ
わっと軽くなった。
イリアは鉱石を麻の袋に収納するとそろそろ帰ることにした。
まだ、今日は明るい時間に帰るらしい。
と思っていたが、ギルドへ報告に行くのではなく工房へと向かった。
「すいませーん、誰かいますか?」
「おう、嬢ちゃん!何の用だ?」
「えーっと、ドワーフの剣と防具一色、それと、鉱石の買取りを
お願い!」
「ほほう?防具は誰がつけるんだ?」
「ケイルちゃんのやつね!」
そういうと、ずりっと前に出された。
怖い顔のおっさんが睨む様に眺めてくる。
やるせない気持ちで笑顔を作るとぽんぽんと頭を撫でられた。
「まだ、防具を付けるには早いだろ?どうしても必要か?」
「うん、どうしても必要なの!怪我してからじゃ遅いからね!」
「分かった、明日に取りに来い!それと何を売るって?」
ドワーフのおっさんは机の上に出せと言わんばかりにいうのでイリア
が麻の袋を逆さまにしようとした。
「ま…待って!もっと広いところで…」
ケイルの言葉も届かないうちにぽろっと一個転がると同時に一気に鉱石
が机を埋め尽くし、それでも乗らなかった分が店に溢れ帰ったのだった。
「だからここで出しちゃダメだよ!」
「だって、おじさんがここに出せって言ったじゃん?」
「な、な、な、これは…ベノニウム鉱石じゃねぇーか!」
興奮気味にいうと、さっきまで余裕を見せていた顔が一気に職人の顔に
なった。
「これを売ってくれるのか?いくつ売るんだ?」
「そうだな~、これだけあるし~どんだけ買いたい?」
イリアは値踏みする様に試していた。
「そうだ、ここ以外にも工房はいっぱいあったよね~。まだ明るいし
別の店にも行ってみようかなって思ってるんだけど?」
これでは、脅しではないか?
ケイルは呆れた様に眺めていると奥から金貨を何枚も出してきた。
「これでどうだ?金貨300枚は入っとるぞ?」
「え~たかが300枚?」
「うー、ならさっきの子の防具も剣も最高のものを作っとく!それも
付けるぞい!」
「う~ん、それだけ?」
「ぐぬぬ…なら…盾はどうじゃ?剣だけじゃ心許ないじゃろ?」
そういうと小さな丸い盾を持ってきた。
少し薄汚れているが、なぜか目を引いた。
「汚れてるじゃん?売れなくてしまい込んでたとか?」
「違うわい!これは特殊でな…この盾は…」
「僕、それ欲しい…」
いきなり言い出したケイルの言葉にイリアはすぐに了承した。
契約成立だった。
日が昇る前には起きると、他の部屋にクリーンの魔法をかけると綺麗
にしていく。
魔法とは便利なものだった。
イリアが起きる頃には外の土の中に埋めた種芋からじゃがいもを数個
収穫していた。
他の野菜も成長させるといつのまにか家に横にはリンゴの木も生えて
いる。
これはケイルが来た次の日に植えたものだった。
今は身を付けて美味しそうに熟れていた。
「いつ見ても、それ…生活魔法から逸脱してる気がするわ…」
りんごをもぎ取るとケイルに渡した。そして自分でも齧って見るが、
今まで食べた中でも一番甘かった。
「甘っ、こんな美味しいの初めてだわ」
「でしょ?即席で作ってるのに、美味しいよね?」
サラダと昨日買ったパンを挟むとポテトサラダをつける。
あとはりんごを煮てからパンの上に乗せた。
「朝ごはんにしよう?」
「まさかケイルちゃんが作ってくれるとはね~、これからは毎日が楽
しみだわ」
食事を終えるとイリアと一緒に鉱山地帯へと向かった。
もちろん歩いてではない。空をひとっ飛びだった。
おかげで今、気持ちが悪い。
「さぁ~今日はベノニウム鉱石を掘り出すわよ~」
「ねぇ、そのベノニウム鉱石ってこの洞窟にあるの?」
「そうよ~すっごくお高いんだから~」
ケイルは首を傾げると疑問を口にした。
「ただ掘るだけなのに?」
「そうよ、ただ掘るだけが難しいのよ。ベノニウム鉱石ってね火山
の近くのここの洞窟でしか取れないのと、近くを掘ると…有害な
ガスが出るの」
「有害なガス?」
「そう、数分吸ってると麻痺して動けなくなるのよ。そしてこうい
う洞窟ってね、魔物が住んでる事が多いのよ…」
その言葉に一瞬ゾッとした。
気を失ってる間に襲われたら人間などひとたまりもない。
「それってどうやって掘るの?」
「まぁ~任せなさい!」
奥へとスタスタ入っていくと、火炎で一気に奥まで焼いてしまった。
これでもし中に魔物がいても、黒焦げ確実だった。
そのあとは身体の周りを光る膜が覆うとこれでガスを防げると聞
いた。
ツルハシで鑑定した場所を掘ると煙の様にガスが出てきて、鉱石
もポロリと転がって落ちた。
「やったー!これだね!」
「そうそう、上手いじゃん!どんどん掘るよ~」
イリアに褒められるとなんだか嬉しかった。
気分よく、疲れ知らずでどんどん掘り進めた。
気づくと後ろには結構な量の鉱石が転がっていた。
疲れ知らずにがむしゃらに掘れたのも、後ろから常に疲れを緩和
する様に回復されていたからだった。
気づいてはいたが、当たり前の様に疲れてくるとすぐに身体がふ
わっと軽くなった。
イリアは鉱石を麻の袋に収納するとそろそろ帰ることにした。
まだ、今日は明るい時間に帰るらしい。
と思っていたが、ギルドへ報告に行くのではなく工房へと向かった。
「すいませーん、誰かいますか?」
「おう、嬢ちゃん!何の用だ?」
「えーっと、ドワーフの剣と防具一色、それと、鉱石の買取りを
お願い!」
「ほほう?防具は誰がつけるんだ?」
「ケイルちゃんのやつね!」
そういうと、ずりっと前に出された。
怖い顔のおっさんが睨む様に眺めてくる。
やるせない気持ちで笑顔を作るとぽんぽんと頭を撫でられた。
「まだ、防具を付けるには早いだろ?どうしても必要か?」
「うん、どうしても必要なの!怪我してからじゃ遅いからね!」
「分かった、明日に取りに来い!それと何を売るって?」
ドワーフのおっさんは机の上に出せと言わんばかりにいうのでイリア
が麻の袋を逆さまにしようとした。
「ま…待って!もっと広いところで…」
ケイルの言葉も届かないうちにぽろっと一個転がると同時に一気に鉱石
が机を埋め尽くし、それでも乗らなかった分が店に溢れ帰ったのだった。
「だからここで出しちゃダメだよ!」
「だって、おじさんがここに出せって言ったじゃん?」
「な、な、な、これは…ベノニウム鉱石じゃねぇーか!」
興奮気味にいうと、さっきまで余裕を見せていた顔が一気に職人の顔に
なった。
「これを売ってくれるのか?いくつ売るんだ?」
「そうだな~、これだけあるし~どんだけ買いたい?」
イリアは値踏みする様に試していた。
「そうだ、ここ以外にも工房はいっぱいあったよね~。まだ明るいし
別の店にも行ってみようかなって思ってるんだけど?」
これでは、脅しではないか?
ケイルは呆れた様に眺めていると奥から金貨を何枚も出してきた。
「これでどうだ?金貨300枚は入っとるぞ?」
「え~たかが300枚?」
「うー、ならさっきの子の防具も剣も最高のものを作っとく!それも
付けるぞい!」
「う~ん、それだけ?」
「ぐぬぬ…なら…盾はどうじゃ?剣だけじゃ心許ないじゃろ?」
そういうと小さな丸い盾を持ってきた。
少し薄汚れているが、なぜか目を引いた。
「汚れてるじゃん?売れなくてしまい込んでたとか?」
「違うわい!これは特殊でな…この盾は…」
「僕、それ欲しい…」
いきなり言い出したケイルの言葉にイリアはすぐに了承した。
契約成立だった。
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