ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?

旅支度のための諸々です。

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 「フィリーネは……もしかしなくとも旅券パスポートは持っていない……よな」

 「むしろこの国の女性で持ってる人って殆ど居ないんじゃない?
 男性だって、貿易業とか仕事でどうしても必要な人しか持っていないと思うよ?」

 何せ自国が一番と信じて疑わない人が多すぎるから。
 愛国心が強いのは悪い事では?ないはず……だけど、“一番”の根拠もないまま、ってのが……ね。

 「フィリーネの言う通り、私達も新たに手続きをしなければなりませんの。
 ただ、私達はその手続きに必要な届け出の大半を別件で済ませておりますので、フライハイト王国大使館での手続きだけで済むはずと思われますが……」

 因みに旅券を発行するのに必要な手続きは。

 世界共通なのが身元の証明。
 ……信頼の高いフライハイト王国が自国民に発行する旅券はそれだけでセイントランド聖国以外の国に出入りが可能だ。

 因みにセイントランド聖国の旅券の信頼度は、教会関係者を除けば最下位らしい。
 その身元の証明は、貴族の生まれなら出生時に教会に登録されるからそれで事足りる。

 が、貧民街生まれの私にはそんなものはない。
 政略結婚するにも妾の立場ならばそんなものは要らない。
 第二夫人あたりなら必要だから、その時には改めて手続きさせるつもりだったんだろうけど。

 そして信用の無いセイントランド聖国の者が他国へ旅しようと言うなら、他にも魔力量や適性の鑑定結果証明、健康証明、保証人のサインと保証人の身元証明と。
 これだけ必要になる。

 「私達は幼い頃に鑑定を受け、教会と王宮に情報は登録されていますから、申請すればすぐにも書類は揃います。
 健康診断も定期的に受けさせられていますから、こちらも医師に頼めばすぐに。
 必要なのは保証人くらいですかね……」

 「今回は制度の初体験者って事だから。それについてはウチの大使館の者が既に選定されているから気にする必要はないよ。
 後で書類にいくつかサインを貰う必要はあるけど」

 一方私は、健康診断こそ侯爵家に引き取られる前に結構念入りにされたけど、それ以外は改めて用意しなくちゃならない。

 「なら、来週にも予約を入れて、教会でフィリーネの鑑定をして貰おうか」
 「出生証明もその際に済ませてしまった方が手間が省けるわね、後でお母様に予定を伺っておきましょう」

 と、さくさくと予定が組まれていく。
 「鑑定か……。言葉だけは聞くけど、実際何をするの?」

 「何も難しい事はない。
 教会の魔導具に手をかざせばそれで済む。
 魔導具自体はティターニア様が直々に用意された希少な魔導具だから、故意に壊せば神罰が下ると言われているけどな」

 ああ、知ってる。
 チートな転生者が手をかざすとヒビが入ったり割れたりするやつだ。
 その描写、ゲームにも小説にもあったな。

 ……いや、それつまり神罰フラグ!?

 「あのー、それってどこら辺から故意になる?
 鑑定道具の許容量越えて壊しちゃったら?」

 「うーん、そんな事は滅多に無いけどね。
 許容量越えなら、罪にはならないよ。……別の意味で騒ぎにはなると思うけど」

 わぁ、やっぱり危険なフラグの予感……。

 『鑑定結果の一部隠匿くらいなら、僕でもできるよ?』
 
 ……ん?

 『流石に鑑定結果そのものを弄るのは無理だけどさ。
 特に無いものを在るように見せるのは精霊王様でも不可能だけど。
 あるものを不可視にするだけなら、出来るよ?』

 そっと耳元で囁くのはルノー。

 『ご褒美はミックスベリーのタルトが良いなぁ~』

 「……用意させていただきます」
 私は一も二もなく答えた。

 「ん、何か言ったかい?」
 「何でもない! で、何時だって?」

 「お母様が言うには来週の水の日が空いているそうよ」
 「なら、その日に予約を取っておくよ」


 そんな会話をした、次の水の日。
 私はお義姉様とお義母様と共に教会へ向かう為、馬車に乗り込んむ事になる。

 果たして、結果や如何に――
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