ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?

異世界と言えばコレでしょ!

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 「ついに……この時が……」

 私はついついゴクリと唾液を飲み込み、拳を握り込んだ。
 そう。異世界転生に気付いた時から興味があったけど、今まで手の出なかった――

 「……何か圧を感じるんだけど」
 ミヒャエルが少し引いているな。……失礼な。

 だってさ、前世じゃファンタジーの中の世界にしかなくて、現実では使えなかったのお勉強よ?
 この勉強会でもそれを楽しみにしていたのよ?

 昨日からワクワクしていて昨夜は寝付くのに苦労したのよ?
 ……そのせいかちょっと目が血走ってるかもしれないけど、そこはスルーしてくれないかな?

 「あー、ゴホン。と、取り敢えず今日から魔法の分野も勉強会に組み込んでいこうと思います」

 はい、そうです魔法学!

 「フィリーネにはルドルフやルノーが居るけど。彼らはあくまで闇の精霊族。故に彼らに頼んで行使できる魔法は全て闇魔法だ」

 「それは、そうですね。
 ……そもそも最初は妖精とも知らずにルドルフをもふもふしてただけで。ミヒャエルに指摘されなきゃルノーと出会う事もなかったかもしれませんし。
 あの界隈にはそもそも小妖精も少なくて、闇以外の仔は殆ど見かけませんでしたから」

 「それでも、魔導具とエーテル石を使えば最低限、かまどの火を熾したり、洗濯用の水魔法や浄化魔法は使えただろう?」

 「そうですね。あの辺りではエーテル石がバカ高かったんで、滅多に使わせてもらえませんでしたから、数少ない妖精でも事足りたんでしょうね。
 その割にエーテル石を売るときは足元見られて安く買い叩かれましたけど。
 ……魔法を使う為の道具や魔法陣や呪文の書も高かったなぁ」

 「この魔法学はその魔法陣を作ったり、魔道具を作る為に必要な知識だ。
 大精霊クラスと契約していれば、そんなもの無くても問題なく強力な魔法を使えるが、やはり知識があればより効率的に使えるのは間違いないから」

 精霊族には、ヒト族が使う言語とは異なる意思疎通の方法がある。
 精霊になる程に成長し、経験を積めば人の言葉も理解し、自らも人の言葉を喋る様になるけれど、離乳食であるエーテル石を必要とする妖精であるうちは、やはり精霊語でやり取りしなければ何かと齟齬そごが生じ、場合によったら大きな被害も出る。

 だが、人間が精霊語を理解するというのは、前世で例えるなら人間がコンピューター言語を理解するのと同じ位不可能に近いこと。
 よって魔法陣や呪文といった、いわばプログラミング言語を使って妖精とコミュニケーションを図り魔法を使う。

 実際、勉強を始めてみればまさに、魔法学ってプログラミングの勉強の様だ。
 幾つかの基本文法と構文、そして魔法文字を覚えたら、あとはそれらを如何に論理的に駆使するかが勝負という学問らしい。

 魔法文字とは基本属性の地、水、火、風、闇、光の六種類に加えてその強度や方向性を指示する意味を持つ文字が数種類。
 そしてその文字を繋げて構文にするための記号と、いわゆる“てにをは”的な接続詞も含めて覚える必要がある。

 如何に構文を勉強しようとこれを間違って覚えていれば、魔法にバグが発生する。
 無論構文を間違ってもバグが発生する。

 火を熾すはずの魔法で水が出た位ならまだしも、大魔法でやらかせばその被害は如何ほどか。
 ……故にある程度の規模以上の魔法の行使には資格が要るし、庶民が魔法を使う時は既にチェックが入って安全が保障されている市販の魔法陣や魔道具、魔法の書に書かれた呪文を使うのだ。

 「そういう訳で。まずはこれを覚えようか?」

 ミヒャエルがニコニコ笑いながら、凶器かと突っ込みたくなる分厚い本を積み上げていく。

 「君の素養は規格外だから。
 普通ならここまでは必要ないけど、君の場合一つ間違えたら国を滅ぼしかねないから、きちんと勉強しようね?
 基礎を覚えたら、専門家に習うべきとは思うけど」

 う……。
 確かに、確かに魔法の勉強は楽しみにしてたけど……!
 必要性も理解はするけど……!

 このスパルタめ~!
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