44 / 114
私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?
ミヒャエルのお見舞い
しおりを挟む
私の社交デビューは、まるで地獄の様な……、とにかく疲れるばかりの散々な記憶で占められたものとなってしまいつつも、何とか無事に終わった。
まぁ、あの三馬鹿始め、些細な問題はあっただろうけど。
概ね平和に終わったんだから、あえて蒸し返して藪から蛇を出す気はない。
「フィリーネお嬢様、ミヒャエル様がお見舞いにいらしてますけど」
「え、ちょ、悪いけど帰ってもらって! 部屋に入れないで。部屋でお茶だけ出して、それで勘弁してもらって! ……っ、ああっ、痛い~!」
初心者なのに散々踊らされた私は今、ベッドの住人と化している。
風邪とかそういうのじゃないから、元気は元気なんだけど。
とにかく全身痛い。
主には筋肉痛だけど、慣れきらないお洒落靴で作った靴擦れや足裏の豆やら何やらとか、とにかく全身痛くて、ベッドにうつぶせたまま動きたくない状態。
一応擦り傷やら当たった怪我なんかは水魔法で治して貰ったし、社交で疲弊した精神的疲労は闇魔法で回復してもらったけど。
筋肉痛は怪我じゃない……いや、一応筋肉は傷ついているけど、それを修復する事で強い筋肉になる、その過程ごと無かったことにしていまうし、豆にしろこれからを思えば下手に魔法で回復しない方が良いと言われた上でのこの状況である。
こんなザマを、人に――それも家族以外の、更に異性に見せたくないのは当然だと思うの。
なのに、だ。
「ごめん、もう来ちゃった」
デリアの後ろには既にミヒャエルの姿があったらしい。
私はドアに足向けて寝てたから、見えてなかったんだけど。
「一応、ロジーネ嬢に事情は聞いていたけど、ここまでとは思ってなくて。お見舞いのお菓子でちょっとお茶して帰るつもりではいたんだけど」
「うわあぁぁ、デリア、お願い閉めて! ドア閉めて!」
つい私は反射でそう叫んだ。
いや、分かってるよ? わざわざお見舞いに出向いてくれた人に失礼だろって。
お見舞いにお菓子も持ってきてくれたみたいだし、礼はどうした? って言われるのも仕方ないと思う。
でも。
今朝目覚め――って、昨夜は無意識に寝返り打とうとする度痛みで目が冷めてたから寝不足で目はがっつり隈取り状態からの身支度なんか全くしてない、髪はボサボサもちろんノーメイクどころか顔さえ洗ってないという、淑女としてどころか女の子としてどうよな状態のままトドみたく寝転がってる。
もちろん寝巻きのまま、だ。
そんな状況をイケメンに見られる。
いや、どんな罰ゲームだよ。
昨日の拷問のような舞踏会の次はこの仕打ちって、神様、私何か悪い事しましたかね……?
「……ミヒャエル様、私はセイントランド聖国の下級貴族の出身であります故、フライハイト王国の貴族のマナーについては疎いと思われます。
ですが、淑女の寝所に殿方が許可なく入るのは如何なものかと。
いえ、ここまで案内したのは間違いなく私ですが。お嬢様に許可をいただくまでは隠れていて下さるものと思っていたのですが……。
お嬢様も至らない点は多くございますが、今回に限ってはデリアはフィリーネ様に同情いたします」
「いや、ごめん。本当にごめんなさい。別に覗こうとかそう言う意図は無かったんです、ただ、街の感覚のまま気軽にお見舞いに行こうなんて思いついた僕が考えなしでした……」
ああ、うん。この侯爵家に引き取られる前は娼館のボロい従業員寮のこれまたボロイベッド一つ入るのがギリギリみたいな部屋で。
いや、基本大部屋にベッドが所狭しと並べられて仕切りは衝立だけみたいな、ね?
入り口からは否が応でも全部丸見えだし、何か恥じらうとか、そんな感情なんか持ってる余裕もなかったしなぁ。
取り敢えず裸じゃなければいいか、てかまだ胸もぺたんこの幼女だったし。
幼女趣味の変態親父じゃなきゃ気にもしなかったし。
「お菓子、置いてくから。お詫びの品はまた別に届けるから。よければ食べて」
ミヒャエルがデリアに託して置いていったのは、キラキラ紅く光るいちごが美しい、一口サイズのミルフィーユケーキ。
皿やフォークを使わなくても一口で口に放り込めるのがありがたい。
「ん、おいし……」
はぁ。私も体の痛みが取れたら何かお詫びのお菓子でも作るかな……
まぁ、あの三馬鹿始め、些細な問題はあっただろうけど。
概ね平和に終わったんだから、あえて蒸し返して藪から蛇を出す気はない。
「フィリーネお嬢様、ミヒャエル様がお見舞いにいらしてますけど」
「え、ちょ、悪いけど帰ってもらって! 部屋に入れないで。部屋でお茶だけ出して、それで勘弁してもらって! ……っ、ああっ、痛い~!」
初心者なのに散々踊らされた私は今、ベッドの住人と化している。
風邪とかそういうのじゃないから、元気は元気なんだけど。
とにかく全身痛い。
主には筋肉痛だけど、慣れきらないお洒落靴で作った靴擦れや足裏の豆やら何やらとか、とにかく全身痛くて、ベッドにうつぶせたまま動きたくない状態。
一応擦り傷やら当たった怪我なんかは水魔法で治して貰ったし、社交で疲弊した精神的疲労は闇魔法で回復してもらったけど。
筋肉痛は怪我じゃない……いや、一応筋肉は傷ついているけど、それを修復する事で強い筋肉になる、その過程ごと無かったことにしていまうし、豆にしろこれからを思えば下手に魔法で回復しない方が良いと言われた上でのこの状況である。
こんなザマを、人に――それも家族以外の、更に異性に見せたくないのは当然だと思うの。
なのに、だ。
「ごめん、もう来ちゃった」
デリアの後ろには既にミヒャエルの姿があったらしい。
私はドアに足向けて寝てたから、見えてなかったんだけど。
「一応、ロジーネ嬢に事情は聞いていたけど、ここまでとは思ってなくて。お見舞いのお菓子でちょっとお茶して帰るつもりではいたんだけど」
「うわあぁぁ、デリア、お願い閉めて! ドア閉めて!」
つい私は反射でそう叫んだ。
いや、分かってるよ? わざわざお見舞いに出向いてくれた人に失礼だろって。
お見舞いにお菓子も持ってきてくれたみたいだし、礼はどうした? って言われるのも仕方ないと思う。
でも。
今朝目覚め――って、昨夜は無意識に寝返り打とうとする度痛みで目が冷めてたから寝不足で目はがっつり隈取り状態からの身支度なんか全くしてない、髪はボサボサもちろんノーメイクどころか顔さえ洗ってないという、淑女としてどころか女の子としてどうよな状態のままトドみたく寝転がってる。
もちろん寝巻きのまま、だ。
そんな状況をイケメンに見られる。
いや、どんな罰ゲームだよ。
昨日の拷問のような舞踏会の次はこの仕打ちって、神様、私何か悪い事しましたかね……?
「……ミヒャエル様、私はセイントランド聖国の下級貴族の出身であります故、フライハイト王国の貴族のマナーについては疎いと思われます。
ですが、淑女の寝所に殿方が許可なく入るのは如何なものかと。
いえ、ここまで案内したのは間違いなく私ですが。お嬢様に許可をいただくまでは隠れていて下さるものと思っていたのですが……。
お嬢様も至らない点は多くございますが、今回に限ってはデリアはフィリーネ様に同情いたします」
「いや、ごめん。本当にごめんなさい。別に覗こうとかそう言う意図は無かったんです、ただ、街の感覚のまま気軽にお見舞いに行こうなんて思いついた僕が考えなしでした……」
ああ、うん。この侯爵家に引き取られる前は娼館のボロい従業員寮のこれまたボロイベッド一つ入るのがギリギリみたいな部屋で。
いや、基本大部屋にベッドが所狭しと並べられて仕切りは衝立だけみたいな、ね?
入り口からは否が応でも全部丸見えだし、何か恥じらうとか、そんな感情なんか持ってる余裕もなかったしなぁ。
取り敢えず裸じゃなければいいか、てかまだ胸もぺたんこの幼女だったし。
幼女趣味の変態親父じゃなきゃ気にもしなかったし。
「お菓子、置いてくから。お詫びの品はまた別に届けるから。よければ食べて」
ミヒャエルがデリアに託して置いていったのは、キラキラ紅く光るいちごが美しい、一口サイズのミルフィーユケーキ。
皿やフォークを使わなくても一口で口に放り込めるのがありがたい。
「ん、おいし……」
はぁ。私も体の痛みが取れたら何かお詫びのお菓子でも作るかな……
6
あなたにおすすめの小説
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!
くま
恋愛
え?死ぬ間際に前世の記憶が戻った、マリア。
ここは前世でハマった乙女ゲームの世界だった。
マリアが一番好きなキャラクターは悪役令嬢のマリエ!
悪役令嬢マリエの妹として転生したマリアは、姉マリエを守ろうと空回り。王子や執事、騎士などはマリアにアプローチするものの、まったく鈍感でアホな主人公に周りは振り回されるばかり。
少しずつ成長をしていくなか、残念ヒロインちゃんが現る!!
ほんの少しシリアスもある!かもです。
気ままに書いてますので誤字脱字ありましたら、すいませんっ。
月に一回、二回ほどゆっくりペースで更新です(*≧∀≦*)
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた
nionea
恋愛
ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、
死んだ
と、思ったら目が覚めて、
悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。
ぽっちゃり(控えめな表現です)
うっかり (婉曲的な表現です)
マイペース(モノはいいようです)
略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、
「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」
と、落ち込んでばかりもいられない。
今後の人生がかかっている。
果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。
※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。
’20.3.17 追記
更新ミスがありました。
3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる