ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!

デート……の、はずですよね? 【ロジーネ視点】

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 「……行きました?」
 
 部屋を出ていく義妹達二人の背をそっと見送った私にジョゼフィーネさんがニカッと少し意地が悪く見える笑みを浮かべて言う。

 「ええ。ご協力ありがとうございます、ウチのヘタレの為に」
 「いえ、過去の境遇からある程度は仕方無いとは言え、フィリーネの鈍感さはちょっと……、いえ、だいぶミヒャエル君が哀れで……」

 ……お父上が突然他所から連れてきた義妹。
 その当初はお母様を蔑ろにして他所で産ませた子供かと憎らしくも思い、冷たく当たってしまったけれど、彼女の態度はどこまでも大人で、年齢不相応なもので。
 実際、お父様が不義を働いたからといって彼女にその責任はない。
 そもそも父上が彼女を家へ迎え入れる気になったのは、彼女が闇の精霊と契約を交わしていたから。
 彼女の精霊が生み出すエーテル石はそれなりの値で売れるし、彼女自身も政略結婚の駒として価値があるから。

 彼女の実母はあの悪名高きシュレッター伯爵領にある歓楽街の娼館の娼婦だそうで、彼女自身も『侯爵が実父とは限らない』と理解していた。

 彼女はとても勤勉で、貴族令嬢としての教養こそ習う期間が少なくまだ隙も多くあるけれど、人としてはとても好感の持てる娘だった。
 貴族令嬢なんて、それこそジークリンデ様やマルグリット様の様な良識あるご令嬢は少なく、大概はお洒落や素敵な男性のお話にしか興味がなく、他人の足を引っ張る事しか考えないような者ばかりの中、フィリーネは私にとっては癒やしだった。
 ……決して彼女のお菓子の事だけではありませんのよ!

 だから。
 私の可愛い義妹を見初めた女を見る目のあるミヒャエル君の恋を、私も応援したい。

 「んー、確かにフィリーネちゃんはちょっと鈍ちんなトコあるけど、やっぱりウチのミヒャエルがヘタレなだけだと思うね。
 さて、そのヘタレ君がちょっと出かけただけで何が出来るとも思えないし……。
 ここは一つ!
 二人の進展を見届け隊として私、こっそり後を追けてこうと思うんだけど。
 どう、ロジーネちゃんも来ない?
 ついでに街案内もするよ?
 勿論マルグリットちゃんとジークリンデちゃんも一緒に、ね!」

 だから、そう言われては頷かないなんて選択肢は私には無かった。

 「ちょっとはしたない気もしますけど……、小説でこの様なシーンを読んでから一度やってみたかったんですの!」
 ジークリンデ様……と、いけない、ついこれまでの倣いで様付けをしてしまいますね――ジークリンデはやる気いっぱいの様です。

 「こういうの、出歯亀と言うんだったか。
 確かにあまり良い事ではないのだろうが……、あれだな、大人がやるなと言う事ばかりやりたがる幼な子の気持ちが少し分かる気がするな、このスリル感はクセになりそうだ」
 マルグリットもノリノリですわね……。

 しかし……。

 「ミヒャエル君、何かぎこちありませんわね……? フリードリヒ様でさえもう少しスムーズなエスコートを致しますわよ?」

 「いや、フリードリヒ様はあれで王子だし、女と遊ぶのが好きだから、勉強放り出してダンスやらの練習にばかり精を出していたんだ、エスコートはそりゃ完璧だっただろうさ。
 とはいえ、ミヒャエル君も一応貴族……なんだよな?」

 「ま、元は下級貴族の下の子だったのを実力買われて……って、この国じゃよくあるパターンだけどね。
 グリム家はハワード家傘下で外交に関わる家だけあって、コミュニケーション能力が特に重要視される。
 だから、不特定多数に愛想よくするのはアレも得意だよ?」

 「……確かに、あのブルーノ様達も上手くあしらっておいででしたわ。慣れない方にはあの人達の相手は難しいのですけれど」

 「けど、肝心の相手にだけそのスキルが発揮されない。
 ありがちなパターンではあるけど……。
 見てる分には楽しいけどヤキモキもするよね~」
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