ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!

ミヒャエルからのお誘い

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 体験授業に部活見学と忙しく過ごすと、一週間なんてあっという間に過ぎ去っていくものらしい。

 「フィリーネ、今度の週末だけど良かったら僕と出かけない?」

 ミヒャエルが声をかけてきた。

 「この街へ来たその日に門から寮への道を歩いたのと、日々の寮から学校への通学でしか街歩き、してないだろう?
 今週は何か忙しかったし。
 何か選ぶにも一度頭をリフレッシュさせるのも手だと思うし。
 一応学校の購買で一通り必要な物は揃うとはいえ、やっぱり外での買い物もしたいだろう?」

 「そうね……。あ、ロジーネ義姉さんはどうです?」
 「……はぁ。フィリーネ貴女……。悪いけど私、クラブの活動の一環で、ハーブ園のお世話の当番があるの。
 ジークリンデさんもマルグリットさんも用事があると言っていたから、その日はフィリーネとミヒャエル君の二人で行ってらっしゃいな」

 何でか義姉さんに呆れた顔をされた。……解せん。

 そして迎えた休日。
 歩きやすい、しかし不特定多数に見られて恥ずかしくない程度にはお洒落な格好……と悩んだ結果、シンプルな紺のワンピースに白のカーディガンを羽織った。

 リビングでお茶を飲んで待っていたミヒャエルは、ジョゼフィーネさんとじゃれ合っていたようで。
 私の登場に気づいた彼はハッとこちらを振り向き、固まった。

 「……一応TPOにも気を付けたつもりなんだけど……、私の常識ってベースがセイントランド聖国のスラムだから自信ある訳じゃなかったんだけど……、やっぱりおかしいかしら」

 「あ……、いや……その、おかしくはない、から、大丈夫だ」
 しかしカタコトの受け答えのミヒャエルは何だか様子がおかしい。
 何だろう、本当におかしい格好ならミヒャエルが私に恥をかかせないよう指摘してくれるはずだから、彼が大丈夫と言うなら大丈夫のはずだけど……。

 アレか、服装チョイス自体は問題なくとも着ている私自身と服が似合ってないとか……、は、あり得るか。

 「ごめん、着替えてくる!」
 「いや、その必要はない……。いや、……でも……」

 慌てて私を引き留めようとするも煮えきらない態度のミヒャエル。

 「あはは。ミヒャエルがヘタレ男過ぎて面白いけど、情けないね~」
 「……くっ!」
 「取り敢えずフィリーネちゃんは大丈夫、普通に可愛いから。まぁ、ちょ~と男の子から声書けられる頻度が上がるかもだけど、ミヒャエルがシャンとしてれば大丈夫なはずだから。
 ミヒャエルが役立たずのままならさっさと置いて帰ってきたらいいから。
 街の案内はまた今度私がしてあげるし」

 「おいジョゼフィーネ、何を言って……!」

 ミヒャエルがあたふたしながら彼女の口を塞ぎにかかる。
 ……が、ジョゼフィーネはひらひらと絶妙にミヒャエルを避け……それが仲の良いじゃれ合いにしか見えない。
 自分の方がお邪魔虫の様な気分になる。

 「くっ、も、もういい! フィリーネ、行くぞ。ジョゼフィーネが何か余計な事を思い付かないうちに!」

 ミヒャエルは私の手を握ると、そのままずかずかと玄関を目指す。

 「え、ちょっ、ミヒャエル!?」

 「あはは、ほらほらエスコートがなってないよ!
 グリムさん家のミヒャエル君は女の子一人まともにエスコート出来ません~って、報告上げて良いのかな~?」

 その背にジョゼフィーネの楽しげな声が追って刺さる。
 途端、ミヒャエルは足を止め、呻いた。

 「……ごめん、フィリーネ」

 改めて、紳士らしくエスコートの為に折った腕をフィリーネに差し出した。

 「行ってらっしゃ~い」

 行く前から既に疲れた様子のミヒャエルだったが、気を取り直して玄関を開け――
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