ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!

ムラッ気チート

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 「わ、私の一週間はどこへ消えたのかしら……?」
 本格的に授業が始まって一週間が過ぎた週末の、私の感想がこれ。

 「いや、どこへって……、少なくとも必修科目は僕達と一緒に授業に出ていたし、合間の選択授業だって出ていたはずだろう。
 少なくとも消えてなくなった時間は無いはずだけど?
 まぁ、再来週からは一緒じゃなくなる必修科目も出てきそうだけど」

 そう、あの後数学以外にも前世で既に習得していた科目の幾つかは来週のテストに合格すれば再来週からは来なくて良いと言われていた。
 ただし歴史や地理といった、一から覚え直しの必要な教科や、魔法関連の完全に新しい分野の科目は勿論そんな事となく。

 それでも前世で勉強のやり方は一通り身に着けている上、ヒロインスペックのお陰で物覚えの良い頭脳のお陰で前世程苦労せずともある程度の成績は維持できそうな。
 しかも魔法関連の授業は……

 「うむ。火の魔法はな、これをこうしてこうすると効率が良いぞ!」
 
 こんな感じで精霊様方が色々アドバイスをくれるので、知識も実技も一から――それも勉強の仕方から学ばなければならない大変さとトントンといったところ。

 妖精や精霊と契約している人も、学校内にはそれなりに居るらしいけど、私みたいに大勢の大精霊がついて回るような人なんかは勿論居る訳ないからまぁ目立つ事。

 一応必要無い時には姿を不可視化して貰ってはいるんだけど。
 
 そんなこんなで私のチートっぷりはだいぶムラッ気のあるものとなっていた。
 
 お陰で、一月後に一年生全員に課された担任との面談では、
 「貴女は得意不得意がハッキリしているのね。
 不得意科目も成績が悪いわけじゃないけれど、だからこそ不得意を必死に拾うよりは、得意なものをより伸ばしていく方向にシフトして欲しいわ」
 と言われた。

 私も地理や歴史を基礎以上に学ぶつもりはない。数学は……どうしようか?

 ……この世界で、それもセイントランド聖国に於いては、女子が高等教育を受けられるだけで有り難い事、と。
 前世での日本みたいに金銭的余裕と学力さえ見合えば幾らでも好きに学べる環境でないのは理解した上で。

 やっぱり私が本格的に授業一番やりたいのは料理なんだと、この学校で学び始めて改めて実感している。

 魔法も楽しいし、他の授業も学ぶ意義はあると思う。

 でも、最終的には料理にどう応用してやろうか、という一点に思考が辿り着いてしまう。

 ただ一つ、前世での学生時代と異なるのは単に美味しいだけの料理でなく、健康にも配慮したい。
 それには料理だけでは足りない。

 どんなに健康的な食事をしていても、無駄に間食が多かったり、運動不足なのは良くないし、睡眠不足もよろしくない。……そう、前世の私のように。

 だから、それに関連する授業は、例え得意分野でなくても学びたいと思う。

 それが正直今の私の将来にどう役立つのか、まだ分からないけれど。
 それはともかく。

 「……折角チートっぽい能力があるんだから、上手く生かせないかな~」

 いかんせんムラッ気ありすぎの私のチート能力は今のところ私を無駄に目立たせる以外の効果が殆どなく、正直宝の持ち腐れという言葉がちらつく。

 「……せめて、勘違いヒロインルートにだけは足を踏み入れないよう気をつけないとね」
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