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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!
お待ちかねの……
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「では、本日はこの大根の桂剥きをしていただきます」
調理の授業もこれで三度目。
初回はひたすらきゅうりの輪切り。どれだけ均等な厚さで切り揃えられるか。
二度目はいちょう切りや拍子切り、乱切りなど基本的な切り方色々、という料理の基本のキ、包丁の使い方の基礎をひたすら実践。
そういう授業だ。
いやー、懐かしい。
前世の調理学校でもこの課題やったなー、と。
家でひたすらきゅうり切りまくって、量産したきゅうりの山を毎日毎日食べさせたお父さん……、親不孝もしちゃって申し訳なかったなー、とちょっと一人でしんみりしつつ。
生まれ変わった身体だけど、あの時身体に覚えさせたものはこの身体でも有効らしく。
「わぁ、フィリーネさんの桂剥き、すごくキレイ!」
「すごい、薄い、ガタガタしてない! しかも気のせいか……輝いてないか、この大根……」
この授業ではイェニーさんとは被ってないし、比較的気楽に受けらている。
「ふむ、君は基礎は既にしっかり身に着けているようだ。
しかもそれを誇示することなく、基礎の重要性を理解している様子。
感心、感心」
「わぁ、フィリーネさん凄い! 俺、飲食店の次男でさ、兄貴もこの学校で調理の授業とってて。
先生、すごく厳しくて滅多に褒めないから、覚悟しとけって言われてたんだよ」
と、気分良く三度目の授業も終え、次の授業の為に教室移動しようと廊下に出る。
「ねぇ、フィリーネさん、もしよかったらその大根、譲ってくれない?」
食材を無駄にするべからず。
練習で出た大量の野菜の切った物は毎回持ち帰りとなっていた。
一応簡単な調理を済ませる事は許されていて、大半の生徒は湯がいて少しでもカサを減らそうと四苦八苦していた。
私は料理は寮でゆっくりやろうとそのまま持って帰ろうとしていた。
「え?」
とは言え、何を作るか検討段階で、何か作ると誰かに予告していた訳でもなく、それを譲るのは問題ではなかったのだけど。
「いや、構わないけど……、貴女もまだ自分の分があるじゃない。食べ切れるの? 何か使うアテがあるの?」
声をかけてきたのは私と同じ調理の授業を選択した隣のクラスの女の子だった。
「使う……、と言うか普通にドレッシングでもかけてサラダにして食べようかと」
「え、これかなり量あるけど、こんなに沢山食べるの大変じゃない?」
「うん、だからさ。これだけでお腹いっぱいになれないかな~って思ってさ」
彼女はバツが悪そうに視線をそらしつつ顔を赤らめた。
「えっと……、つまりダイエット?」
彼女は確かに細身ではなかったけれど、別段太っているわけじゃない……けど、女の子にとって体重の増減は一大事。
ましてや思春期なら尚更に。
でも、だ。
「なら……、あまりオススメはしないよ?」
確かに大根って野菜だから、お菓子やお肉と違って低カロリーで健康にも良いのは確か。
それにお腹の調子を整えてもくれる。
だけど、大根って根菜だから、葉野菜とかに比べると糖質はかなり高め。
しかもそれだけって……栄誉偏り過ぎだし。
一日二日の事ならともかく、続ければ健康に良くない。
「ねぇ、フィリーネさんてもしかしてダイエットに詳しい?
出来れば相談に乗ってほしいんだけど」
「え、ダイエット?
何か良いダイエットしってるなら私にも教えて!」
わらわらと女子が集まってくる。
「分かった、今度皆で集まってやろう、ダイエット基礎講座!」
収集つかなくなりそうで、思わずそう叫んでいた。
それに目を輝かせた女子たち。
覆水盆に返らず、口から飛び出た言葉も元には戻せず。
週末決行が決定されたのだった。
調理の授業もこれで三度目。
初回はひたすらきゅうりの輪切り。どれだけ均等な厚さで切り揃えられるか。
二度目はいちょう切りや拍子切り、乱切りなど基本的な切り方色々、という料理の基本のキ、包丁の使い方の基礎をひたすら実践。
そういう授業だ。
いやー、懐かしい。
前世の調理学校でもこの課題やったなー、と。
家でひたすらきゅうり切りまくって、量産したきゅうりの山を毎日毎日食べさせたお父さん……、親不孝もしちゃって申し訳なかったなー、とちょっと一人でしんみりしつつ。
生まれ変わった身体だけど、あの時身体に覚えさせたものはこの身体でも有効らしく。
「わぁ、フィリーネさんの桂剥き、すごくキレイ!」
「すごい、薄い、ガタガタしてない! しかも気のせいか……輝いてないか、この大根……」
この授業ではイェニーさんとは被ってないし、比較的気楽に受けらている。
「ふむ、君は基礎は既にしっかり身に着けているようだ。
しかもそれを誇示することなく、基礎の重要性を理解している様子。
感心、感心」
「わぁ、フィリーネさん凄い! 俺、飲食店の次男でさ、兄貴もこの学校で調理の授業とってて。
先生、すごく厳しくて滅多に褒めないから、覚悟しとけって言われてたんだよ」
と、気分良く三度目の授業も終え、次の授業の為に教室移動しようと廊下に出る。
「ねぇ、フィリーネさん、もしよかったらその大根、譲ってくれない?」
食材を無駄にするべからず。
練習で出た大量の野菜の切った物は毎回持ち帰りとなっていた。
一応簡単な調理を済ませる事は許されていて、大半の生徒は湯がいて少しでもカサを減らそうと四苦八苦していた。
私は料理は寮でゆっくりやろうとそのまま持って帰ろうとしていた。
「え?」
とは言え、何を作るか検討段階で、何か作ると誰かに予告していた訳でもなく、それを譲るのは問題ではなかったのだけど。
「いや、構わないけど……、貴女もまだ自分の分があるじゃない。食べ切れるの? 何か使うアテがあるの?」
声をかけてきたのは私と同じ調理の授業を選択した隣のクラスの女の子だった。
「使う……、と言うか普通にドレッシングでもかけてサラダにして食べようかと」
「え、これかなり量あるけど、こんなに沢山食べるの大変じゃない?」
「うん、だからさ。これだけでお腹いっぱいになれないかな~って思ってさ」
彼女はバツが悪そうに視線をそらしつつ顔を赤らめた。
「えっと……、つまりダイエット?」
彼女は確かに細身ではなかったけれど、別段太っているわけじゃない……けど、女の子にとって体重の増減は一大事。
ましてや思春期なら尚更に。
でも、だ。
「なら……、あまりオススメはしないよ?」
確かに大根って野菜だから、お菓子やお肉と違って低カロリーで健康にも良いのは確か。
それにお腹の調子を整えてもくれる。
だけど、大根って根菜だから、葉野菜とかに比べると糖質はかなり高め。
しかもそれだけって……栄誉偏り過ぎだし。
一日二日の事ならともかく、続ければ健康に良くない。
「ねぇ、フィリーネさんてもしかしてダイエットに詳しい?
出来れば相談に乗ってほしいんだけど」
「え、ダイエット?
何か良いダイエットしってるなら私にも教えて!」
わらわらと女子が集まってくる。
「分かった、今度皆で集まってやろう、ダイエット基礎講座!」
収集つかなくなりそうで、思わずそう叫んでいた。
それに目を輝かせた女子たち。
覆水盆に返らず、口から飛び出た言葉も元には戻せず。
週末決行が決定されたのだった。
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3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
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