魔女の使い魔になりましたが魔女が死んだので気ままにスローライフを送ろうと思います！

第１章 すれ違い編

３話 森の探索

おんぼろ家に帰ると悪魔の魔女は中を案内してくれた。


「一階はリビングと私の部屋。2階はシルフィの部屋と魔道具倉庫があるよ。魔道具倉庫は決してシルフィは開けてはならない。」


クレアはシルフィを2階の部屋に案内した。


「服はそこにある服を使いな。修行のときは絶対だ。普通の仕事のときは好きな服を着ろ。他の仕事の説明はリビングでやろう。」


クレアはシルフィを連れてリビングにやって来た。


椅子は２つに机が１つに調理台があるだけの簡素な造りだ。


「座れ。」


シルフィはクレアと反対の椅子に座った。


「シルフィの修行は午前５時から午前８時まで。修行には、毎回必ず私が見張りをする。私が忙しくて、見張りをできそうにない場合は、その日は修行なしだ。修行の内容はその日に伝える。仕事は朝ごはんを食べ終わったら、食器洗い、あと、私の狩りについてくる。あとは黒龍に食べ物を届ける。夕食だけでいいそうだ。まあ、自分で狩りをしてくれると助かるんだが。」


ぶつぶつ文句を言いながらも席をたった。


「仕事の説明は以上だ。何か分からないことがあったらそのつど聞け。」


「はい。」


クレアに今日は休みと言われてシルフィは森を探索してくることにした。


「行ってきます。」


クレアに一言声をかけてねぐらの外に出た。


道に迷った時にねぐらの場所が分かるように家に印をつけた。


魔法の印をつけると、『探索』というスキルを使う時に道に迷わないでその印が探索を使うと探索のマップに現れるのだ。


かなり便利なスキルだがレア物で使える人は片手におさまるぐらいだ。


「まずは湖の探索からするか。」


シルフィはクレアに連れて行かれた道をたどった。


すぐに湖は見つかった。


湖の周りを歩き回り地面に生えている草を学園で使った知識フル活用して解毒剤になる薬草と毒薬になる薬草、そして食べられる薬草に分けた。


「どうした？シルフィ。」


シルフィを気遣う黒龍ジンの声がした。


「あ、ジンさん。少し森の探索をしていて。この湖の周り、たくさん薬草生えてますね！」


「元竜王陛下が魔女の監視のために毎日夕方くらいに来るんだよ。神の御子様だからな。この湖の水は元竜王陛下のおかげで澄んだ色を保っている。もし元竜王陛下が来なかったらこの湖は俺の邪気でめちゃ凄い匂いと色になっていただろうな。」


「へぇー。そうなんですか。」


「ところでシルフィはどこに行くんだ。」


「森の探索です！クレアさんが今日は休みと言ってくれたので！」


「森の探索か・・・。よし。俺もついて行く。」


「ええ！でもジンさん忙しいんじゃ？」


「いや。別に忙しくはない。元竜王陛下が来たら隠れるのが俺の仕事。この森に俺がいるってばれたら竜王陛下に討伐隊出されるから。そしたらシルフィと魔女にも危険が及ぶ。それにシルフィを一人にして誰かに捕まったり迷子になったら魔女に怒られるから。」


「ハハ。迷子にはならないと思います。探索のスキルがありますから。」


「探索のスキル？シルフィ。これまた珍しいスキルを持っているな。これなら迷子にもならないな。だが、誰かに捕まったりしたら元も子もない。」


「・・・分かりました。」


素直に頷いたシルフィを見て、ジンがクシャリとシルフィの頭をなでた。