もう誰も愛さない

ルー

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父と娘

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院長リラエルの許可が下りたことでルイは精神病院に泊ることになった。部屋はアメリアの部屋に布団を敷いて寝ることになった。夜、床に座り鞄に荷物を詰めて準備していたアメリアの横にルイが座った。

「アメリア、お前はエリナとリリアをどう思っていた?」

突然の問いかけにアメリアは手をとめた。すぐに荷造りを再開させる。

「うん、そうだね。はっきり言って嫌いだった。家の仕事はほとんど私がやってたし。リリアは何もしないでただ遊んでるだけだった。エリナさんも私とリリアをすごく差別してたし。」

アメリアは躊躇したが結局言った。

「孫ができた方が勝ちとかそんな価値観私とは合わないから。生理的に無理だなって思った。」

「・・・そんなこと言ってたのか。」

ルイが拳を震わせた。

「あの、お父さん?」

アメリアが心配して声をかける。

「ああ、大丈夫だ。ちゃんと侯爵家にもしっかり説明してきたから。あそこは侯爵家の領都の1つだ。もう代替わりしているが兄上は私に甘かった。私に起きたことを知れば怒り狂うはずだ。」

「わー・・・。」

ルイの言葉にアメリアの顔が引きつった。

「それで、だ。隣国に行く前に兄上たちに挨拶をしておきたいんだ。ここから電車で6時間くらいかかるところになるリブゼスという街だ。あいつらのいるカメルからは少し離れているから会うことはないだろう。」

「うん、私もお父さんのお兄さんに会ってみたい。」

アメリアがうなづくとルイは言った。

「明日のリブゼス行きの電車の時刻表は・・・。」

ルイは自分で持ってきた鞄に入っていた電車の時刻表を見る。

「始発で6時だな。到着は昼の12時だな。一本遅らせると7時になる。侯爵家からは昼を食べていくと良いと言われているから始発でいいか?」

「うん、私はかまわないよ。」

ルイが窓を開けると1羽の鷹が部屋に入ってきた。

「わっ!!」

驚くアメリアにルイは言った。

「侯爵家と連絡を取り合うのに鷹を持たされているんだ。こいつはアレスキー。私が小さいころから飼っている鷹だ。私にかなり懐いていて手紙を届けるのも簡単だ。」

そう言ってルイは書き終わった手紙をアレスキーの足に括り付けた。

「アレスキー、カーレシャス侯爵家本邸まで行ってほしい。兄上にこの手紙を見せて、返事をもらってきてほしい。」

そう言うとアレスキーは羽をばたつかせて了解の意を示した。そしてルイの腕に頭を擦り付けると、窓から外に飛んで行った。

「有能、なんだね。」

アレスキーを見送って、荷造りが終わったアメリアはベッドにもぐりこむ。

「ああ、本当に賢くて、アリスも可愛がっていたんだ。アレスキーもアリスに懐いていたんだ。」

懐かし気にルイは言う。

「明日は早い。もう寝るか。」

ルイは布団にもぐりこみ、アメリアは魔道具のランプから魔石を取り外した。

「おやすみ、お父さん。」

「ああ、おやすみ、アメリア。」







夜中、アレスキーは無事カーレシャス侯爵家にたどり着いた。当主の寝室窓を嘴でこつこつと叩く。その音に起きた当主カイルはベッドから身を起こし、窓をつついている鷹に気づくと窓を開けた。隣で寝ていた夫人のフィアルーナも起きた。

「カイル、どうしたの?」

「ああ、起こしてしまったか。弟から、ルイからの鷹だ。」

部屋の中に入ってきたアレスキーはカイルの腕にとまった。器用に片手で手紙を外したカイルは手紙を読み微笑んだ。

「明日、ルイと娘のアメリアが6時の電車で来るそうだ。駅までの迎えと、昼食の準備をしなければな。」

「まぁ、私アメリアちゃんに会ってみたかったんですの。アリスさんはとてもおかわいらしく、素敵な方でしたからきっとアメリアちゃんもいい子に違いないわ。」

明日が楽しみ、とフィアルーナは嬉しそうにほほ笑んだ。





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