上 下
31 / 55
第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#28 まじないと創造主と現女王様

しおりを挟む
「まずはステータスを見てみましょう」

エルアに帰るなりエリーさんが言い出した。

「え~散々動いたから風呂入りたいし食事もまだだぞ、話はすぐに終わんの?」
「確かにそうね」
「じゃあステータスは後でにしよう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さぁステータス見せて頂戴!」

風呂も食事も終わってワンルームで寛いでいるとエリーさんが俺の部屋に乗り込んで来た。
やっぱり忘れなかったか(汗)
何とか誤魔化そうとしてワンルームの中を案内したり、和風ドラゴンハンバーグでもてなしたんだけどな。
覚悟を決めるか・・・。

「ステータスオープン」

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

【名前】光本 辰樹【年齢】15(24)
【性別】男の娘(男)
【種族】人族
【クラス】職長☆
【状態】可愛い呪い
【レベル】87
【腕力】255
【体力】255
【魔力】40
【敏捷】210
【物耐性】255
【魔耐性】255
【器用】255
【運】150
【魅力】199
【ギフト】完全耐性
【取得技能】カリスマ 全属性魔法 超級職人技能 上級狩猟技能 体術 斬術 女装 
【称号】巻き込まれし者 オークの天災 ゴブリンの天災 竜殺し 目覚めし者(女装) 人族を越えた人族

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

「なんか変なの増えてんな、あっ、クラス変えられそうだ!」
「何よこれは!何がどうなってるのよ!」
「なにがよ?」
「全てよ、数値がおかしい、称号もおかしい、クラスも見たこと無いわよ、まず職長って何?」
「職長は多分地球では職人達のまとめ役みたいなものかな?」
「職人?・・・まぁそれは良いわ、数値はテルに少し聞いてたけどかなり違ってるわね、後は称号なんだけど?もしかして進化したの?」
「数値はまぁ俺も良くわからん、進化はしたけど前と同じものにしたぞ」
「前と同じもの?人族から人族にしたの」
「そうだよ、他のは見た目変わりそうで怖かったからな」
「各項目の詳細は見たことあるの?」
「詳細?見れるのか?」
「・・・じゃあ【可愛い呪い】の詳細が見たいと考えてみて」

可愛い呪いの詳細が見たい!

『フォン』

※※※※※※※※※※※※※※※※※
【可愛い呪い】(解呪不可)
呪い対象者に自身が可愛いと思う姿を強制する呪い。
呪い対象者自身が可愛いと思う姿をしないと身体能力全てを低下させる。
顔や体つきも『可愛い判定』に付随するため、美の成長補正も付いている。
下限は100分の1
上限は不明
現在の指数 70%
※※※※※※※※※※※※※※※※※

スゲー!

「こんなの出るんだ!」
「少し前に誰かが見つけたのよ、それより今の状態で70%なのね」
「具体的に分かるから便利だな」
「%だけ表示する事も出来るはずよ、他の項目も気になるものは調べましょう」

そうしてエリーさんと共に調べていく。
数値も詳細を意識すると255以上の数値も表示された。
新しい『カリスマ』は人に好かれやすくなったり、敵意や殺意を意識すると『威圧』も出来るものだった。
他の項目は大体予想通りだったな。

「タツキ」
「うん?」
「ちょっとあなたの体を調べましょう」
「何だよ!何するんだよ?」
「この数値が本当かどうか調べるだけよ」
「あ~それならいいよ」

一瞬解剖かと思ってしまった(汗)
その後鉄の棒を曲げたり、外で動き回ったりした。
身長と体重も計ったが、身長は変わらずで、体重は更に増えた、まさかの200kg・・・。

「数値は表示の間違いでは無さそうね、それと恐らく『可愛い呪い』は『のろい』でもあり『まじない』でもあるんでしょうね」
「まじない?」
「良い効果の『のろい』と思えば良いわ」
「まぁ女子にとっては良いこともあるもんな」
「それとタツキは戦闘系のクラスでは無いけどかなりの強さになっているわ」
「・・・まぁ多少は自覚あるぞ」
「あのね、成竜単独討伐なんてそんなに出来る人いないわよ」
「それは装備次第だろ?」
「その装備も世に出せばとんでもない価値の物なの、知らないかも知れないけど、テル達は昔は英雄と呼ばれていた存在なの、邪神討伐の際にも最前線で戦ってたわ」
「ほうほう、エリーさんも?」
「そうよ、まぁその後テル達は色々しでかしてダンジョンにいるんだけどね」
「まぁ大体分かったよ」
「まぁ地球人の勇者達もちゃんと鍛えれば強くなるでしょうし、他にも強い人はいるけどね」
「まぁそれはどうでもいいや、とりあえずクラス変えられそうだから見ていい?」
「そうね、あなたは強さにあまりこだわって無かったわね」
「そうだよ、そんな事より死なないように服作りだよ、勝てない敵なら避ければいいの!但しゴブリンとオークは除く!」
「そこは変わらないのね、良いわ、クラス見てみましょう」
「りょ~かい」

『ポチッ』

選択可能クラス
・覚醒勇者・剣帝・武帝・斬殺女帝・撲殺女帝・創造主

「・・・・あなたの性別はどうなってるの?」
「俺が聞きたいよ(怒)」
「あなたがステータス見たがらなかった理由が分かったわ」
「だろ、こんな悪意の塊無いだろ、性別も技能も、俺を馬鹿にしてるだろ?」
「そうね、それでクラスはどれにするの?」
「・・・まともなの無いから今回はしない!」
「戦闘職は嫌なの?」
「まず勇者シリーズは無い!他のは性別がおかしい、多分壊れてんだな」
「創造主は?今の職長の上級職じゃないのかしら?」
「まぁ一番マシなんだが・・・」
「何が嫌なの?」
「名前が仰々しい」
「まぁ分からないでも無いけどね、でもテルも魔導神よ、上級職になればなる程そうなるわよ」
「・・・今のところ困って無いからいいよ、キャンセル・・・」

『ピー』

「取り消せないらしいわね」
「!キャンセル、キャンセル、キャンセル、キャンセル、キャンセル!」

『ピーピーピーピーピー』

「無理よ、諦めて選びなさい」
「ぐぬぬっ、・・・じゃあ創造主」

「ポチッ」

「ちくしょう!こんな罠があんのかよ!」
「キャンセルしたこと無いから知らなかったわ」
「これで大体話は終わったかな?」
「まだよ、大事な話が残ってるわ」
「大事な話?」
「あなたの目的よ」
「初めてあった頃に話したろ?忘れたの?」
「あの時と今では状況が違うでしょ」
「そうだな、あれから少し昔の事思い出したんだ、俺には地球に家族がいる、だから一度地球に帰って無事だと伝えたい」
「思い出せたの?」
「少しだけな、ついでに地球人達の中で帰りたがってる人は連れていってやりたいかな、あっ、もちろん可愛い嫁さんも欲しいよ!」
「・・・あなたが変わってなくて良かったわ」
「まだ地球人3人組の事気にしてるのか?あいつらのハーレム欲しいってのは嘘らしいぞ」
「そうなの?」
「地球人の2人組に会って聞いたけど、奴等も地球に帰りかたがってたらしい、今はどこに居るのか分からんけどな」
「そうなのね、テルが解放されたら帰還方法は聞けるでしょうね」
「エリーさんは知らないのか?」
「詳しくは知らないわ、テルに聞いてあげて」
「分かったよ」
「それでこれからどうするの?」
「そうだな~、エルニアのダンジョン入りたかったけどあんまりここに居ると迷惑かかりそうだしな」
「そうね、迷惑は別に構わないけど、ダンジョンは国の管理下にあるから、あの子に説明しないと入れないわね」
「そうか~、確かエリーさん女王からの書状、無視してたよな」
「それは大丈夫よ、これからちょっと説明に行きましょう」
「まじですか?」
「あ~、言葉使いとかは気にしなくて良いわよ、女王は私の孫だから」
「それは初耳だよ(汗)」
「それにタツキの事は何度か話しているから顔合わせ程度で十分でしょ」
「その辺のさじ加減はわからんよ」
「まぁ良いわ、早速行きましょう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「初めまして、私はエルニアの女王マリアーナです、タツキさん?の事はお婆様から何度か聞いております」
「初めまして光本辰樹です、お会いできて光栄です」

展開はぇーよ!
いきなりエリーさんが『ゲート』の魔法使ったと思ったら、いきなり女王様って何だよ!
なんか部屋で寛いでた女王様が慌てて挨拶してきたから返したけど駄目だろこれっ!
つーか女王様もさっきまで食べてた、ケーキのクリーム口元に付いてるから!

「あらクリームがまだ付いてるわよ」
「えっ、ドコドコ?」

言っちゃった!
女王様も口調が年相応になってるよ!

女王様は10才くらいの背丈で、髪や目鼻立ちはエリーさんを小さくした感じだな。

「それよりお婆様、急にゲートでお客様を連れて来ないで下さい!第一印象が大事なのにこんな会い方したら威厳も何も無いじゃないですか!一応私はこの国の女王なんですから!」
「今日は別にいいでしょ、タツキの事は何度か話してたし、何より私の弟子相手に貴方が威厳を出しても意味無いじゃないの、それに貴方が呼んだんじゃない」
「まぁ今回は良いですけどもう止めて下さいよ、それよりもタツキさんは男の人と聞いてましたけどご本人何ですか?」
「本人です、そして正真正銘男です、つーかエリーさん説明してないの?」
「そう言えば言ってなかったわね」
「???」

女王様が不思議そうに見てるな。
取り敢えず女装の説明をする。

「じゃあ男の人が好きな訳じゃあないんですね」
「俺は無類の女好きです!」
「そんな事自信満々に言われても困りますよ、それと普通に喋って良いですよ、お婆様と普通に喋ってるのに私に敬語で話されると違和感が凄いですから」
「本当か?正直助かるわ」
「それで今日はどうしたんですか?」
「そうそう、ここのダンジョンに入りたいんだ、いいかな?」
「何故ダンジョンへ?」
「他のダンジョンを見たかったのと、大きめの魔石が欲しいんだ、ヒュドラとかで少しは集まったんだけど、成竜クラスの魔石が後一つ欲しいんだ」
「成竜クラスの魔石ですか、そんなもの何に使うんですか?」
「男のロマンだよ!」
「ロマンですか?」
「まぁ後のお楽しみさ、で、いいかな?」
「構いませんが、1つだけお願いを聞いて頂けませんか?」
「お願い?俺に出来ることならいいよ」
「ちょっとマリー、無茶な事は言わないでよ」
「無茶な事では無いですよ、ちょっとした魔道具を作って欲しいんです、タツキさんは魔道具に精通しているとお婆様から聞いていましたから」

その後詳しい説明を聞くと、行方不明者の調査の為に、拐われた人の魔力を感知していたのだが、精度があまり良くないらしく困っていたらしい。

「感知系の魔道具か、探る魔力はどんなもの?」
「行方不明者の共通点があって、通常よりも魔力がかなり多いんです、ですから魔力が多い場所を感知出来ればいいです」
「それだけでいいのか?じゃあそこの机で作っていい?」
「構いませんが、材料とかはあるんですか?」
「素材は大体持ってるよ、じゃあちょっと待ってて」

マジックバッグのモニターを見ながら素材と工具を出して早速作る。
工具はいつものやつで、素材はミスリルと魔インクとクリスタルでいいな。
サーチの魔法と、検索結果を表示するモニターだけなので魔方陣も簡単だ。
形は手のひらサイズのモニターにした。
魔力を込めると起動して、モニターには魔力の大きさと方角が出るようにした。
5分程かけて1つ作った所でマリアーナさんに確認する。

「これでどうかな?ちょっと確認してくれる?」
「・・・・・・」
「お~い、聞いてるか?」
「はい!えっと、何ですか?」
「これで問題ないか見てくれ」

『ピーピッ!』

「この表示は何ですか?」
「それは魔力の大きさと方角、あと大まかな距離だよ、どう、問題ない?」
「問題なんて無いですよ」
「ならいいや、何個いるんだ?」
「出来ればあと5個程」
「あいよ、じゃあ直ぐに作るからエリーさんと適当に話しててくれ、エリーさん確かアイスクリーム好きだったよな、二人で食べてて」

そう言ってアイスクリームを二人分出して製作作業に戻る。
なんか遠くで話してるけど小声で聞こえないや。
気にせず20分の程で作り終わり全て渡す。

「ありがとうございます、ダンジョンはタツキさんのギルドカードで入れるように手配しておきます」
「助かるよ、エリーさんそろそろ帰ろうか?」
「そうね、マリーまたね」
「お婆様、次にお会いした時はもっと詳しく説明してくださいね」
「そうね、分かったわ」
「何の話だ?」
「気にしないで、行くわよ『ゲート』」
「じゃあな女王様」
「はい、またお会いしましょう、それと私の事はマリーで結構ですよ」
「マリーまたね」

こうして俺初の謁見?は問題なく?終わった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

裏切りの蜜は甘く 【完結】

BL / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:419

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:355pt お気に入り:9,919

世界を旅するゲームなのに始まりの国から出られないのですが?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

月が導く異世界道中

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:61,338pt お気に入り:54,632

ランジェリーフェチの純情少年と純愛青春

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:163pt お気に入り:67

氷麗の騎士は私にだけ甘く微笑む

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:867pt お気に入り:311

クーパー伯爵夫人の離縁

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28,992pt お気に入り:4,395

処理中です...