専属ボディガードへの片思いを諦めたら、甘すぎる豹変が待っていました

いりん

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第2章 お見合い

まつげ

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結局お互い変な空気のまま、
悟さんとの3回目の食事会が行われた。

今日はいつもと違うお店での食事で、
悟さんに言われて、
私から橘が見える席についた。

今までは逆側だったから、
お見合いのときの橘の表情は見えなかったが、今日はよく見える。

悟さんはよくこの表情に耐えられるな、
と思うような怖い形相で橘がこちらをみていた。

「最近は彼とどう?」

「うーん、最近橘が変な気がします」

「変ってどんな?」

ー目をキラキラさせて悟さんが聞いてくる。

「なんというか、イライラしたり、
情緒不安というか…」

さすがに全てを話すこともできず、
少し濁しながら答えた。

「そうか…あともう少しだな」

悟さんが意味ありげな言葉を呟き、
また何か考えている。

「あ!そうだ。目にゴミが付いているよ。」

ーなぜか今閃いたような言い方をされて、
疑問に思いつつも、
「どちらの目でしょうか?」と尋ねた。

「大丈夫。少し目を閉じてくれないかな?
俺が取ってあげるよ。」

ーそんなことをしてもらうのは悪いな、
と思いつつも、まだ目がキラキラしている悟さんに断る理由も思い付かず、
言われるがまま目を閉じた。

悟さんが近づいてくる気配を感じる。
なんか緊張するな…

そう思ったと同時に、入口の方から走ってくる気配を感じた。

「これは、また早いのでは?」

ー橘が息を切らしながら、
悟さんに今でも殴りかかりそうになりながら言ってきた。


「え?目にゴミが付いてたから取ってあげようと思っただけだよ。
あぁ。もう取れたみたい」

私は唖然とした表情で、悟さんはニヤニヤし、橘は少し安心したかと思ったらまたイライラしていた。

「じゃあ、今日もお開きにしようか。
おやすみ、百合子さん」

「は、はい。悟さん」

いつも今行かないで欲しいというタイミングで別れている気がする。

またもや橘がイライラしていたが理由がわらからず、私からも話しかけなかった。

私のマンションの駐車場に着くと、
「目にゴミが付いている」と話しかけられた。

こんなに何回も付くかな?と思いつつ、
車のミラーで確認しようとすると、
「俺が取る」と必死に言われた。

また目を瞑ってみると、
橘が少し息を呑み、近づいてくるのがわかる。

ー悟さんのときよりも緊張しちゃう…

「取れた」

橘が目に触れたと思ったら、すぐ取れたようだった。

「ありがとう」

「大丈夫だ。これは俺の仕事だ。
他の人に言われても、俺に頼むか自分で取ってくれ」

ー目のゴミを取るのがボディガードの仕事なんて聞いたことない。

『冗談でしょ』と笑い飛ばしそうになったが、
橘が真剣そうに見てきたので、
「わ、わかった」と答えた。

「ありがとう」

橘が切なそうな顔をしながら呟いた。
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