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第一章 転生しました。
お兄様は血塗れの皇帝
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暴虐の悪夢と言われた時代があった。
民は飢え、土地は枯れ、国は衰退の一途を辿っているというのに、
王族と貴族が集う皇都だけは、今も最盛期を保っているかの様に映る。
弱者から吸い上げ強者が享受する。
かつて栄華を誇った皇国は、愚かな現皇帝によって今は見る影もない。
王族で在った第一皇子はこの国を憂いた。
皇子で在りながら何の力もない自分を嘆いた。
そして、嘆くだけしか出来ない己の無力さを恥じた。
その悪夢を終わらせる為、皇子は幼さを捨てた。
齢9つの年であった。
謀反が起き、時の皇帝である父は皇妃と共に処刑された。
皇帝の側室は二人、そのどちらも皇帝と皇妃が処刑された同日に毒杯を賜り毒殺された。
財政を蝕む一旦を担っていた、山程いる贅沢に馴れきった皇帝の愛妾百人は、僅かな金銭を持たせ放逐した。
愚帝と繋がりのあった貴族・商人は軒並み粛清される。
今まで虐げられた人々が「ざまぁみろ」を通り過ぎ、恐怖した。
おびただしい数をあっさりと屠り、粛清していく様は、明日は我が身ではないかと思わせる。
そうして、帝国の謀反による掃除は終わりを迎えた。
――――その後
皇帝と皇妃の子であった皇子が、新たな皇帝として即位する。
御年十才での即位であった。
即位した新皇帝の勢いは止まらず、幼い皇帝はその膨大な魔力を使って前戦で戦い、皇国軍を勝利に導いた。
数々の武勲や功績を積み、政治的手腕を発揮し周辺諸国を属国として支配下に置く。
かつて朽ちて行くだけであった皇国は、最大強国にまでたった数年で押し上げた。
そう、そこまでたったの三年であった。
歴代最高の莫大な魔力を持ち、武の神に愛された皇帝の二つ名は…
――――“魔王”である。
皇帝と皇妃を処刑し側室を毒殺した残虐さで知られ、影では“血塗れ皇帝”とも呼ばれた。
残虐王は、気に入らない者はすぐに斬りつけ排除した。
――――その残虐王には腹違いの妹が居た。
――――私の前世の記憶が蘇ったのは、5才の時。謀反のその当日だった。
離宮の奥の部屋で世話係と一緒に遊んで居た。
「姫様、それは何でございますか?」
青いクレヨンで描いた頭の部分を塗りつぶしていた。
「こりぇ?アンナ知りゃないの?○○○○○だよ!」
目を丸くしたアンナが「そうなんですね…不思議な生き物に見えます」と呟く。
アンナの目には、ずんぐりむっくりの3頭身で皮膚は真っ青な生き物が見える。
「こりぇはねー、今はお耳は無いけど、昔ネズミに食べりゃりぇたのよー」
「ま、まぁ…生きたままですか?恐ろしいですわね…」
「うん、寝てる時にねー」
「耳が全く無くなっているので、全部ネズミに食べられたんですね…」
そう聞くと何だか物騒な話だと思い、アンナに補足する。
「マンガの世界だかりゃねぇー…アンナは知りゃない?このマンガ…………」
私、ら行が上手く言えないのおかしくない?舌が回ってないの??
アンナの「知りませんねぇ…姫様、マンガとは何ですか?」隣でニコニコしながら聞いてくるのを見つめる。
知らないアンナに不思議に思って首を傾げた。
(いや、このキャラ老若男女知らぬ人は居ない某国民的マンガキャラ……)
えっ!!
――――きっかけは青い猫型ロボットである。
コレをアンナが知らないのおかしい!どんだけ有名だと思ってるのよ。
アレ?何でこんなこと知ってるの私……
何で……?突き詰めた結果、ヤバ!!私、昔へタイムスリップ!?
混乱する主人公、戻る前世の記憶……
――――そして、後はお察しである。
民は飢え、土地は枯れ、国は衰退の一途を辿っているというのに、
王族と貴族が集う皇都だけは、今も最盛期を保っているかの様に映る。
弱者から吸い上げ強者が享受する。
かつて栄華を誇った皇国は、愚かな現皇帝によって今は見る影もない。
王族で在った第一皇子はこの国を憂いた。
皇子で在りながら何の力もない自分を嘆いた。
そして、嘆くだけしか出来ない己の無力さを恥じた。
その悪夢を終わらせる為、皇子は幼さを捨てた。
齢9つの年であった。
謀反が起き、時の皇帝である父は皇妃と共に処刑された。
皇帝の側室は二人、そのどちらも皇帝と皇妃が処刑された同日に毒杯を賜り毒殺された。
財政を蝕む一旦を担っていた、山程いる贅沢に馴れきった皇帝の愛妾百人は、僅かな金銭を持たせ放逐した。
愚帝と繋がりのあった貴族・商人は軒並み粛清される。
今まで虐げられた人々が「ざまぁみろ」を通り過ぎ、恐怖した。
おびただしい数をあっさりと屠り、粛清していく様は、明日は我が身ではないかと思わせる。
そうして、帝国の謀反による掃除は終わりを迎えた。
――――その後
皇帝と皇妃の子であった皇子が、新たな皇帝として即位する。
御年十才での即位であった。
即位した新皇帝の勢いは止まらず、幼い皇帝はその膨大な魔力を使って前戦で戦い、皇国軍を勝利に導いた。
数々の武勲や功績を積み、政治的手腕を発揮し周辺諸国を属国として支配下に置く。
かつて朽ちて行くだけであった皇国は、最大強国にまでたった数年で押し上げた。
そう、そこまでたったの三年であった。
歴代最高の莫大な魔力を持ち、武の神に愛された皇帝の二つ名は…
――――“魔王”である。
皇帝と皇妃を処刑し側室を毒殺した残虐さで知られ、影では“血塗れ皇帝”とも呼ばれた。
残虐王は、気に入らない者はすぐに斬りつけ排除した。
――――その残虐王には腹違いの妹が居た。
――――私の前世の記憶が蘇ったのは、5才の時。謀反のその当日だった。
離宮の奥の部屋で世話係と一緒に遊んで居た。
「姫様、それは何でございますか?」
青いクレヨンで描いた頭の部分を塗りつぶしていた。
「こりぇ?アンナ知りゃないの?○○○○○だよ!」
目を丸くしたアンナが「そうなんですね…不思議な生き物に見えます」と呟く。
アンナの目には、ずんぐりむっくりの3頭身で皮膚は真っ青な生き物が見える。
「こりぇはねー、今はお耳は無いけど、昔ネズミに食べりゃりぇたのよー」
「ま、まぁ…生きたままですか?恐ろしいですわね…」
「うん、寝てる時にねー」
「耳が全く無くなっているので、全部ネズミに食べられたんですね…」
そう聞くと何だか物騒な話だと思い、アンナに補足する。
「マンガの世界だかりゃねぇー…アンナは知りゃない?このマンガ…………」
私、ら行が上手く言えないのおかしくない?舌が回ってないの??
アンナの「知りませんねぇ…姫様、マンガとは何ですか?」隣でニコニコしながら聞いてくるのを見つめる。
知らないアンナに不思議に思って首を傾げた。
(いや、このキャラ老若男女知らぬ人は居ない某国民的マンガキャラ……)
えっ!!
――――きっかけは青い猫型ロボットである。
コレをアンナが知らないのおかしい!どんだけ有名だと思ってるのよ。
アレ?何でこんなこと知ってるの私……
何で……?突き詰めた結果、ヤバ!!私、昔へタイムスリップ!?
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――――そして、後はお察しである。
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