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第三章 クラウディアの魔力
鬼教師アンナ。
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「姫様、背筋は優雅に真っ直ぐと。いえ、そこまで頭をさげてはなりません。茶会の場では姫様陛下に次ぐ高貴な身なのですから、浅く下げるだけにして下さい。
そう、指先まで意識して下さいね。」
―――アンナ、スパルタだわ…
かれこれ二時間ほど初めの挨拶とカーテシーの練習をしている。
休憩なしな為、慣れぬ動きと筋トレ並に筋肉を使うので、クラウディアの腕も膝もプルプルしている。
「さぁもう一度。」
アンナの厳しい声が響いた―――
「有難うアンナ。」
スパルタレッスンが一段落つき、優しいモードに戻ったアンナがお茶をいれてくれる。
華やかな花の香りがする一口飲む。
「! アンナ、私の好きな薔薇のハーブティーだわ! 嬉しい! 有難う。」
最近、紅茶の代わりによく飲むようになったハーブティー。
その中でも特に好きな薔薇のハーブティーをいれてくれたのが嬉しい。
「どういたしまして。」
アンナが微笑む。
サクサクのショートブレッドが美味しい。
このお菓子の作成を提案したのは私だった。
帝国にはお菓子のバリエーションが隣国の乙女ゲームが舞台の国よりは乏しく、前世日本でスイーツパラダイスを経験していた私には残念な国だった。
だから、私が分かる範囲で食べたい物を作って貰おうと考えたのだった。
食べ物への執着はある。
窮屈な皇族の幼い姫の楽しみなんて、食べる事くらいしかない。
期待していた恋バナだって、あまり進歩してないようだし。
イケメン鑑賞もやりすぎるとシュヴァリエが何故か不機嫌になるので、週に1回の騎士団訪問も週に2回になったし。
ならばと、選りすぐりの美男揃いの我が護衛騎士達をニマニマして愛でていれば、
最初は同室内で護衛だった筈が、アンナと3人娘だけになり、いつの間にかイケメン達は室外扉前で警護にあたるになっていた。
私の視線に邪な想いがだだ漏れていたかもしれない。
幼女の癖に捕食者の顔を見せちゃったかしら…ギラギラ?
うん…気をつけよう。
とまぁイケメンの話で横道に逸れたけれど、今の私の楽しみが食しか残されていないのであった。
そんな訳で、色々思案した結果、この世界が、日本で制作された乙女ゲームの世界ならば、もしかしたら、日本で使用されていた食材も、そのままの名で存在する気がした。
試しにアンナに訊いてみたら、嬉しい事にそのままの名で存在していたので、色々提案して、いくつか作って貰った1つがこのショートブレッドなのだ。
分厚いクッキーのようなショートブレッドは、甘みを少なく設定している為、甘い紅茶に良く合う。
今日はハーブティーだから甘味は抑えているけど、悪くない組み合わせだ。
そうそう、このショートブレッドは、試食としてシュヴァリエにも口に押しこみ食べさせてあげたら、凄く嬉しそうに喜んでいた。
あまりに喜ぶものだから、もしかしたら甘いのがあまり好きじゃないのかもね?ショートブレッドくらいなら好みなのかも。とアンナに話すと「そういう事でいいと思います」と言われ、困った顔で微笑まれた。
…何故?
「ごちそうさま」
満足の吐息がふうっと漏れる。
身体はまだプルプルしてるけど、気力は回復した気がする!
「姫様、もうひと踏ん張りしましょうね」
アンナが良い笑顔で私を抱っこしてくれた。
「ひゃい……(はい)」
「アンナは鬼だと思うの…」
凝った筋肉を揉みほぐすという痛めのマッサージを終え、その後のお風呂から上がってグッタリタイム。
冷たい果実水をグラスに注ぎ私に手渡しながら、
「明日は隣国の情勢をサラッと説明しますからね。その他の所作もチェックしますから。」
「まだやるの…」
「ええ、まだやります。私の姫様が誰に軽んじられることのないようにします。
他国だけでなく自国の貴族も参加するのです。付け入る隙はない方が後が楽ですからね。」
「そういうものなの…?」
あんなに恐ろしい兄がバックにいるというのに。そんな命知らずが帝国貴族にいるのだろうか。
シュヴァリエなら、不敬を感じたらその場で首を撥ねそうだけど…
「シュヴァリエ様なら即刻首を狩りそうですが、他国もいますし。隣国の王子も参加しますから、なるべく血生臭い事はさけましょう。」
「そうだね……」
シュヴァリエって、血濡れ皇帝だもんね…
「さあ姫様、お肌の為に良く眠っておきましょうね。お肌のマッサージもしましたし、明日はますます綺麗になりますからね。」
「うん…アンナ有難う。おやすみなさい。」
「おやすみなさいませ、姫様。」
体を運動の後のような心地いい疲労を感じたせいか、枕に頭を乗せた途端にすぐに寝た。
姫業って真面目にしたら結構ハードよね。
そう、指先まで意識して下さいね。」
―――アンナ、スパルタだわ…
かれこれ二時間ほど初めの挨拶とカーテシーの練習をしている。
休憩なしな為、慣れぬ動きと筋トレ並に筋肉を使うので、クラウディアの腕も膝もプルプルしている。
「さぁもう一度。」
アンナの厳しい声が響いた―――
「有難うアンナ。」
スパルタレッスンが一段落つき、優しいモードに戻ったアンナがお茶をいれてくれる。
華やかな花の香りがする一口飲む。
「! アンナ、私の好きな薔薇のハーブティーだわ! 嬉しい! 有難う。」
最近、紅茶の代わりによく飲むようになったハーブティー。
その中でも特に好きな薔薇のハーブティーをいれてくれたのが嬉しい。
「どういたしまして。」
アンナが微笑む。
サクサクのショートブレッドが美味しい。
このお菓子の作成を提案したのは私だった。
帝国にはお菓子のバリエーションが隣国の乙女ゲームが舞台の国よりは乏しく、前世日本でスイーツパラダイスを経験していた私には残念な国だった。
だから、私が分かる範囲で食べたい物を作って貰おうと考えたのだった。
食べ物への執着はある。
窮屈な皇族の幼い姫の楽しみなんて、食べる事くらいしかない。
期待していた恋バナだって、あまり進歩してないようだし。
イケメン鑑賞もやりすぎるとシュヴァリエが何故か不機嫌になるので、週に1回の騎士団訪問も週に2回になったし。
ならばと、選りすぐりの美男揃いの我が護衛騎士達をニマニマして愛でていれば、
最初は同室内で護衛だった筈が、アンナと3人娘だけになり、いつの間にかイケメン達は室外扉前で警護にあたるになっていた。
私の視線に邪な想いがだだ漏れていたかもしれない。
幼女の癖に捕食者の顔を見せちゃったかしら…ギラギラ?
うん…気をつけよう。
とまぁイケメンの話で横道に逸れたけれど、今の私の楽しみが食しか残されていないのであった。
そんな訳で、色々思案した結果、この世界が、日本で制作された乙女ゲームの世界ならば、もしかしたら、日本で使用されていた食材も、そのままの名で存在する気がした。
試しにアンナに訊いてみたら、嬉しい事にそのままの名で存在していたので、色々提案して、いくつか作って貰った1つがこのショートブレッドなのだ。
分厚いクッキーのようなショートブレッドは、甘みを少なく設定している為、甘い紅茶に良く合う。
今日はハーブティーだから甘味は抑えているけど、悪くない組み合わせだ。
そうそう、このショートブレッドは、試食としてシュヴァリエにも口に押しこみ食べさせてあげたら、凄く嬉しそうに喜んでいた。
あまりに喜ぶものだから、もしかしたら甘いのがあまり好きじゃないのかもね?ショートブレッドくらいなら好みなのかも。とアンナに話すと「そういう事でいいと思います」と言われ、困った顔で微笑まれた。
…何故?
「ごちそうさま」
満足の吐息がふうっと漏れる。
身体はまだプルプルしてるけど、気力は回復した気がする!
「姫様、もうひと踏ん張りしましょうね」
アンナが良い笑顔で私を抱っこしてくれた。
「ひゃい……(はい)」
「アンナは鬼だと思うの…」
凝った筋肉を揉みほぐすという痛めのマッサージを終え、その後のお風呂から上がってグッタリタイム。
冷たい果実水をグラスに注ぎ私に手渡しながら、
「明日は隣国の情勢をサラッと説明しますからね。その他の所作もチェックしますから。」
「まだやるの…」
「ええ、まだやります。私の姫様が誰に軽んじられることのないようにします。
他国だけでなく自国の貴族も参加するのです。付け入る隙はない方が後が楽ですからね。」
「そういうものなの…?」
あんなに恐ろしい兄がバックにいるというのに。そんな命知らずが帝国貴族にいるのだろうか。
シュヴァリエなら、不敬を感じたらその場で首を撥ねそうだけど…
「シュヴァリエ様なら即刻首を狩りそうですが、他国もいますし。隣国の王子も参加しますから、なるべく血生臭い事はさけましょう。」
「そうだね……」
シュヴァリエって、血濡れ皇帝だもんね…
「さあ姫様、お肌の為に良く眠っておきましょうね。お肌のマッサージもしましたし、明日はますます綺麗になりますからね。」
「うん…アンナ有難う。おやすみなさい。」
「おやすみなさいませ、姫様。」
体を運動の後のような心地いい疲労を感じたせいか、枕に頭を乗せた途端にすぐに寝た。
姫業って真面目にしたら結構ハードよね。
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