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第三章 クラウディアの魔力
モブなのに…?
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大きな鏡付きの鏡台の前に座りクラウディアはアンナに髪を丁寧に梳かれていた。
鏡越しにアンナと目が合い、アンナにニッコリと微笑まれ微笑み返す。
(仕事とはいえ、アンナには実の母よりも凄く大切に育てて貰った。母のような姉のような…不思議な存在の人だよなぁアンナって。)
血が繋がった兄であるシュヴァリエは今でこそ身近な存在となったけれど、母が亡くなり私が表舞台に引き上げられるまでは、全く接点もなかった人だ。
存在が認識されてからは部屋に忍び込まれて寝顔を凝視されたり、魔法で強制的に永眠させられそうになったり、肉親が私だけになったからか異様に固執され大事にされてるのは感じるようになったけど。
まぁそれはいい。
血濡れ皇帝になる筈だった人が、常勝の皇帝と呼ばれる程にゲームの世界とは変わってしまったのだから、モブ妹が兄に大事にされる世界線もあるのだろう。
今、頭を閉めるのはシュヴァリエがシスコンが過ぎて、お嫁さんに嫌われるんじゃないかとか、そういう心配ではない。
今日、シュヴァリエから教えて貰った事が一番頭の中を占めている。
というか、シュヴァリエの妹の設定って14歳で亡くなるとかそういうヤツしかないし。攻略サイトも動画サイトのプレイ動画も見た事あるけれど、当然の事ながら私を含めてどのモブについても詳しく書いてあるのなんてなかった。
ヒロインは「対象者に己の魔力を分け与える事の出来る特殊な能力持ち」という、補給役みたいなスキル能力があった筈だけど。
魔力付与…? みたいなのはヒロインにも無かった。
ヒロインにも無いというより、あのゲームの世界をプレイしていてもそんな能力無かったと思う。
でも、私にはあるらしい。そんな見た事も訊いた事もないような不可思議な能力が。
私の魔力が刺繍した物に付与されるということなのだ。
刺繍以外は試した事がないから、これから私が作成した物に全て魔力が付与されるのか? とか、思いを込めないと付与されないのか? とか、そこら辺はこれから色々試してみたいと、シュヴァリエは言っていた。
私、モブなのに…?
そんな大それた存在だったから殺されたの…?
ええ……まさかね?
「ねぇ、アンナ。魔力を物に付与する魔法とかスキルとかこの世界には存在するの?」
クラウディアがぼおっと考え事をしてる間にテキパキと夜着を着せられ、髪や身体の手入れをされ、就寝前にいつも飲んでるハーブティーを渡されていた。
(あ、あれ!? いつの間に手にティーカップが……)
アンナおそるべし。
「そのような不可思議な魔法や魔術、もしくはスキル…訊いた事も見た事もございません。古代魔術関連でもしかしたら該当するものがあるやもしれませんが、その古代魔術も解析が殆ど進んでおらず、謎に包まれていますから。」
(古代魔術かー…、そんなものゲームで出てきたっけ? 出てなかった気がするけど、ソニエールが舞台のゲームだから出てこなかっただけなのかなー。ソニエールって魔法や魔術の先進国って訳でもないし)
「へえ…古代魔術って呼び名だけ訊くと凄いカッコイイね。こう大魔法使い的な白い髭を生やしたお爺さん魔法使いが行使してそうな魔術みたいな。」
「姫様ならそう仰りそうだなと思っていました。」
「そんなに分かり易いの? 私。」
「ええ、姫様は全て顔に書いてあります、いつも。」
手に持っていたティーカップをそっとテーブルへと置き、顔をこすこす擦る。
顔に書いてある…?
「揶揄でございます、姫様…」
アンナに目を遣ると、吹き出す寸前のような表情をしている。
アンナがこんな顔するのはとても珍しい。
思わず嬉しくなって淑女らしからぬと分かっているが、ニッコリと大きく緩んだ顔で笑ってしまう。
今は注意しないと決めたのか、アンナもニッコリと大きく緩んだ顔で笑い返してくれた。
「さぁ残ったお茶を飲み干して早く就寝して下さいまし。睡眠は肌質を整えるのにとても大切なものですからね。」
「はぁい。もう少しアンナと魔術について話してたかったなぁ」
「明日、またお茶の時間にでもお教えしますよ。とはいっても、古代魔術などは私の専門外ですのでお教えする事は殆どありませんけれど。魔法や魔術に触れた事があるものなら知ってるような基本的な事なら教えてさしあげられますので。」
宥めるような笑みを浮かべながらアンナはクラウディアに説明をする。
(基本的な事でも大歓迎! ゲームでは知り得なかった知識だし、それだけで楽しみ!アンナが知らない知識は、皇宮内にある凄い大きな図書室があるからそこへ行って調べてもいいしね。)
図書室には詳しい事は無いような気がしないでもないけれど、その時はシュヴァリエに訊いてみよう。
チート魔王だもの、何がしか知ってそうな気がする。
チート魔王は基本属性は血飛沫大好きな脳筋かと思いきや、どちらかというと実は策略家で人を嵌めるのはお手の物な所の属性の方が強く、知能もとても高いというのは分かっているのだ。
そうでなければ、帝国内部を建て直すのを幼い少年が出来る訳がないしね。
シュヴァリエに対して結構失礼な事を考えるクラウディアである。
そんな事を考えつつハーブティーを飲み干すと、クラウディアはベッドに向かった。
「アンナ、今日も一日有り難う。ハーブティーもとても美味しかった。おやすみなさい。」
ベッドに横になり、アンナに一日のお礼を言うとクラウディアは目を閉じた。
アンナとクラウディアの間で毎夜交わされる遣り取りではあるが、アンナはそんなクラウディアにいつも心が温かくなるのを感じさせられている。
「はい、姫様。おやすみなさい、いい夢を。」
寝台に横たわるクラウディアを愛しげに見つめ、
室内の照明を薄暗くすると、アンナは寝室の扉をそっと閉め退室した。
クラウディアとのやり取りで優しい顔立ちから、冷酷な指揮官の顔へ変貌させると、冷たい声音で「入れ。」と一言口にした。
扉が音も無く開き、一名が入室する。
扉の外には更に二名が立っている。
寝室の扉前に1人、さらに私室の扉を出た所に二人、専属近衛騎士が立っている。
それに加え、クラウディアの寝室の天井裏にも一名影が待機していた。
クラウディアが起きている際には、護衛も目立った配置にはしないが、就寝後はこのような配置で警護を指示している。
守護結界は張っているが、相手が相手なだけに油断する事は敵に隙を与える事と同義。
教会は力を持ちすぎている。
秘密主義を徹底して貫く集団だ。どのような者を使ってくるか未知数。
やり過ぎてもまだ不足なくらいだった。
「身命を賭して守護せよ。」
ぼそりと小さい声で呟く。
クラウディアが就寝している為、アンナに指示された騎士達は胸に手を置きひとつ頷く。
それをしっかりと目で確認し、アンナもひとつ頷いた。
―――さて、執務室へ向かいますか。
クラウディアの守りを万全にして、アンナは執務室へと足を向けたのだった。
鏡越しにアンナと目が合い、アンナにニッコリと微笑まれ微笑み返す。
(仕事とはいえ、アンナには実の母よりも凄く大切に育てて貰った。母のような姉のような…不思議な存在の人だよなぁアンナって。)
血が繋がった兄であるシュヴァリエは今でこそ身近な存在となったけれど、母が亡くなり私が表舞台に引き上げられるまでは、全く接点もなかった人だ。
存在が認識されてからは部屋に忍び込まれて寝顔を凝視されたり、魔法で強制的に永眠させられそうになったり、肉親が私だけになったからか異様に固執され大事にされてるのは感じるようになったけど。
まぁそれはいい。
血濡れ皇帝になる筈だった人が、常勝の皇帝と呼ばれる程にゲームの世界とは変わってしまったのだから、モブ妹が兄に大事にされる世界線もあるのだろう。
今、頭を閉めるのはシュヴァリエがシスコンが過ぎて、お嫁さんに嫌われるんじゃないかとか、そういう心配ではない。
今日、シュヴァリエから教えて貰った事が一番頭の中を占めている。
というか、シュヴァリエの妹の設定って14歳で亡くなるとかそういうヤツしかないし。攻略サイトも動画サイトのプレイ動画も見た事あるけれど、当然の事ながら私を含めてどのモブについても詳しく書いてあるのなんてなかった。
ヒロインは「対象者に己の魔力を分け与える事の出来る特殊な能力持ち」という、補給役みたいなスキル能力があった筈だけど。
魔力付与…? みたいなのはヒロインにも無かった。
ヒロインにも無いというより、あのゲームの世界をプレイしていてもそんな能力無かったと思う。
でも、私にはあるらしい。そんな見た事も訊いた事もないような不可思議な能力が。
私の魔力が刺繍した物に付与されるということなのだ。
刺繍以外は試した事がないから、これから私が作成した物に全て魔力が付与されるのか? とか、思いを込めないと付与されないのか? とか、そこら辺はこれから色々試してみたいと、シュヴァリエは言っていた。
私、モブなのに…?
そんな大それた存在だったから殺されたの…?
ええ……まさかね?
「ねぇ、アンナ。魔力を物に付与する魔法とかスキルとかこの世界には存在するの?」
クラウディアがぼおっと考え事をしてる間にテキパキと夜着を着せられ、髪や身体の手入れをされ、就寝前にいつも飲んでるハーブティーを渡されていた。
(あ、あれ!? いつの間に手にティーカップが……)
アンナおそるべし。
「そのような不可思議な魔法や魔術、もしくはスキル…訊いた事も見た事もございません。古代魔術関連でもしかしたら該当するものがあるやもしれませんが、その古代魔術も解析が殆ど進んでおらず、謎に包まれていますから。」
(古代魔術かー…、そんなものゲームで出てきたっけ? 出てなかった気がするけど、ソニエールが舞台のゲームだから出てこなかっただけなのかなー。ソニエールって魔法や魔術の先進国って訳でもないし)
「へえ…古代魔術って呼び名だけ訊くと凄いカッコイイね。こう大魔法使い的な白い髭を生やしたお爺さん魔法使いが行使してそうな魔術みたいな。」
「姫様ならそう仰りそうだなと思っていました。」
「そんなに分かり易いの? 私。」
「ええ、姫様は全て顔に書いてあります、いつも。」
手に持っていたティーカップをそっとテーブルへと置き、顔をこすこす擦る。
顔に書いてある…?
「揶揄でございます、姫様…」
アンナに目を遣ると、吹き出す寸前のような表情をしている。
アンナがこんな顔するのはとても珍しい。
思わず嬉しくなって淑女らしからぬと分かっているが、ニッコリと大きく緩んだ顔で笑ってしまう。
今は注意しないと決めたのか、アンナもニッコリと大きく緩んだ顔で笑い返してくれた。
「さぁ残ったお茶を飲み干して早く就寝して下さいまし。睡眠は肌質を整えるのにとても大切なものですからね。」
「はぁい。もう少しアンナと魔術について話してたかったなぁ」
「明日、またお茶の時間にでもお教えしますよ。とはいっても、古代魔術などは私の専門外ですのでお教えする事は殆どありませんけれど。魔法や魔術に触れた事があるものなら知ってるような基本的な事なら教えてさしあげられますので。」
宥めるような笑みを浮かべながらアンナはクラウディアに説明をする。
(基本的な事でも大歓迎! ゲームでは知り得なかった知識だし、それだけで楽しみ!アンナが知らない知識は、皇宮内にある凄い大きな図書室があるからそこへ行って調べてもいいしね。)
図書室には詳しい事は無いような気がしないでもないけれど、その時はシュヴァリエに訊いてみよう。
チート魔王だもの、何がしか知ってそうな気がする。
チート魔王は基本属性は血飛沫大好きな脳筋かと思いきや、どちらかというと実は策略家で人を嵌めるのはお手の物な所の属性の方が強く、知能もとても高いというのは分かっているのだ。
そうでなければ、帝国内部を建て直すのを幼い少年が出来る訳がないしね。
シュヴァリエに対して結構失礼な事を考えるクラウディアである。
そんな事を考えつつハーブティーを飲み干すと、クラウディアはベッドに向かった。
「アンナ、今日も一日有り難う。ハーブティーもとても美味しかった。おやすみなさい。」
ベッドに横になり、アンナに一日のお礼を言うとクラウディアは目を閉じた。
アンナとクラウディアの間で毎夜交わされる遣り取りではあるが、アンナはそんなクラウディアにいつも心が温かくなるのを感じさせられている。
「はい、姫様。おやすみなさい、いい夢を。」
寝台に横たわるクラウディアを愛しげに見つめ、
室内の照明を薄暗くすると、アンナは寝室の扉をそっと閉め退室した。
クラウディアとのやり取りで優しい顔立ちから、冷酷な指揮官の顔へ変貌させると、冷たい声音で「入れ。」と一言口にした。
扉が音も無く開き、一名が入室する。
扉の外には更に二名が立っている。
寝室の扉前に1人、さらに私室の扉を出た所に二人、専属近衛騎士が立っている。
それに加え、クラウディアの寝室の天井裏にも一名影が待機していた。
クラウディアが起きている際には、護衛も目立った配置にはしないが、就寝後はこのような配置で警護を指示している。
守護結界は張っているが、相手が相手なだけに油断する事は敵に隙を与える事と同義。
教会は力を持ちすぎている。
秘密主義を徹底して貫く集団だ。どのような者を使ってくるか未知数。
やり過ぎてもまだ不足なくらいだった。
「身命を賭して守護せよ。」
ぼそりと小さい声で呟く。
クラウディアが就寝している為、アンナに指示された騎士達は胸に手を置きひとつ頷く。
それをしっかりと目で確認し、アンナもひとつ頷いた。
―――さて、執務室へ向かいますか。
クラウディアの守りを万全にして、アンナは執務室へと足を向けたのだった。
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