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2話 薬酒の効能

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「当然、私の身体は清らかなままです」

「ふふふっ… 一応、聞いただけだ、アニマシオン! そうふくれるな!」

「膨れてなどいません」
 同年代の学友たちは、とっくの昔に初体験を経験し、童貞は卒業しているというのに… ああ、やれやれ……。

 薬酒で急激にアニマシオンの体温が上がり…
 ハァ―――ッ… と熱いため息をつく。


「身体が清らかかどうかは、これからお前が行う、儀式に重要なことなのだ! けして興味からたずねた訳ではなく必要だからたずねたのだ」

「儀式… ですか?」
 酒を飲みして終わりではないのか…? いったい、どんな儀式なんだ?! 身体が清らかなのが条件とは?!

「ああ、だから第二王子にはこの儀式を、受けさせることができない… この儀式を受ける資格を持つ者だけが、王になる資格を持つ者だ! これは王家でも直系の者にしか知らされないことだから、お前も軽々しく話したりはしないように」

「はい」
 いったい何なのだ?!

「そろそろだな? お前が自力で歩けるうちに、“秘儀ひぎの間”へ向かおう」

「“秘儀の間”?! 自力で歩けるうちに…?! いくら強い酒でも、ゴブレット一杯で歩けなくなるほど、私は酒に弱くはありませんよ?」
 確かに酒のまわりが早く、身体中が熱くなってきたけれど…


「どうだ、アニマシオン? 腹の奥が熱くなって来ただろう?」

「・・・・・・」
 言われてみると、腹の奥… と言うよりも、下腹の性器がジンジンとうずくような…? 学園の卒業と同時に、王族の義務である公務が多忙となり、しばらく自慰をするひまも無く、欲望をしぼっていなかったからか?!
 こ… これはマズイ!! う゛う゛っ… 父上の前で発情するなど、マズ過ぎるぞ?!

 真っ赤に顔を染めた、アニマシオンは前かがみになり、硬く張りつめた股間の性器が、下衣にこすれるのを避けようとした。


「ふふふっ… いいぞ、アニマシオン! そのたかぶりこそが、薬酒がお前の身体に良く効いている証拠だ! さぁ、行こう!」

「何ですって?! 父上?!」
  薬酒が効いている?! 私の性器におよぼした、この恥ずべき状態が薬酒の効き目だというのか?!

「さぁ、行くぞアニマシオン!」

「父上… 私の身体をこんな状態にさせて、いったいどんな儀式をさせようというのですか?! う゛う゛っ…!」

「それは“秘儀の間”へ行ってからの、お楽しみだ!」
 国王はニヤニヤと、人の悪い笑みを浮かべて立ち上がると… 薬酒で性器を勃起ぼっきさせた息子の腕を、引っ張り上げて立たせた。


 薬酒で発情し、硬く張り詰めてしまった性器の膨らみを隠そうと、なるべく身体を前かがみにして… ともに歩く国王付きの使用人たちの視線を避け、アニマシオンは真っ赤に染まった顔をふせる。
 
 ハァッ… ハァッ… と熱い息をはき、アニマシオンはボロボロになった王太子の威厳いげんに痛みを感じながら、王宮の廊下を国王に引きずられるように、内またでヨロヨロと歩いた。






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