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逆プロポーズ
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屑だけど、私に何かした訳でもキリカに関わってもいない。
ムカつくが今回の件では皇宮での発言内容を公表するだけで罪には問えない。
「忘れたかな?
皇帝陛下はキリカの異常性に気づいていたんだ。
妻や息子があの女の話で一貫性がなかった。
平民の少女を皇太子妃にする計画を知っていた。
皇后が少しおかしいのに気づいていた。
三百年前の大罪人を皇帝だから詳しく知っている。」
「教会は態と見逃そうとしたと判断するかも?
キリカの求心力を皇室に取り入れ教会を脅かそうとしていたと取られるかも知れない?」
私の言葉に先生はよく出来ましたと言う様に微笑む。
「現皇帝が教会に聖玉で尋問されただけでも帝国には大打撃だ。
それ以上かも知れないと考える貴族や商人は少なくないだろう。
噂が噂を呼び皇帝一族は身の置き場が無くなる。
だからといって教会を脅すのも金や権力で宥めるのも悪手だ。」
教会の聖職者はエジエル様のコピーばっかだもんね。
金や権力出そうもんなら逆鱗に触れるようなもんだよ。
脅したって、これが神の思し召しとか言って命懸けで抵抗しそうだし。
教会に対して打つ手なしだわ。
「皇室が潰れますよね。」
「さあ、それはどうかな?」
先生が何とも言えない顔をしている。ナゼに?
「ですが皇帝は罪に問われるかもですし、皇后はキリカの信者、皇太子と第二王子はキリカと思いっきり関係を持ってますよ!」
あ、敬称つけるの忘れた。今はいいか。
「そうだ。あの女と親密だった。
だからこそ助かる道がある。
告解だよ。」
「有り得ません!」
私は即座に否定した。
普通の告解なら聖職者と神にのみ罪を告白し許しを乞う。
そう普通なら。
今回神の大罪人の再来と思われるキリカが関わってくるから告解をすれば公表される。
それをエンダスト帝国の皇帝がするだろうか?
「そこに活路があるならするだろう。
何もしなくてもあれを公表されればどちらにしろ後がない。
皇后、皇太子、馬鹿を、あの女を皇室に引き入れようとした罪人として皇帝自身が処刑し、告解で反省を見せ率先してあの女の関係者を見つけ教会に差し出す。
そして今回の犠牲者である君を皇后にたてる。
そうすれば妻や息子とあの女との関わりがこれ以上漏れる心配もなく、君の名誉を回復するという建前で皇后にし監視できる。」
いくら何でもそこ迄するだろうか。
自分の血を分けた息子達を殺す?
するかも知れないとゾッとした。
「·····先生の推測ですよね?」
そうだと言って!
あの屑皇帝と結婚なんかしたくない!!
私は祈るように先生を見た。
「·····そうだよ。まだ何も動いていない。だから今なら此方から手を打つ事もできる。」
手を打つ?
屑達は自分で何とかして貰おう。
因果応報だ。被害者の私が助けてやる義理はない。
問題は私自身。あの屑皇帝と結婚なんて絶対嫌だ。
いつ切り捨てられるかわかったもんじゃない。
でも皇帝の勅命が下りれば従うしかない。
もー何なの。この第二の人生。ピンチの連続なんだけど。
屑皇帝と結婚しないで済むには·····
「先生。結婚して下さい。」
「「「は?」」」
ムカつくが今回の件では皇宮での発言内容を公表するだけで罪には問えない。
「忘れたかな?
皇帝陛下はキリカの異常性に気づいていたんだ。
妻や息子があの女の話で一貫性がなかった。
平民の少女を皇太子妃にする計画を知っていた。
皇后が少しおかしいのに気づいていた。
三百年前の大罪人を皇帝だから詳しく知っている。」
「教会は態と見逃そうとしたと判断するかも?
キリカの求心力を皇室に取り入れ教会を脅かそうとしていたと取られるかも知れない?」
私の言葉に先生はよく出来ましたと言う様に微笑む。
「現皇帝が教会に聖玉で尋問されただけでも帝国には大打撃だ。
それ以上かも知れないと考える貴族や商人は少なくないだろう。
噂が噂を呼び皇帝一族は身の置き場が無くなる。
だからといって教会を脅すのも金や権力で宥めるのも悪手だ。」
教会の聖職者はエジエル様のコピーばっかだもんね。
金や権力出そうもんなら逆鱗に触れるようなもんだよ。
脅したって、これが神の思し召しとか言って命懸けで抵抗しそうだし。
教会に対して打つ手なしだわ。
「皇室が潰れますよね。」
「さあ、それはどうかな?」
先生が何とも言えない顔をしている。ナゼに?
「ですが皇帝は罪に問われるかもですし、皇后はキリカの信者、皇太子と第二王子はキリカと思いっきり関係を持ってますよ!」
あ、敬称つけるの忘れた。今はいいか。
「そうだ。あの女と親密だった。
だからこそ助かる道がある。
告解だよ。」
「有り得ません!」
私は即座に否定した。
普通の告解なら聖職者と神にのみ罪を告白し許しを乞う。
そう普通なら。
今回神の大罪人の再来と思われるキリカが関わってくるから告解をすれば公表される。
それをエンダスト帝国の皇帝がするだろうか?
「そこに活路があるならするだろう。
何もしなくてもあれを公表されればどちらにしろ後がない。
皇后、皇太子、馬鹿を、あの女を皇室に引き入れようとした罪人として皇帝自身が処刑し、告解で反省を見せ率先してあの女の関係者を見つけ教会に差し出す。
そして今回の犠牲者である君を皇后にたてる。
そうすれば妻や息子とあの女との関わりがこれ以上漏れる心配もなく、君の名誉を回復するという建前で皇后にし監視できる。」
いくら何でもそこ迄するだろうか。
自分の血を分けた息子達を殺す?
するかも知れないとゾッとした。
「·····先生の推測ですよね?」
そうだと言って!
あの屑皇帝と結婚なんかしたくない!!
私は祈るように先生を見た。
「·····そうだよ。まだ何も動いていない。だから今なら此方から手を打つ事もできる。」
手を打つ?
屑達は自分で何とかして貰おう。
因果応報だ。被害者の私が助けてやる義理はない。
問題は私自身。あの屑皇帝と結婚なんて絶対嫌だ。
いつ切り捨てられるかわかったもんじゃない。
でも皇帝の勅命が下りれば従うしかない。
もー何なの。この第二の人生。ピンチの連続なんだけど。
屑皇帝と結婚しないで済むには·····
「先生。結婚して下さい。」
「「「は?」」」
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