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番外編
わたくしと唐変木〜マリン視点〜(2)
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その日の放課後、皆が特Aに集まり(カルゼ様とアーシア様は帰宅で欠席)わたくしはシリル様に怪我の理由とアーシア様との関係を聞いた。
以前からモヤモヤしてたのよね。
「シーちゃ、アーシア嬢とはただの幼馴染みだ!
彼女を嫁にしたがるのなんてカルゼぐらいだから!!」
真っ青なお顔で言われるので嘘では無いようね。殿下も首がもげる勢いで頷いてるし。
そしてシリル様の怪我もアーシア様の鉄拳制裁で負ったとの事。
昨日顔だけ女の件でシリル様の迂闊な発言にキレて殴られ受身をしそこなったらしい。
·····わたくしもフィーラ様も顔を見合わせてしまった。
殿下とシリル様はビミョーに震えてるし、アジス様はちょっと困ったお顔。
大の男に全治一ヶ月の怪我させた話を困り顔ですませるアジス様って·····
今日の顛末を王都にきていたお父様とお母様に話すと
「王妃様が手を打つのが早かったわね。」
そうですわね。
これで勝手に婚約破棄をしてしまえば王家の意向を無視する形になってしまうわ。
お母様の横ではお父様が顔色をなくしてどこを見ているのかわからない顔で言う。
「すぐにアーシア嬢には謝罪の手紙を送りなさい。
やっぱりアーシア嬢とアジス殿はラゼントリオだった·····」
だからラゼントリオって何なのよ?!
それから半月後に騎士団長夫妻とシリル様が王都のフォルツ侯爵邸に今後の婚約をどうするかの話し合いに来られた。
「まずは愚息の愚かな行為を謝罪したい。
申し訳なかった。」
騎士団長夫妻とシリル様が部屋に入ってすぐにわたくし達に向かって頭を下げられました。
さすがにド肝が抜かれたわよ!
代々騎士団長を担っているダスティール家は、同じ侯爵の地位でもフォルツ家より上だもの。
その方々が入室してすぐに90度に頭を下げての謝罪をしてきたら、こっちはどうすればいいのよ?!
真っ先に立ち直ったのはお父様。
さすが国境将軍(拍手)
「と、とりあえずお座りください。」
上座を促すも騎士団長リンツ様は謝罪に来た身だからと下座に座られる。
初手からやりにくすぎるわ。
全然こっちがマウント取れないじゃない。
リンツ様はこちらに隙を与えずさらに続けた。
「マリン嬢は愚息との婚約を破棄したいと聞いている。
希望通りシリルとの婚約を破棄し慰謝料を払った後に養子に迎えた者と婚約して頂きたい。」
は?
何言ってるの?
「承りました。では慰謝料のお話をーー」
「お待ち下さい!」
お父様が承諾したのに衝撃を受けたけど、このまま話を進められるのは受け入れられないわよ!
「なんだ?」
なんだじゃありません!
「養子ってどういうことですの?
何故養子など·····
シリル様はどうなりますの?」
わたくしは混乱して支離滅裂な質問に答えたのはリンツ様。
「この婚約はダスティール家とフォルツ家の契約。
その契約を危うくさせた愚息は我が家から離籍し、契約を続行させる為にマリン嬢の婚約者となる男子を養子に迎えなければならない。
フォルツ家には契約変更とマリン嬢の心的負担をかけた分の慰謝料を支払わせて頂く。」
わたくしとの婚約がなくなればシリル様はダスティール家から離籍·····
痛い目を見ればいいと思っていたはずなのにどうしてこんなにも苦い気持ちになるのよ。
シリル様を見ると凪いだ表情。
特Aでのように少しは取り乱しなさいよ!
わたくしは数日前に受け取った手紙をテーブルの上に置いた。
「これをご覧下さい。」
父が封筒の蝋印を確認するとビクッと体を揺らす。
急いで中の手紙を読むがどんどん顔色が悪くなっていった。
リンツ様に渡して読むと難しいお顔になり両お母様も同じ。
それもそのはず。今渡したお手紙は王太子殿下からで、わたくしの意見を尊重するようにと書かれているのだから。
王太子殿下は第2王子も関係したこの件を気にしておられるのかわたくし宛てに送られてきた。
不服があった場合は使うようにとの事だったけど、本当に使う羽目になるなんて·····
「王太子殿下からのお手紙にもありますように、被害者であるわたくしの意見もお聞き下さい。
わたくしとシリル様の婚約は一旦白紙にして下さい。そして不婚の誓いをして頂き、卒業後は国境守備隊に入り努力次第で再婚約致しますわ。」
これならわたくしの溜飲も下がり、シリル様を離籍されること無く誠実さを試せる。
シリル様がまた浮気すればその時は心置きなく見切りを受けられると言うもの。
その時にはダスティール家の養子と結婚すればいいだけ。
「·····もう一度よく考えなさい。」
お父様?
「確かにシリル殿はお前に婚約者としての義務を全うしていたとは言い難い。
その上、男爵令嬢を傍に近づけた。
その責は侯爵が下したもので充分だと思うが?」
何を言ってるの?
そんな事をすればシリル様は平民になってしまうわ。
わたくしの案ならシリル様は後継者に残れるし、何年かすれば元に戻れる可能性もあるのよ?
「王太子殿下はわたくしの意見を尊重するようにとありました。」
お父様とリンツ様はしばらく考えてから頷かれた。
「侯爵、これで宜しいか?」
「仕方あるまい。王太子殿下が関与する可能性を考慮出来なかった我々の落ち度だ。
マリン嬢が望む通りにしよう。
シリルもよいな?」
「はい。マリン、本当にすまなかった。
どうか元気でいてくれ。」
何故今生の別れみたいな言い方してるのよ。
この人国境守備隊で人生終わらせる気なの?
もやもやが残ったけど一応無事話し合いは解決したと思ったのよ、この時は!
なのに学園でアーシア様から王太子殿下の目論見を聞かされ、もう一度ラゼントリオ邸でシリル様との話し合いになってしまったわ·····
あの話が本当ならわたくしの案はシリル様の命とわたくしの未来は不幸しかない。
貴族の家に生まれたけど夫を誰かと分ち会うのは無理なのよ。
だからこんな事になってるのに·····
約束の日、ラゼントリオ邸に来ました。
今日がわたくしの分水嶺!
悩んでいたせいでわたくしが最後になってしまい恐縮してしまったけど皆笑顔で許してくれた。
特にアーシア様の豹変ぶりが凄い。
一流の商人のように商品を説明し気がつけば何点か買ってしまったわ。
しかもこちらの懐事情を知っているかのように、お小遣いギリギリを狙ってきている。
悪魔のようなオーラを出したり、カルゼ様相手には空回りする可愛い面と、シリル様を叩きのめす騎士顔負けの部分があったりと万華鏡のような方だわ。(主にドン引き案件が多いけど)
商品を選んで一息ついたら別室に案内された。
室内にはわたくしとシリル様、二人きりにならないようにカルゼ様とアーシア様が付き添いになった。
「私達の事は装飾品だと思ってください。
ここで見聞きした事は外部に漏らしませんし後で誓約書も書きますから。」
あんな忠告をしてくれるアーシア様達を疑ってないわよ。
でも本音を言うとアジス様の方が心臓に優しいわ。
「マリンは何が知りたい?
俺の権限内であれば全て話す。」
シリル様に何が聞きたいか?
一番はやっぱり
「王太子殿下は本当にわたくしとフィーラ様を則妃に?
アーシア様が学園で仰っていたのは本当ですの?」
シリル様は聞かれると思ったのか、王室の秘密に関わる為予め沈黙の宣誓書を用意していた。
それをわたくしに差し出し
「これにサインしてくれれば話せる。」
と苦渋の表情でわたくしにペンを渡してくる。
これ、サインしたら駄目なやつでは?
でもしないとわたくしの将来は何も知らずに決められていくなら·····ええい、女は度胸よ!
やっぱりサインしたら駄目なヤツでした·····
サインしてからの話は衝撃の連続。
王太子殿下が妃殿下を側妃にしてフィーラ様を正妃、わたくしを側妃にする?
第二王子殿下とシリル様の命が狙われる?
この話は両陛下からで、王太子殿下は自分以外は駒としか思ってない?
えっ、あの深慮遠謀、温良篤厚と言われる皇太子殿下が?
そしてわたくし達の婚約は王太子殿下の王権強化を阻止するためらしい。
王太子殿下は王の器だけど慈悲がないから暴君にもなりえる恐れがあるとのこと。
「あの、この話いりました?」
今更ながら怖気付いて情けないけど、17の小娘なんだから仕方ないじゃない!
これって王家の闇部分よ!
「この話をしないとマリンの案でいったら側妃決定になる。
マリンが側妃になりたいならそれでいいんだが。」
そんなものなりたい訳ないじゃない!
関係ないけどシリル様ってこんなに喋れたのね。
そっちにも衝撃だわ。
「側妃には絶対になりたくありません。」
「なら父上の提案をのんで欲しい。」
では貴方は?
離籍されれば王太子殿下は放って置いてくれるの?
シリル様をじっと見つめてももう何も言ってくれなかった。
•*¨*•.¸¸♬︎
読んでいただきありがとうございますm(*_ _)m
話が長くなったので一旦切ります。
以前からモヤモヤしてたのよね。
「シーちゃ、アーシア嬢とはただの幼馴染みだ!
彼女を嫁にしたがるのなんてカルゼぐらいだから!!」
真っ青なお顔で言われるので嘘では無いようね。殿下も首がもげる勢いで頷いてるし。
そしてシリル様の怪我もアーシア様の鉄拳制裁で負ったとの事。
昨日顔だけ女の件でシリル様の迂闊な発言にキレて殴られ受身をしそこなったらしい。
·····わたくしもフィーラ様も顔を見合わせてしまった。
殿下とシリル様はビミョーに震えてるし、アジス様はちょっと困ったお顔。
大の男に全治一ヶ月の怪我させた話を困り顔ですませるアジス様って·····
今日の顛末を王都にきていたお父様とお母様に話すと
「王妃様が手を打つのが早かったわね。」
そうですわね。
これで勝手に婚約破棄をしてしまえば王家の意向を無視する形になってしまうわ。
お母様の横ではお父様が顔色をなくしてどこを見ているのかわからない顔で言う。
「すぐにアーシア嬢には謝罪の手紙を送りなさい。
やっぱりアーシア嬢とアジス殿はラゼントリオだった·····」
だからラゼントリオって何なのよ?!
それから半月後に騎士団長夫妻とシリル様が王都のフォルツ侯爵邸に今後の婚約をどうするかの話し合いに来られた。
「まずは愚息の愚かな行為を謝罪したい。
申し訳なかった。」
騎士団長夫妻とシリル様が部屋に入ってすぐにわたくし達に向かって頭を下げられました。
さすがにド肝が抜かれたわよ!
代々騎士団長を担っているダスティール家は、同じ侯爵の地位でもフォルツ家より上だもの。
その方々が入室してすぐに90度に頭を下げての謝罪をしてきたら、こっちはどうすればいいのよ?!
真っ先に立ち直ったのはお父様。
さすが国境将軍(拍手)
「と、とりあえずお座りください。」
上座を促すも騎士団長リンツ様は謝罪に来た身だからと下座に座られる。
初手からやりにくすぎるわ。
全然こっちがマウント取れないじゃない。
リンツ様はこちらに隙を与えずさらに続けた。
「マリン嬢は愚息との婚約を破棄したいと聞いている。
希望通りシリルとの婚約を破棄し慰謝料を払った後に養子に迎えた者と婚約して頂きたい。」
は?
何言ってるの?
「承りました。では慰謝料のお話をーー」
「お待ち下さい!」
お父様が承諾したのに衝撃を受けたけど、このまま話を進められるのは受け入れられないわよ!
「なんだ?」
なんだじゃありません!
「養子ってどういうことですの?
何故養子など·····
シリル様はどうなりますの?」
わたくしは混乱して支離滅裂な質問に答えたのはリンツ様。
「この婚約はダスティール家とフォルツ家の契約。
その契約を危うくさせた愚息は我が家から離籍し、契約を続行させる為にマリン嬢の婚約者となる男子を養子に迎えなければならない。
フォルツ家には契約変更とマリン嬢の心的負担をかけた分の慰謝料を支払わせて頂く。」
わたくしとの婚約がなくなればシリル様はダスティール家から離籍·····
痛い目を見ればいいと思っていたはずなのにどうしてこんなにも苦い気持ちになるのよ。
シリル様を見ると凪いだ表情。
特Aでのように少しは取り乱しなさいよ!
わたくしは数日前に受け取った手紙をテーブルの上に置いた。
「これをご覧下さい。」
父が封筒の蝋印を確認するとビクッと体を揺らす。
急いで中の手紙を読むがどんどん顔色が悪くなっていった。
リンツ様に渡して読むと難しいお顔になり両お母様も同じ。
それもそのはず。今渡したお手紙は王太子殿下からで、わたくしの意見を尊重するようにと書かれているのだから。
王太子殿下は第2王子も関係したこの件を気にしておられるのかわたくし宛てに送られてきた。
不服があった場合は使うようにとの事だったけど、本当に使う羽目になるなんて·····
「王太子殿下からのお手紙にもありますように、被害者であるわたくしの意見もお聞き下さい。
わたくしとシリル様の婚約は一旦白紙にして下さい。そして不婚の誓いをして頂き、卒業後は国境守備隊に入り努力次第で再婚約致しますわ。」
これならわたくしの溜飲も下がり、シリル様を離籍されること無く誠実さを試せる。
シリル様がまた浮気すればその時は心置きなく見切りを受けられると言うもの。
その時にはダスティール家の養子と結婚すればいいだけ。
「·····もう一度よく考えなさい。」
お父様?
「確かにシリル殿はお前に婚約者としての義務を全うしていたとは言い難い。
その上、男爵令嬢を傍に近づけた。
その責は侯爵が下したもので充分だと思うが?」
何を言ってるの?
そんな事をすればシリル様は平民になってしまうわ。
わたくしの案ならシリル様は後継者に残れるし、何年かすれば元に戻れる可能性もあるのよ?
「王太子殿下はわたくしの意見を尊重するようにとありました。」
お父様とリンツ様はしばらく考えてから頷かれた。
「侯爵、これで宜しいか?」
「仕方あるまい。王太子殿下が関与する可能性を考慮出来なかった我々の落ち度だ。
マリン嬢が望む通りにしよう。
シリルもよいな?」
「はい。マリン、本当にすまなかった。
どうか元気でいてくれ。」
何故今生の別れみたいな言い方してるのよ。
この人国境守備隊で人生終わらせる気なの?
もやもやが残ったけど一応無事話し合いは解決したと思ったのよ、この時は!
なのに学園でアーシア様から王太子殿下の目論見を聞かされ、もう一度ラゼントリオ邸でシリル様との話し合いになってしまったわ·····
あの話が本当ならわたくしの案はシリル様の命とわたくしの未来は不幸しかない。
貴族の家に生まれたけど夫を誰かと分ち会うのは無理なのよ。
だからこんな事になってるのに·····
約束の日、ラゼントリオ邸に来ました。
今日がわたくしの分水嶺!
悩んでいたせいでわたくしが最後になってしまい恐縮してしまったけど皆笑顔で許してくれた。
特にアーシア様の豹変ぶりが凄い。
一流の商人のように商品を説明し気がつけば何点か買ってしまったわ。
しかもこちらの懐事情を知っているかのように、お小遣いギリギリを狙ってきている。
悪魔のようなオーラを出したり、カルゼ様相手には空回りする可愛い面と、シリル様を叩きのめす騎士顔負けの部分があったりと万華鏡のような方だわ。(主にドン引き案件が多いけど)
商品を選んで一息ついたら別室に案内された。
室内にはわたくしとシリル様、二人きりにならないようにカルゼ様とアーシア様が付き添いになった。
「私達の事は装飾品だと思ってください。
ここで見聞きした事は外部に漏らしませんし後で誓約書も書きますから。」
あんな忠告をしてくれるアーシア様達を疑ってないわよ。
でも本音を言うとアジス様の方が心臓に優しいわ。
「マリンは何が知りたい?
俺の権限内であれば全て話す。」
シリル様に何が聞きたいか?
一番はやっぱり
「王太子殿下は本当にわたくしとフィーラ様を則妃に?
アーシア様が学園で仰っていたのは本当ですの?」
シリル様は聞かれると思ったのか、王室の秘密に関わる為予め沈黙の宣誓書を用意していた。
それをわたくしに差し出し
「これにサインしてくれれば話せる。」
と苦渋の表情でわたくしにペンを渡してくる。
これ、サインしたら駄目なやつでは?
でもしないとわたくしの将来は何も知らずに決められていくなら·····ええい、女は度胸よ!
やっぱりサインしたら駄目なヤツでした·····
サインしてからの話は衝撃の連続。
王太子殿下が妃殿下を側妃にしてフィーラ様を正妃、わたくしを側妃にする?
第二王子殿下とシリル様の命が狙われる?
この話は両陛下からで、王太子殿下は自分以外は駒としか思ってない?
えっ、あの深慮遠謀、温良篤厚と言われる皇太子殿下が?
そしてわたくし達の婚約は王太子殿下の王権強化を阻止するためらしい。
王太子殿下は王の器だけど慈悲がないから暴君にもなりえる恐れがあるとのこと。
「あの、この話いりました?」
今更ながら怖気付いて情けないけど、17の小娘なんだから仕方ないじゃない!
これって王家の闇部分よ!
「この話をしないとマリンの案でいったら側妃決定になる。
マリンが側妃になりたいならそれでいいんだが。」
そんなものなりたい訳ないじゃない!
関係ないけどシリル様ってこんなに喋れたのね。
そっちにも衝撃だわ。
「側妃には絶対になりたくありません。」
「なら父上の提案をのんで欲しい。」
では貴方は?
離籍されれば王太子殿下は放って置いてくれるの?
シリル様をじっと見つめてももう何も言ってくれなかった。
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