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8、『無限の水牙』1
しおりを挟む私達は戦闘が起きているであろう場所へ走る、森を抜けた後、徐々に馬車を守るように立ちはだかる商人達、それを包囲している人相が悪い男達が見えてきた。
数人しかいない商人に対して適当に数えても十人以上は確実にいる、全員、剣やナイフを構え、商人達につきつけている、ボサボサの髪、不潔な身体、一目で真っ当な人種では無い事がわかる。
………なぜ、魔物と勘違いしたのかと、疑問に思っていたら……どうやら間違いでないらしい、少し遠かったのと、気が急いていたので、一人に一匹はついているスライム達のせいで魔物と勘違いしてしまったらしい。
「ブハッッ、護衛に逃げられるなんて運が無いなアンタら」
「あの腰抜けども、俺たちが『無限の水牙』だって知ったら尻尾巻いて逃げやがった」
「俺達も相当有名になっちまったようだな」
「護衛を頼んだ冒険者達に裏切られて、丸裸同然の商人様方ぁ~、今どんな気分だ?、泣き叫びたいか?、怒髪天ついてるか?、どっちにしてもお前らはここで俺らに身包み全部剥がされるんだぜぇ~」
狩りの成功を確信した男達は下品に嘲笑う、包囲されている商人達は棍棒や包丁などの護身用の武器を構えてはいるが、全員震えている、それはそうだ、冒険者ですら逃げ出す盗賊達に商人の自分達が勝てるわけがないと悟っているからだ。
「お?、へへへ、こりゃいいや、上玉の女もいるじゃねぇか……」
「ーーー嫌、こないで!!」
「へへへ、そうツンケンすんなよ、スライムを使ったヌルヌルプレイで俺が気持ちよく喘がせてーーー」
『ーーー反動加速砲』
商人の中にいた若い女に目をつけた盗賊の男、女性の手を掴み、無理やり引っ張る。
「その汚い手を離せ」
「あ?」
『砲身鉄拳制裁!!』
「ーーーガッッッッッ??!!!!」
もはや一刻の猶予も無いと判断した私は背中から砲身を展開し、魔力を放出して、前方へ吹っ飛ぶ、女性に迫っている盗賊の前に躍り出るリフィル、いきなり現れた私に驚いている盗賊の男、隣についていたスライムが飛び出してきて、盾のように形状が変化する、しかし、そんなもん知るかと言わんばかりにスライムごと、巨大な砲身とかした腕で相手の鼻っ面を思いきりぶん殴る、派手に血を噴きながら宙を舞う男…………意外と硬かった………。
「ーーーキャッッッ」
「ーーーおっと………大丈夫ですか?」
「え?、あ、はい……大丈夫です……♡」
女性の腕を掴んでいる盗賊を吹っ飛ばすのには成功したが、そのせいで近くにいた女性は腰を抜かしそうになる、私は咄嗟に倒れそうになる彼女を支える………よっぽど怖かったのだろう、赤みを帯びた頬、潤んだ瞳で私を呆然と眺めている。
「危ないから私の後ろに下がってて」
「わ、わかりました♡」
私の指示に従って後ろに下がる女性。
「な、何だテメェは!!」
「どっから湧いてきやがった」
盗賊達はいきなり出てきた私に動揺を隠せない………既に荒らされている商品や縄で縛られている女の人が目に入る………。
「お?、良く見りゃ良い女じゃねぇか??!、とっ捕まえて奴隷として売り捌くか俺たちの慰め物にしてやるぜ」
「清々しいまでのクズ共だね」
「あ?、おいおい、姉ちゃん、この人数相手にあんまり舐めたこと言わねぇ方がいいぜ」
「この場で即、俺達全員でまわしてやろうか?、ギャハハハハ」
「………少し燃えてきた」
ーーーーーーーーーーー
不意に体から砲身を出して目にも止まらない速さで前方へとすっ飛んでいくリフィル、全速力で走って何とか件の場所へ追いついた俺。
「「「「死ねッッッッ!!」」」
『ーーー発心皮膚武器全展開、魔硬化工程完了……』
多勢に無勢で盗賊達がリフィルに一斉に剣を振り下ろす、当たる直前に何かを呟くが時既に遅し、全ての剣をモロにくらう彼女。
「リーー、リフィル!!!」
「へへへへ」
「威勢の割には大したことはねぇじゃねぇか……」
俺は思わず声を上げてしまう、盗賊達は盗賊達で倒したことを確信して、地面に唾を吐く。
「『歪・鉄屑針鼠』……貴方達が?」
「「「なッッッッッッ??!!」」」
全身を膾に切り刻まれたリフィルの姿を幻視した俺の視界に入ってきたのは、全身から剣、槍、斧、鎌、砲身、多種多様、様々な武器を針鼠のように生やし、相手の攻撃を防いでいるリフィルの姿だった。
「ーーなんだコイツ化け物か??!!」
『ーーー全武器砲身、発射準備完了………一斉射撃』
「ーーーー痛ッッッッッ??!!」
短い詠唱を完了した刹那、全身の武器達が一斉に発射され、リフィルの周りにいた盗賊達を蹴散らし、吹っ飛ばす………一応、お供のスライム達が間に入り、クッションになることで致命傷には至っていない、しかし、威力を完全に殺し切ること叶わず、腕や脚を持っていかれてる奴も少なからずいた………盗賊達の殆どはルーガスが追いつくまでに倒してしまったようだ。
「く、クソッッッ!!、トサカにキタぜ!!!、俺たちがなぜ『無限の水牙』と呼ばれるか、とくと教えてやる!!!!!」
「?」
「合体しろ!!、エターナルスライム!!!」
盗賊の最後の一人が笛を吹いたと思ったら、盗賊一人一人についていたスライム達が集結、徐々につながって大きくなっていく。
「何かと思ったら、ただデカいだけのスライムかよ」
「へへへ、こいつを侮ると痛い目見るぜ姉ちゃん………増殖だ!!!」
「増殖?」
盗賊の男がスライムに叫ぶと、大きなスライムからどんどん小さいスライムが生み出されていく………。
「へへへ、どうだ、こいつはこの近くのダンジョン、『終わりなき園』で捕まえた、無限に分身を作り出すスライムだ!!、無限増殖をするには一度、全部のスライムを集めた後じゃねぇと仕えねぇがな………さっきまでいた護衛達もこいつをどうすることもできないで逃げちまったんだぜ?」
「…………ーーー発心皮膚武器全展開、魔硬化工程完了、全武器砲身、発射準備完了………一斉射撃」
すぐさま、スライムの群れに向かって、先ほどと同じような攻撃をするリフィル………しかし。
「無駄無駄無駄ぁ!!!」
「………まじか」
無数のスライムを倒す事に成功、しかし当たる瞬間にスライムは自身の体を硬質化、普通のスライムだったらそのまま奥まで一気に貫通していくが、硬化されてしまったので、前列にいるスライムしか倒せていない………奥の大きいスライムから新たなスライムが湧き出てくる………。
「無駄だぜぇ、テイムアイテムを持っている俺か、本体を倒さない限り、分身のスライムはいくらでも湧いて出てくる………さぁ、観念しな!!」
「誰がするか!!」
挑発してくる盗賊の男、再度、武器を展開するリフィル。
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