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ルーガス有給編
60、迷い狼
しおりを挟む「えっと、これがあそこで、あの建物がここだから………」
「……迷うなんてほんと信じられない!!」
「し、仕方ないだろッッッ!!、俺だって初めてきたんだから!!!」
「ハッッ、エスコートに失敗したからってレディーに逆ギレ?」
「そんなに文句があるなら何でついてきたんだよ!!、俺の有休消化にお前がついてくる必要ないだろ!!!」
「べ、別に大した意味はないわよ\\\、ち、小さいことをいつまでもグチグチ、あーあーこれだからモテない男は……」
「………お前だってヤンチャすぎて嫁の貰い手ついてないじゃねぇか」
「なんか言った?」
「何か聞こえましたかお嬢様?」
「オーケー、ゴングを鳴らしたのアンタだからね………」
「そこのカップル、落ち着きなさいって、道に迷ったって言うなら私が案内してあげる」
「かかかかかカップル??!!、ナナナナナンデ私がこんなウスラトンカチと\\\\\」
「勘違いだ、俺とこいつはそういうのじゃーーーっってイヴ??!!!\\\」
「……ってあれ?、ルーガスにルフ様じゃん、何してんのこんな所で?」
休日中、気晴らしに散歩してると道の真ん中で喧嘩している男女がいた、話を聞いた限り、どうやら道に迷ってしまったらしい、イライラしてる二人は口喧嘩の後、女性の方は今にも男に飛びかかりそうになった瞬間、声をかけた…近くでよく見ると前に人狼国で会った人狼族の王女様ルフとその護衛のルーガスだった。
「そ、そのゆ、有給がたまってるから使えって、上司に言われてな、どうせならまとめて使って旅行にきたんだ……\\\\」
「ああ、なるほどね………あれ?、有給中なのにルフ様が一緒なのはなんで?」
「それが、勝手に俺についてきたんーーーー」
「ーーーーなんか文句あるの二人共」
「「………無問題です、ルフ様……」」
疑問に返答してくれるルーガス、だがさらに沸いた疑問をぶつける私、ルーガスが再度堪えようとすると、顔が真っ赤に染めて、鬼の形相を浮かべるルフが途中で暗に黙れと言ってきたので、異口同音でこの話題を速攻流す私とルーガス。
「で、二人とも何処を目指してるの?」
「いや、観光にきただけだから……そ、その、目的地とかは特にないんだけど………\\\」
「ん?、そうなん?、でも観光ならわざわざここじゃなくて、少し遠いけど声も見た目も綺麗な歌姫がいる国とか水路が入り巡ってる国とかいけばよかったのに、そういう観光名所と比べるとあんまり見るところないぜ?」
「べ、別に適当に選んだところがこの国だっただけだ、特別深い意味はない\\\\\」
「ふーーーん………あ、もしかして私ーーー」
「ーーーーッッッッッち、違うッッッ!!!、本当の本当に適当に選んだだけだッッッッッ!!!べ、別にお前に会えるかもとかそんなことは微塵も思ってないッッッッッッ!!!!」
「………『私』としか言ってないんだけど♪」
「ーーーッッッ\\\\\\、あ、いや、その……\\\\\\」
とりあえず二人の目的地がわからなければどうしようもないという事で聞くも、目的地がないと言うルーガス、そこで新たに生まれた疑問を投げかけると、そっぽを向きながらそっけなく返答するルーガス……しかし私は見えていた、彼が顔を赤くしてるのを………試しにカマをかけてみると簡単に誘導尋問に引っかかるルーガス。
「ーーーープッッッ、やっぱ可愛いねルー君は」
「だ、だからルー君はーーーー」
「ーーーじゃあ英雄の像が立ってる広場に案内してくれるかしらッッッッッッ!!!」
「ーーーッッッ??!!……あ、は、はいルフ様……」
赤面してる彼が可愛く、面白かったので思わず吹きしてしまう私、ルーガスが抗議を言い切る前にルフが声を割り込ませた、同時に体を私とルーガスの間に入れ、私は少しのけぞってしまう。
(………よりによって私の前でルーガスとイチャイチャしやがって……)
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