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魔物大群編
44、白騎士vsハーパー
しおりを挟む「なんとか言ったらどうだい」
「……………」
「………話す価値なしってか?、随分と調子に乗ってくれるじゃないか」
ハーパーが闖入者に話しかけるも無言を貫く純白の騎士………。
(………王族とかに俺の実力を知られると面倒くさいから適当に鎧で変装したんだが………まさかソフィが王女様なんて………どうしよう中出ししちゃったよ…………)
全く動揺せず、ハーパーなど眼中にも無いという風に周りには見えたが、白騎士の正体の俺は結構動揺していた………。
「…………」
「あくまで名乗らないってか……」
急いで変装した事やソフィが王女とかで、結構混乱している…………その心の乱れを気づかせないために無言を貫くという稚拙な誤魔化しが図らずとも相手を挑発する結果につながっている………。
「……………答えが聞きたいなら剣で問え………俺はコイツで答えてやる…………」
「いうねぇ………すぐ消し炭にしてやるよ!!!!」
取り敢えず、クールな強キャラって感じのキャラコンセプトで喋ることにした俺………ハーパーは上等といった様子で返答し、体から炎の魔力がゴウっと燃え上がる………。
「ーーーそらそらぁぁッッッ!!!!」
「………」
炎の剣を縦横無尽に俺を襲ってくる………右から左から、下から上から攻めてくる……相手の攻撃を剣で防ぐも、剣が纏っている炎が形を変えて俺の剣の防御をすり抜けて攻撃してくる……体に直撃する寸前に気づいた俺はなんとか躱す………一旦距離を離そうとバックステップをするが、ハーパーは逃すかと言わんばかりに追撃をしてくる………
「………仕方ないか……………『式神召喚……光道十二宮……獅子座……」
「??!!」
流石に魔界七将、単純な身体能力だけでは苦戦しそうなので式神を使う事にする…………………いくら変装しても十二天将を使ったら白騎士=エクティス・ウォーカーという図式が成り立ってしまう……なので十二天将と同等の力を持つ式神達、『光道十二宮』を召喚する………俺の前に獅子座が出現する………星座からズズッと星の光を身に纏った白銀の獅子が這い出てくる…………そのまま獅子を俺の体に憑依させ、強化する………。
「………」
「ーーーッッと、思ったよりやるじゃないか……」
「………獅子咆哮」
「ーーーーッッッッッ???!!!……ガハッッ……」
俺は正しく獣の王の如く脚力で相手の懐に一瞬で詰め寄り、斬り込む………ハーパーはなんとか反応し、防ぎ、鍔迫り合いになる………その瞬間、魔力を剣にこめ、必殺の一撃を叩き込む、獅子の頭のような斬撃はハーパーを飲み込み、そのまま壁まで吹っ飛ばす…………。
「……強いねあんた……」
「……退け……その傷では俺には勝てん………」
「……悔しいけど、そうみたいね………」
そう呟くとハーパーの姿は夢幻のように消えていく……脱出のためのスキルかアイテムを使ったのだろう……取り敢えず急場は凌いだ。
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