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序章『New Arkadia Frontierへようこそ』
12話
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今、僕はスライムコアの研究をしている。
昨今のNAFを騒がせているプレイヤー乗っ取り問題。
その中でも一番被害の大きい物がこちら、スライムコアを摂取することで起きる血中スラ度による中毒だ。
単純な話、あいつらはコアの中心に液体に近い水分があればそいつを操れる能力を持つ。それが人間の体液であろうと血液であろうとも。
コアが眠ってる状態で空腹を満たそうとそのまま食べるプレイヤーも案外いるのだ。しかしこれが何故か止められないでいる理由。
案外イケるから、らしい。
実際のところスライムコアは美味いとは掲示板でまことしやかに流されている。その上空腹度の回復という実験により、コアは食べ物という認識が一部NAFプレイヤーに植え付けられていた。
まだこれといって被害者は出ていないが、過去のデータを知る僕は恐々としている。
実際はコア=スライムの素体な訳だ。
もちろんよく噛んで消化しようとも肉体に溶け込んだスライムが虎視眈々と復活できるチャンスを窺って眠ってるだけ。
それらを含めて目に見えないマスクデータに『血中スラ度』なる物があるのではないか? と被害者は語るのだ。
僕はPC時代に実験でやらかしたので、当時の衝撃は未だに覚えている。
突然<ムーンライトはスライムに乗っ取られました>などポップアップしてブラックアウト、オープニング画面に戻り再び続きをあそぼうとしたらデータが消えて最初からとなったのは衝撃だった。
課金ゲームだったので返金を訴えようと運営に掛け合ったら、「仕様です」とバッサリ切られ、掲示板に呼びかけた事を覚えている。
当時ゲーム内でスライムコア=ゴミの認識だったので、空腹を満たそうって概念のプレイヤーは居なかった。
むしろ訴えた僕の方が変わり者みたいに笑われたのを覚えているよ。
でもそんな訴えを本当かどうか確かめようとしたプレイヤーがいた。
キャラデータ消えるから辞めとけと言ったのに、課金してるからどこか大丈夫って気持ちがあったんだろう。
そいつは実験後見事キャラロストし、運営に訴えるも僕と同じ返答を頂いてゲームを辞めた。
つまり大事に育てたキャラであろうと、どんなに重課金しようが運営はキャラロストに関しては巻き戻すという対処をしなかったのだ。
それ自体は少し「ここの運営やばくね?」と不安を煽る程度で済んだのだが、ゲームが進行するたびにやがて暗黒面に直面する。
スライムコアはキッカケに過ぎなかったのだ。
寄生して体内に蓄積し、プレイヤーを乗っ取る存在は他にもいた。
しかもプレイヤーがどれだけ対処したって無駄であると言わんばかりに頻発するキャラロスト。
やがてゲームから人が離れていき、サービス終了を迎えた。
これが僕の知るPC版NAFの全て。
サービス終了には立ち会えなかったけど、ゲームから人が消え去って、残された人たちがそれぞれ自分の道を極めた場所には居合わせたからね。
僕がリアルの都合で辞めるって言った時は引き止められたなぁ。
それぐらい彼らとは素性を知らないながらも長いお付き合いをしていたのだ。顔を合わせれば挨拶するくらいにはね。
なので人が減った原因でもある『寄生体』に対処すべく僕は重い腰を上げたのである。
「それで、こちらがスライムコアを用いたゼリー精製機ですか?」
「うん」
うぐぐいすさんが正気か? みたいな顔で僕とゼリー精製機を見比べる。彼女もまたPC時代に痛い目を見たのだろう。
今のキャラデータを失うには惜しいとさえ思っているのか、それらで作ったゼリーに手をつけようとはしなかった。
「僕は思ったんだ。なまじ食べれたのが問題だと」
「ええ、ですが乗っ取られたらデータロスの危険性があります」
「なのでまずはこちらを作った」
僕は胸ポケットから一枚の細長い紙を出した。
「これは?」
「モンスターを認識すると色が変わる紙だ」
「はぁ……」
うぐぐいすさんがそっちの方が人気が出るのでは? という顔をする。確かに寄生型のモンスターは休眠状態であろうともプレイヤーに蓄積する事で攻撃に近い行動を取ってくる。
これを持って光ったら危険だという印にもなるだろう。
うぐぐいすさんは個人的にこちらを購入できないかを仕掛けてきたので後で予備をお渡しすることになった。
ではここで実験の効果をお見せする。
まずはゼリー精製機にコアをセット。
これはなんでもいい。容器は全てのスライムに対応してるので、柔らかめならレッドコア、プルンプルンならブルーコア、硬めでつるんとした食感ならグリーンコアを用いると良さそうだ。
ちなみに容器の製作はニャッキさんやワンコ狼さん、茶豆さん、バリー藤堂さんが関わっている。
本日のお披露目も彼ら付き添いのもと行われている。
しかしニャッキさんがまだ懸念材料があると挙手をした。
「もしその加工が可能なら、下水道に紛れ込んだ奴も再び浄化水として再利用可能なのか?」
「それなりにコアを取り除けば可能です。しかしコアを分離させる施設の設置が手間と言いますか」
「可能か不可能かで聞いている! それ以外のことはいくらでも後から投資でもなんでもする!」
その気迫にびっくりし、僕は息を呑んだ。
彼に取ってこの街は理想郷、実際の水道工事のノウハウを注ぎ込んだ理想系。しかし現実には存在しないモンスターのおかげで苦労は絶えない。そんなニャッキさんの期待を一身に受け、それでも僕は可能だと答えた。
「なら良し! 俺はさ、ムーン君。あいつらに一番煮え湯を飲まされてきたんだ。もし可能だとしたら、よくやってくれたと褒めてもいい。あ、投資しようか? いくら欲しい?」
「間に合ってますので、そちらはこの実験結果を見てからでお願いします」
「おっと、そうだった。我ながら興奮しやすくて参るね」
「それで、ムーンさん、ひとつづつ工程を教えてもらえるのよね?」
「勿論です」
都コンブさんに促され、僕はコアからどれだけ距離を離せば水分をコントロール出来なくなるかを披露した。
「2メートル……それがスライムの支配領域です」
「それじゃあ人間なんてまさに乗っ取るのに打って付けってわけね」
「寄生できるなら大型の肉食獣も、と考えていたが、奴らが行動を起こさなかったのはそこに至るのか」
「ええ。ですが距離を取るだけでは完全なるゼリー体を維持できません。再びジュースに逆戻りです」
「そこでセンパイの実験が生きてくるのですね?」
うぐぐいすさんがメモを走らせ、次の言葉を待つ。
ここからがこの実験の真骨頂だ。
僕はスライムコアの設置してある容器にあるボタンを押した。
するとそこだけ回転する。
「回った?」
「え、これだけ?」
「回したら上からジュースを流しますから見ててくださいね。スライムに支配されてる状態だと紙が光ります。今回は紙が反応しない場所でゼリーがどうなっているのか見てもらうテストです」
上からジュースを流す。
下にあるコアの半径二メートル付近に近づくとジュースが一旦止まった。これがスライム種の恐ろしい支配能力『液体使役』だ。
しかし流したジュースも上から圧力が掛けられるようになっていて、コアの力でも制御出来ない。
あとは支配領域内で出したゼリーから敵性反応が出るかのチェックをしてもらえればOK。
紙は光ってないので安全だ。ゼリーが一人でに動き出す様子も見せない。
ただスライムの特性である液体支配を逆手に取った方法。
コアそのものは真空管に保存してあるので実体化しようもないんだ。それでも液体を操りかねないので電波を拡散させるために回している。
これは実験の途中で気が付いたのだけど、スライムのコアって体を動かす際、真っ直ぐ同じ方向を向くんだよね。
意識的なのかわからないけど。
じゃあ回転させたらどうなるだろうと思ったら、ゼリー化した液体が動き出すことがなくなったんだ。
もしかしてこれ使えるんじゃないか? と、急遽こんなものを作ったのだ。
なお、ジュースにして飲みたい場合は2メートル離せばいいだけ。
ゼリーにしたいなら圏内に戻ってくればいいだけだ。
コアが遠隔分離中ならゼリーが動き出すことはないので安心だ。
「これ、大発見じゃないですか?」
危険はないと知ったうぐぐいすさんがいろんなジュースを入れてゼリーにして楽しんでいる。
クランメンバーもコアを入れ替えながら自分の好みを追求していた。
「ちなみにこれはみんなに見せる用だから、小型化させたものを産業革命さんに作ってもらうつもりだよ。コアは回してれば体積を減らしていくので、水を与えてからキルすれば再利用できる」
「スライムに対する容赦なさが実にムーン君らしい。君も被害にあった口だものね」
「僕はあいつらにキャラを50以上消滅させられてますので。可愛さ余って憎さ100倍だったんです。ようやく見返すことができました」
「そういえば会うたびに後ろにつく番号が増えてると思った」
「あれは中身一緒だったのだなぁ、なりすましなのかと思ってたぜ」
「いやぁ、ムーンライト君の奇行を成りすましてまで実行する変人そうそういないでしょ」
「ハハハハ、確かに言われてみればそうだ」
ちょ、バリーさん。途中までいい雰囲気だったのにどうして最後で台無しにするかなぁ。
ちなみにゼリー精製機の現物はミーシャのお店に置かせてもらっている。
デカ過ぎてクランでも持て余すのがネックだったが、スライム食に興味があった彼女にはうってつけだったようだ。
提供されるデザートはもれなく毒が、それでもつるんとした喉越しは蒸し暑い今の時期にはもってこいの涼菓となった。
これでスライムによる被害が少しでも減ってくれるなら良いけどね。
まだまだ目に見えない脅威が転がってるのがNAFの面白くも奥深いところだ。
◇
必要ないといっていたのに、いつのまにかリアルマネーで10万相当の投資がニャッキさんからされていた。
VR版で実装された投げ銭機能。
課金者が運営会社から課金額に応じて貰えるコインは、自分以外の誰かに投資する事でランキングに名前が反映される仕組み。
なんだかんだで大手クランのマスターはランキングの常連だ。
その中で群を抜いてトップを取ってるのは何故か僕。
掲示板では運営のやらせではないかと声が上がっているが、事実である。
そのうちの9割がうぐぐいすさん。彼女曰く推し活との事で、僕はありがたくいただいて生活費の足しにしている。
ただ、それもあってか日に日に周囲からの『早くくっつけ』アピールがうざいくらいにまとわりついているので、さらに外堀が埋まる前にとっとと婚姻届を市役所に出したほうが身のためでは? と思う僕だった。
彼女に聞くと「いつでも大丈夫です!」って返してくれるので、その好意に甘えすぎてしまうんだよね。
昨今のNAFを騒がせているプレイヤー乗っ取り問題。
その中でも一番被害の大きい物がこちら、スライムコアを摂取することで起きる血中スラ度による中毒だ。
単純な話、あいつらはコアの中心に液体に近い水分があればそいつを操れる能力を持つ。それが人間の体液であろうと血液であろうとも。
コアが眠ってる状態で空腹を満たそうとそのまま食べるプレイヤーも案外いるのだ。しかしこれが何故か止められないでいる理由。
案外イケるから、らしい。
実際のところスライムコアは美味いとは掲示板でまことしやかに流されている。その上空腹度の回復という実験により、コアは食べ物という認識が一部NAFプレイヤーに植え付けられていた。
まだこれといって被害者は出ていないが、過去のデータを知る僕は恐々としている。
実際はコア=スライムの素体な訳だ。
もちろんよく噛んで消化しようとも肉体に溶け込んだスライムが虎視眈々と復活できるチャンスを窺って眠ってるだけ。
それらを含めて目に見えないマスクデータに『血中スラ度』なる物があるのではないか? と被害者は語るのだ。
僕はPC時代に実験でやらかしたので、当時の衝撃は未だに覚えている。
突然<ムーンライトはスライムに乗っ取られました>などポップアップしてブラックアウト、オープニング画面に戻り再び続きをあそぼうとしたらデータが消えて最初からとなったのは衝撃だった。
課金ゲームだったので返金を訴えようと運営に掛け合ったら、「仕様です」とバッサリ切られ、掲示板に呼びかけた事を覚えている。
当時ゲーム内でスライムコア=ゴミの認識だったので、空腹を満たそうって概念のプレイヤーは居なかった。
むしろ訴えた僕の方が変わり者みたいに笑われたのを覚えているよ。
でもそんな訴えを本当かどうか確かめようとしたプレイヤーがいた。
キャラデータ消えるから辞めとけと言ったのに、課金してるからどこか大丈夫って気持ちがあったんだろう。
そいつは実験後見事キャラロストし、運営に訴えるも僕と同じ返答を頂いてゲームを辞めた。
つまり大事に育てたキャラであろうと、どんなに重課金しようが運営はキャラロストに関しては巻き戻すという対処をしなかったのだ。
それ自体は少し「ここの運営やばくね?」と不安を煽る程度で済んだのだが、ゲームが進行するたびにやがて暗黒面に直面する。
スライムコアはキッカケに過ぎなかったのだ。
寄生して体内に蓄積し、プレイヤーを乗っ取る存在は他にもいた。
しかもプレイヤーがどれだけ対処したって無駄であると言わんばかりに頻発するキャラロスト。
やがてゲームから人が離れていき、サービス終了を迎えた。
これが僕の知るPC版NAFの全て。
サービス終了には立ち会えなかったけど、ゲームから人が消え去って、残された人たちがそれぞれ自分の道を極めた場所には居合わせたからね。
僕がリアルの都合で辞めるって言った時は引き止められたなぁ。
それぐらい彼らとは素性を知らないながらも長いお付き合いをしていたのだ。顔を合わせれば挨拶するくらいにはね。
なので人が減った原因でもある『寄生体』に対処すべく僕は重い腰を上げたのである。
「それで、こちらがスライムコアを用いたゼリー精製機ですか?」
「うん」
うぐぐいすさんが正気か? みたいな顔で僕とゼリー精製機を見比べる。彼女もまたPC時代に痛い目を見たのだろう。
今のキャラデータを失うには惜しいとさえ思っているのか、それらで作ったゼリーに手をつけようとはしなかった。
「僕は思ったんだ。なまじ食べれたのが問題だと」
「ええ、ですが乗っ取られたらデータロスの危険性があります」
「なのでまずはこちらを作った」
僕は胸ポケットから一枚の細長い紙を出した。
「これは?」
「モンスターを認識すると色が変わる紙だ」
「はぁ……」
うぐぐいすさんがそっちの方が人気が出るのでは? という顔をする。確かに寄生型のモンスターは休眠状態であろうともプレイヤーに蓄積する事で攻撃に近い行動を取ってくる。
これを持って光ったら危険だという印にもなるだろう。
うぐぐいすさんは個人的にこちらを購入できないかを仕掛けてきたので後で予備をお渡しすることになった。
ではここで実験の効果をお見せする。
まずはゼリー精製機にコアをセット。
これはなんでもいい。容器は全てのスライムに対応してるので、柔らかめならレッドコア、プルンプルンならブルーコア、硬めでつるんとした食感ならグリーンコアを用いると良さそうだ。
ちなみに容器の製作はニャッキさんやワンコ狼さん、茶豆さん、バリー藤堂さんが関わっている。
本日のお披露目も彼ら付き添いのもと行われている。
しかしニャッキさんがまだ懸念材料があると挙手をした。
「もしその加工が可能なら、下水道に紛れ込んだ奴も再び浄化水として再利用可能なのか?」
「それなりにコアを取り除けば可能です。しかしコアを分離させる施設の設置が手間と言いますか」
「可能か不可能かで聞いている! それ以外のことはいくらでも後から投資でもなんでもする!」
その気迫にびっくりし、僕は息を呑んだ。
彼に取ってこの街は理想郷、実際の水道工事のノウハウを注ぎ込んだ理想系。しかし現実には存在しないモンスターのおかげで苦労は絶えない。そんなニャッキさんの期待を一身に受け、それでも僕は可能だと答えた。
「なら良し! 俺はさ、ムーン君。あいつらに一番煮え湯を飲まされてきたんだ。もし可能だとしたら、よくやってくれたと褒めてもいい。あ、投資しようか? いくら欲しい?」
「間に合ってますので、そちらはこの実験結果を見てからでお願いします」
「おっと、そうだった。我ながら興奮しやすくて参るね」
「それで、ムーンさん、ひとつづつ工程を教えてもらえるのよね?」
「勿論です」
都コンブさんに促され、僕はコアからどれだけ距離を離せば水分をコントロール出来なくなるかを披露した。
「2メートル……それがスライムの支配領域です」
「それじゃあ人間なんてまさに乗っ取るのに打って付けってわけね」
「寄生できるなら大型の肉食獣も、と考えていたが、奴らが行動を起こさなかったのはそこに至るのか」
「ええ。ですが距離を取るだけでは完全なるゼリー体を維持できません。再びジュースに逆戻りです」
「そこでセンパイの実験が生きてくるのですね?」
うぐぐいすさんがメモを走らせ、次の言葉を待つ。
ここからがこの実験の真骨頂だ。
僕はスライムコアの設置してある容器にあるボタンを押した。
するとそこだけ回転する。
「回った?」
「え、これだけ?」
「回したら上からジュースを流しますから見ててくださいね。スライムに支配されてる状態だと紙が光ります。今回は紙が反応しない場所でゼリーがどうなっているのか見てもらうテストです」
上からジュースを流す。
下にあるコアの半径二メートル付近に近づくとジュースが一旦止まった。これがスライム種の恐ろしい支配能力『液体使役』だ。
しかし流したジュースも上から圧力が掛けられるようになっていて、コアの力でも制御出来ない。
あとは支配領域内で出したゼリーから敵性反応が出るかのチェックをしてもらえればOK。
紙は光ってないので安全だ。ゼリーが一人でに動き出す様子も見せない。
ただスライムの特性である液体支配を逆手に取った方法。
コアそのものは真空管に保存してあるので実体化しようもないんだ。それでも液体を操りかねないので電波を拡散させるために回している。
これは実験の途中で気が付いたのだけど、スライムのコアって体を動かす際、真っ直ぐ同じ方向を向くんだよね。
意識的なのかわからないけど。
じゃあ回転させたらどうなるだろうと思ったら、ゼリー化した液体が動き出すことがなくなったんだ。
もしかしてこれ使えるんじゃないか? と、急遽こんなものを作ったのだ。
なお、ジュースにして飲みたい場合は2メートル離せばいいだけ。
ゼリーにしたいなら圏内に戻ってくればいいだけだ。
コアが遠隔分離中ならゼリーが動き出すことはないので安心だ。
「これ、大発見じゃないですか?」
危険はないと知ったうぐぐいすさんがいろんなジュースを入れてゼリーにして楽しんでいる。
クランメンバーもコアを入れ替えながら自分の好みを追求していた。
「ちなみにこれはみんなに見せる用だから、小型化させたものを産業革命さんに作ってもらうつもりだよ。コアは回してれば体積を減らしていくので、水を与えてからキルすれば再利用できる」
「スライムに対する容赦なさが実にムーン君らしい。君も被害にあった口だものね」
「僕はあいつらにキャラを50以上消滅させられてますので。可愛さ余って憎さ100倍だったんです。ようやく見返すことができました」
「そういえば会うたびに後ろにつく番号が増えてると思った」
「あれは中身一緒だったのだなぁ、なりすましなのかと思ってたぜ」
「いやぁ、ムーンライト君の奇行を成りすましてまで実行する変人そうそういないでしょ」
「ハハハハ、確かに言われてみればそうだ」
ちょ、バリーさん。途中までいい雰囲気だったのにどうして最後で台無しにするかなぁ。
ちなみにゼリー精製機の現物はミーシャのお店に置かせてもらっている。
デカ過ぎてクランでも持て余すのがネックだったが、スライム食に興味があった彼女にはうってつけだったようだ。
提供されるデザートはもれなく毒が、それでもつるんとした喉越しは蒸し暑い今の時期にはもってこいの涼菓となった。
これでスライムによる被害が少しでも減ってくれるなら良いけどね。
まだまだ目に見えない脅威が転がってるのがNAFの面白くも奥深いところだ。
◇
必要ないといっていたのに、いつのまにかリアルマネーで10万相当の投資がニャッキさんからされていた。
VR版で実装された投げ銭機能。
課金者が運営会社から課金額に応じて貰えるコインは、自分以外の誰かに投資する事でランキングに名前が反映される仕組み。
なんだかんだで大手クランのマスターはランキングの常連だ。
その中で群を抜いてトップを取ってるのは何故か僕。
掲示板では運営のやらせではないかと声が上がっているが、事実である。
そのうちの9割がうぐぐいすさん。彼女曰く推し活との事で、僕はありがたくいただいて生活費の足しにしている。
ただ、それもあってか日に日に周囲からの『早くくっつけ』アピールがうざいくらいにまとわりついているので、さらに外堀が埋まる前にとっとと婚姻届を市役所に出したほうが身のためでは? と思う僕だった。
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