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五章
12_勇者教会を立て直そう②
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イベントは教会主催の体で俺達がテコ入れをする形となった。
元勇者といえど160年も前では人物像もハッキリしておらず、偽物のユースキーの台登で教会の権力も絶大。
今更俺たちが本物だって言って出ていっても混乱させるだけだしな。名乗り出るならずっと相手になきゃ行けないし、俺たちは俺たちで他にやりたい事あるしで教会とユースキーに任せることにした。
イベントと言っても、やる事は料理番組のトーナメント方式。
公式ルールに則って正々堂々と制限時間以内に料理を作ってその場の一般市民に食べさせて評価をしてもらう。
言ってしまえばお祭りのようなものだ。
優勝者にはその禁制品を一年間自由に扱える権利を渡し、回を重ねるごとに禁制品の種類を変えていく。
もちろん二回連続で優勝すれば第一回の禁制品を引き継いだまま新たな禁制品を獲得できる累積勝利回数制度も設ける。
これによって料理人にやる気を出させるのが狙いだ。
この世界からお金が消え失せてしまったので、賞金より商品の方がいいだろうと決める。
ただ、それとは別に商品もまた用意する。
それが個人店の店舗の提供だ。
今まで通り勲章を渡すだけでは料理人にとって環境が変わらない。せっかく味と腕を認められても扱える食材と調理器具が一緒では次のレシピ構築に全く変わりがなくなってしまうのだ。
そこで俺が今使ってる屋台のグレードアップ版を各種屋台の店主に贈呈してはどうかと申告する。
もちろん見た目はボロい屋台のままだが、中身が雲泥の差。
なんだったら客層に合わせて飲食スペースを増やしていってもいい。
ただそれをすると店主一人じゃ絶対に手が回らないので先にやっておくことがあった。
それがお金の代わりになる概念の導入。
正直いつまでも物々交換じゃ面倒くさいからな。
俺たちはフェルスタと連絡を取ってそのままササモリさんの棲家まで転移した。
「やぁいらっしゃい。現地の件はフェルから聞いてるよ。お土産までもらったそうじゃないか」
のんびりとした口調で俺たちが元の世界に帰った後の話をしてくれた。また一から蕎麦打ちをしながら、フェルスタは先程渡した龍果のベリーソース煮を切り分けて皿に乗せてこちらへと戻ってくる。
「もうそろそろ来るようです。弟が扱っていた時間遅延ルームでの作業ですから、こちらに戻ってくる頃には茹で上がってますよ」
「それも俺たちが帰った後の技術なんだ?」
「亜空間と地上では時の流れが違いすぎますからね。苦肉の策なのです」
「お待たせ、先程いただいたお土産を付け合わせにいただくとしよう」
ちゃっかり自分の分まで用意して、いつの間にか山菜の天ぷらまで盛り付けられていた。
オリーブの香ばしさが鼻腔を突く。
そういえばこれも禁制品とかじゃないっけ?
「オリーブ、量産成功したんですか?」
「随分と前にね。フェルから聞いただろうか? 時間遅延ルームはこれらの成長に時間のかかる作物を見守るために開発したんだよ。逐一モニターでチェックしているものの、待ちぼうけしすぎるのも暇でね」
「エルフってそういうの慣れてるかと思いました」
「ふきのとうの天ぷら、美味しいです」
「お、それの美味さがわかるとは乙だね。どんどん食べて、おかわりもたくさん作ろう」
「ごちそうさまです」
ササモリさんは料理人の顔で委員長のお世辞に上機嫌だ。
「このお土産、不思議な味わいだ。植物のようでいて、まるで違う。食感がまんま鶏肉だ。木苺の甘酸っぱさがより食欲を引き立てるね。これは君が?」
「はい。素人料理ですが、みんなからはご飯が引き立つ味だと」
「そうだね、生まれや育ちによっては付け合わせはそれぞれだが日本人なら米だろう。私もご飯で食べたくなってきた!」
「炊いたのならありますよ?」
「ガチャ産のなら魔素の無駄遣いだ」
「あ、いえ。屋台の方にです」
一度外に出て屋台を表に隣接させると、釜戸に炊いたご飯が現れる。時間停止効果があるのでまだ熱々だ。
それを持って帰ると「釜戸とは分かってる」と変な場所で褒められた。
「うん、しっかりとコメが立ってビカビカと光ってる。阿久津君、素人とか言っといて結構こだわり持ってるでしょ? 素人の炊いた米っていうのはもっとべちょっとするものだよ?」
「そりゃ、俺にもアルバイト先の師匠が居ますから。師匠曰く炊飯ジャーは甘えらしいっす」
「あっはっは。世の中にはいろんな人がいるね。そうか、わざわざ釜戸で炊く人が出てきたか。そんなお店がねぇ、私の過ごした世界では見かけなかったよ。時代かなぁ」
俺はおにぎり屋さんのアルバイト経験を語り、ササモリさんはそれに深く同意しながら話を弾ませる。
そのついでに地上での共通通貨に何かないかと話を振った。
誰でも扱えて、その上で手元に残らない。
奪い合うことがなくて、支払いが楽な通貨。
そんなものは存在しないという結果ありきでの提案だが、たった一つだけあるにはある。
問題はそれが俺の天性にある【ガチャ】にしか実装されてないものだという事。
要は俺はササモリさんに『魔素』をなんとか解明して人々の通貨として示せないかという話に持っていったのだ。
正直これには流石のササモリさんでも頭を捻ってしまう。
過去数千年生きてきて一度たりとも観測できたことのない『魔素』こいつを自由に扱えるレベルまで存在を進化しろと促しているのだ。そりゃ普通に考えれば無理だろう。
でも俺のガチャならそれが出来る。
旧グルストン王国の貨幣は潰えた。
しかし旧ムーンスレイの貨幣は宝石だ。
宝石の価値がなくなる事はそうそうないので、発掘次第ではステータスはまだあげられると思うんだよね。
その点を含めて提案した。
「君は、何年経っても変わらないね」
「そうですかね?」
「私に魔素を解明しろというのか」
「エルフの未来のためにもなるんですよね?」
「それを言われたら弱い。我々も克服する事で先の未来が明るくなることも事実だ。それにしても植物なのにお肉の味をさせるこの植物は興味深いね」
「これは食べて平気でしたか?」
「? おかしなことを聞くね。大丈夫だからとフェルに手渡したのだろう」
ササモリさんが平気ならよかった。
ぶっちゃけ、植物は植物だけ鶏肉に寄生させた龍果である事をどう説明するべきか迷ってたんだ。
平気なら別にいう必要ないな!
「実は……」
そんな風に何処か安心してると、黙っているのは心苦しいと委員長がぶっちゃけた。
それを聞いたササモリさんは神妙な顔で聞いてくる。
「それって、寄生さえさせちゃえば危険な思想操作もなく元の味を再構築できちゃうってこと?」
龍果の所業は伝え聞いていたのだろう。
新たに判明した事実に非常に興味深く頷いている。
その瞳には危険な輝きが伴っていた。
あ、これ言っちゃいけない奴だったかも。
「阿久津君、これは魔素がなくとも案外私達のアレルギー問題は解決するかもしれないよ?」
「まぁ、ササモリさんがパチモンでもいいって言うんなら俺からは特に何も言いませんよ。龍果の飼育についてはアリエルに一過言あるのでなんか企む時は事前に彼女に伝えといてください」
「了解。量の確保についてはなんとかなりそうなのかい?」
「全ての作物を枯らした彼女曰く、放っておけば増えるそうです」
「流石、この世界の外来種と呼ばれる龍果だ。繁殖力が殲滅力とイコールしてるだけはあるな!」
「作ったグーラですら覚えて無いみたいなんすよね。気がついたら自我持ってたみたいな」
「龍の近くで育ったから自我を持つとか、その凄まじさが窺えるな」
一緒に戦ったのに何言ってるんだろこの人。
暴走状態のグーラは他に例えようがないほどに危険人物だったろうに。
「ま、そんな感じで俺からの教会とユースキーに対しての意見はこんなもんっすね」
「テコ入れには感謝してるけど、直接表には出ないのかい?」
「今更でしょう、俺たちは表舞台から去った過去の人っすよ? ユースキーが教会を表で回してくれてるから自由に出来るんす。それはそれとして、なんでまた勇者=俺なんすか? 他にもいっぱい居たでしょうに」
「それは、まあ貢献値だろうね。彼らにとって一番の光明が君のガチャだったと言うわけさ。世界が平和になったあと、強すぎる力は災いを生む。でも君のガチャはどちらかといえば生産性の高い能力だ。災害に会ったものに雨風を凌ぐ家を、温かい食べ物と仕事を与えた。再生の勇者だなんて人気だったんだよ?」
「本人を目の前にしてよくそんな褒め言葉を……褒めたってなんも出せませんよ?」
「事実だからねぇ。実際に戦時でもなければ勇者はお払い箱なんだよ。そもそも勇者に期待してるのは戦力だ。ウチの勇者達は裏方向きで表で華々しくというのには向かなかったからね。そうしたら消去法で君が選ばれたというわけさ」
「でも俺以外にも生産系はいるでしょ? 俺だけにスポットライトが当たるのはおかしくないですか?」
「みんな自分に正直だからね。着るものや便利な道具より食生活の豊かさを求めたのさ。文明が滅んだ現在、特に娯楽が食事しかないんだ」
「ま、そこはしょうがないっすね。それよりも技術力の面で協力して欲しいんすよね」
「あんまり表に出したくないんだけどね」
「不老不死の存在表に出しときながら何言ってんすか。これも食生活発展の為っすよ」
俺は口八丁ででおべっかを使ってササモリさんを唆した。
俺がダメなら委員長や薫、杜若さんに代わってもらって、禁制品を大盤振る舞いするといえば首を縦に振らせる事はできた。
やっぱ食い物で釣るのが俺たちらしいよな!
元勇者といえど160年も前では人物像もハッキリしておらず、偽物のユースキーの台登で教会の権力も絶大。
今更俺たちが本物だって言って出ていっても混乱させるだけだしな。名乗り出るならずっと相手になきゃ行けないし、俺たちは俺たちで他にやりたい事あるしで教会とユースキーに任せることにした。
イベントと言っても、やる事は料理番組のトーナメント方式。
公式ルールに則って正々堂々と制限時間以内に料理を作ってその場の一般市民に食べさせて評価をしてもらう。
言ってしまえばお祭りのようなものだ。
優勝者にはその禁制品を一年間自由に扱える権利を渡し、回を重ねるごとに禁制品の種類を変えていく。
もちろん二回連続で優勝すれば第一回の禁制品を引き継いだまま新たな禁制品を獲得できる累積勝利回数制度も設ける。
これによって料理人にやる気を出させるのが狙いだ。
この世界からお金が消え失せてしまったので、賞金より商品の方がいいだろうと決める。
ただ、それとは別に商品もまた用意する。
それが個人店の店舗の提供だ。
今まで通り勲章を渡すだけでは料理人にとって環境が変わらない。せっかく味と腕を認められても扱える食材と調理器具が一緒では次のレシピ構築に全く変わりがなくなってしまうのだ。
そこで俺が今使ってる屋台のグレードアップ版を各種屋台の店主に贈呈してはどうかと申告する。
もちろん見た目はボロい屋台のままだが、中身が雲泥の差。
なんだったら客層に合わせて飲食スペースを増やしていってもいい。
ただそれをすると店主一人じゃ絶対に手が回らないので先にやっておくことがあった。
それがお金の代わりになる概念の導入。
正直いつまでも物々交換じゃ面倒くさいからな。
俺たちはフェルスタと連絡を取ってそのままササモリさんの棲家まで転移した。
「やぁいらっしゃい。現地の件はフェルから聞いてるよ。お土産までもらったそうじゃないか」
のんびりとした口調で俺たちが元の世界に帰った後の話をしてくれた。また一から蕎麦打ちをしながら、フェルスタは先程渡した龍果のベリーソース煮を切り分けて皿に乗せてこちらへと戻ってくる。
「もうそろそろ来るようです。弟が扱っていた時間遅延ルームでの作業ですから、こちらに戻ってくる頃には茹で上がってますよ」
「それも俺たちが帰った後の技術なんだ?」
「亜空間と地上では時の流れが違いすぎますからね。苦肉の策なのです」
「お待たせ、先程いただいたお土産を付け合わせにいただくとしよう」
ちゃっかり自分の分まで用意して、いつの間にか山菜の天ぷらまで盛り付けられていた。
オリーブの香ばしさが鼻腔を突く。
そういえばこれも禁制品とかじゃないっけ?
「オリーブ、量産成功したんですか?」
「随分と前にね。フェルから聞いただろうか? 時間遅延ルームはこれらの成長に時間のかかる作物を見守るために開発したんだよ。逐一モニターでチェックしているものの、待ちぼうけしすぎるのも暇でね」
「エルフってそういうの慣れてるかと思いました」
「ふきのとうの天ぷら、美味しいです」
「お、それの美味さがわかるとは乙だね。どんどん食べて、おかわりもたくさん作ろう」
「ごちそうさまです」
ササモリさんは料理人の顔で委員長のお世辞に上機嫌だ。
「このお土産、不思議な味わいだ。植物のようでいて、まるで違う。食感がまんま鶏肉だ。木苺の甘酸っぱさがより食欲を引き立てるね。これは君が?」
「はい。素人料理ですが、みんなからはご飯が引き立つ味だと」
「そうだね、生まれや育ちによっては付け合わせはそれぞれだが日本人なら米だろう。私もご飯で食べたくなってきた!」
「炊いたのならありますよ?」
「ガチャ産のなら魔素の無駄遣いだ」
「あ、いえ。屋台の方にです」
一度外に出て屋台を表に隣接させると、釜戸に炊いたご飯が現れる。時間停止効果があるのでまだ熱々だ。
それを持って帰ると「釜戸とは分かってる」と変な場所で褒められた。
「うん、しっかりとコメが立ってビカビカと光ってる。阿久津君、素人とか言っといて結構こだわり持ってるでしょ? 素人の炊いた米っていうのはもっとべちょっとするものだよ?」
「そりゃ、俺にもアルバイト先の師匠が居ますから。師匠曰く炊飯ジャーは甘えらしいっす」
「あっはっは。世の中にはいろんな人がいるね。そうか、わざわざ釜戸で炊く人が出てきたか。そんなお店がねぇ、私の過ごした世界では見かけなかったよ。時代かなぁ」
俺はおにぎり屋さんのアルバイト経験を語り、ササモリさんはそれに深く同意しながら話を弾ませる。
そのついでに地上での共通通貨に何かないかと話を振った。
誰でも扱えて、その上で手元に残らない。
奪い合うことがなくて、支払いが楽な通貨。
そんなものは存在しないという結果ありきでの提案だが、たった一つだけあるにはある。
問題はそれが俺の天性にある【ガチャ】にしか実装されてないものだという事。
要は俺はササモリさんに『魔素』をなんとか解明して人々の通貨として示せないかという話に持っていったのだ。
正直これには流石のササモリさんでも頭を捻ってしまう。
過去数千年生きてきて一度たりとも観測できたことのない『魔素』こいつを自由に扱えるレベルまで存在を進化しろと促しているのだ。そりゃ普通に考えれば無理だろう。
でも俺のガチャならそれが出来る。
旧グルストン王国の貨幣は潰えた。
しかし旧ムーンスレイの貨幣は宝石だ。
宝石の価値がなくなる事はそうそうないので、発掘次第ではステータスはまだあげられると思うんだよね。
その点を含めて提案した。
「君は、何年経っても変わらないね」
「そうですかね?」
「私に魔素を解明しろというのか」
「エルフの未来のためにもなるんですよね?」
「それを言われたら弱い。我々も克服する事で先の未来が明るくなることも事実だ。それにしても植物なのにお肉の味をさせるこの植物は興味深いね」
「これは食べて平気でしたか?」
「? おかしなことを聞くね。大丈夫だからとフェルに手渡したのだろう」
ササモリさんが平気ならよかった。
ぶっちゃけ、植物は植物だけ鶏肉に寄生させた龍果である事をどう説明するべきか迷ってたんだ。
平気なら別にいう必要ないな!
「実は……」
そんな風に何処か安心してると、黙っているのは心苦しいと委員長がぶっちゃけた。
それを聞いたササモリさんは神妙な顔で聞いてくる。
「それって、寄生さえさせちゃえば危険な思想操作もなく元の味を再構築できちゃうってこと?」
龍果の所業は伝え聞いていたのだろう。
新たに判明した事実に非常に興味深く頷いている。
その瞳には危険な輝きが伴っていた。
あ、これ言っちゃいけない奴だったかも。
「阿久津君、これは魔素がなくとも案外私達のアレルギー問題は解決するかもしれないよ?」
「まぁ、ササモリさんがパチモンでもいいって言うんなら俺からは特に何も言いませんよ。龍果の飼育についてはアリエルに一過言あるのでなんか企む時は事前に彼女に伝えといてください」
「了解。量の確保についてはなんとかなりそうなのかい?」
「全ての作物を枯らした彼女曰く、放っておけば増えるそうです」
「流石、この世界の外来種と呼ばれる龍果だ。繁殖力が殲滅力とイコールしてるだけはあるな!」
「作ったグーラですら覚えて無いみたいなんすよね。気がついたら自我持ってたみたいな」
「龍の近くで育ったから自我を持つとか、その凄まじさが窺えるな」
一緒に戦ったのに何言ってるんだろこの人。
暴走状態のグーラは他に例えようがないほどに危険人物だったろうに。
「ま、そんな感じで俺からの教会とユースキーに対しての意見はこんなもんっすね」
「テコ入れには感謝してるけど、直接表には出ないのかい?」
「今更でしょう、俺たちは表舞台から去った過去の人っすよ? ユースキーが教会を表で回してくれてるから自由に出来るんす。それはそれとして、なんでまた勇者=俺なんすか? 他にもいっぱい居たでしょうに」
「それは、まあ貢献値だろうね。彼らにとって一番の光明が君のガチャだったと言うわけさ。世界が平和になったあと、強すぎる力は災いを生む。でも君のガチャはどちらかといえば生産性の高い能力だ。災害に会ったものに雨風を凌ぐ家を、温かい食べ物と仕事を与えた。再生の勇者だなんて人気だったんだよ?」
「本人を目の前にしてよくそんな褒め言葉を……褒めたってなんも出せませんよ?」
「事実だからねぇ。実際に戦時でもなければ勇者はお払い箱なんだよ。そもそも勇者に期待してるのは戦力だ。ウチの勇者達は裏方向きで表で華々しくというのには向かなかったからね。そうしたら消去法で君が選ばれたというわけさ」
「でも俺以外にも生産系はいるでしょ? 俺だけにスポットライトが当たるのはおかしくないですか?」
「みんな自分に正直だからね。着るものや便利な道具より食生活の豊かさを求めたのさ。文明が滅んだ現在、特に娯楽が食事しかないんだ」
「ま、そこはしょうがないっすね。それよりも技術力の面で協力して欲しいんすよね」
「あんまり表に出したくないんだけどね」
「不老不死の存在表に出しときながら何言ってんすか。これも食生活発展の為っすよ」
俺は口八丁ででおべっかを使ってササモリさんを唆した。
俺がダメなら委員長や薫、杜若さんに代わってもらって、禁制品を大盤振る舞いするといえば首を縦に振らせる事はできた。
やっぱ食い物で釣るのが俺たちらしいよな!
応援ありがとうございます!
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