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1章 お爺ちゃんとVR
014.お爺ちゃん、責任を追及される
ブログをアップした後、成し遂げた様な達成感に包まれてログアウトした。何やら周囲が騒がしかったけどいつもの事だ。
私の知らないところで何かが起こった。
けれどそれは私には関係ないものと処理し、自己満足を得て現実に帰ってきた。
「おかえりなさい、お父さん。ご飯できてるよ」
「頂こう」
時間にして一時間もかからないくらい。
先に帰ってきた娘から遅めの昼食を出される。
本日の昼食は焼魚か。ちょうどよく火の通った魚の身をほぐし、白飯とともに口の中へ放り込む。
塩味の効いた鮭は白米とよく合う。
付け合わせの塩揉みきゅうりと白味噌と大根の味噌汁をいただく。
私の為だけに用意された物だと思えば娘には感謝してもしたりないくらいだ。
「ご馳走さま。美味しかったよ。腕が上がったんじゃないか?」
「お粗末さま。そうかな? お母さんの腕にはまだまだ届かない気がするけど、お父さんに認めてもらえて嬉しいな」
「ただいま~、お腹ペコペコ!」
孫娘が本日の日程を終了させて自室から戻ってくる。
「おかえり美咲」
「ただいまーお爺ちゃん」
「ご飯の前にお手洗いとうがいしてきちゃいなさい」
「はーい」
清潔面においては家から出ていない孫娘ではあるが、これは癖として覚えさせているだけだ。これがもし外出する時になって普段からしてないと親の教育を疑われるということになるのだとかで教育委員会からその様に言われてるんだって。
神経質だねぇと思わなくもないけど、子供の教育上必要だと言われれば親はそれに従わずを得ないんだろうね。
「今日のおかずは?」
「肉じゃがよ」
「ニンジン要らないからね」
「ニンジンも食べないと大きくならないわよ?」
「じゃ、じゃあ少しだけ食べる!」
渋々と承諾しながら執り行われる親娘の会話。
食事中に今日の学校での出来事を聞いたり答えたりと忙しない。
学校のことが大方終わればゲームへの話題へ移行する。
今や家族みんながゲームプレイヤー。明人君もやっていると聞いた時は驚いた物だが、娘の在籍するクランのリーダーだと聞かされて納得した。孫はクランには在籍しておらず、フリーで行動している様な話を聞く。親側としては近くで見守りたいのだろうが、子は子で自由気ままに遊びたいそうだ。
「そう言えば美咲。ブログアップしたぞ」
「ほんと!? みたいみたーい」
「まだ他人に見せられる物じゃないからフレンドにのみ見せてる形だ。ユーノ君と一緒に見てくれたら嬉しいな」
「うん!」
美咲は元気いっぱいに返事をした後、宿題を終わらせてからログインして行った。私は丁度見たい番組が始まったのでゆっくりとした午後を過ごす……そんな時。
孫から娘にコールが入った。
「あらどうしたの美咲。え、お父さんが? うん、ええ、ええ。分かったわ。今行くからあなたは慌てないでそこに待機してて」
そんな言葉のやりとりを聞いて、テレビを横目に聞いてみる。
「どうかしたか?」
「それが、あの子が『お爺ちゃんやらかしちゃってる』って」
ふむ。
どうやら私のブログで何かあった様だ。
もう今日はログインする用はないと思っていたが、娘を連れてゲーム世界に舞い戻ることになった。
「あ、お爺ちゃん!」
「取り敢えずここでは目立つわ。落ち着ける場所にいきましょ」
「う、うん」
マリンは挙動不審な態度でわたわたしながら私を指差す。
すかさずパープルが抑え込み、馴染みの喫茶店へと入り込む。
そこには馴染みの顔が。まるで先回りして待っていたかの様な偶然の出会いだ。もしかしなくても待っててくれたのだろうか?
しかし彼らと会う約束は此れと言ってしてない。
「あ、ハヤテさん」
「おやジキンさん。ギン君もお揃いでどうかしたんですか?」
「どうやらやってしまった様ですな。あ、状況説明のためにもうちの息子とフレンド登録してもらっても?」
「構わないですよ」
「あ、私もついでに」
「分かった分かった」
急かされる様にしてフレンド登録をしつつ、みんなを連れて奥の五人掛けのテーブル席へと座る。それぞれがドリンクを注文してから話を始めた。
「それでマリン、お父さんがどうしたの?」
「みんな、お爺ちゃんのブログ見た?」
この席では唯一娘が首を振る。それ以外は全員首を縦に振った。
私としては執筆者として中を確認しているのだが、どこか問題があっただろうか? 写真も良く撮れてるし、満足な出来栄えに感心している様子でもない。
「あ、これは確かに問題かも」
今確認した娘が声を上げる。それに頷く様にして他の三人が一斉に私の顔を見た。
「お爺ちゃんはきっと分かってないと思うから私から説明するね」
「うん、お手柔らかに頼むよ」
初めてのブログの採点をされる気持ちで孫の言葉を耳に入れるも、思っていたのと違う内容が記された。
内容をかいつまんで要約すると、つまりはこのブログを閲覧した者は、とあるイベントに参加する資格を得るらしい。
問題はイベントの方で、そのイベントが大規模レイドボス討伐戦。
1000人規模のプレイヤーが同時参戦する前提のゲーム難易度だとか。それがなんの問題なのかと思ったら、問題はこのブログの閲覧制限にあるのだと知らされた。
「最低でも1000人以上の上級プレイヤーの参戦が必須のイベントなのに、今回のイベントはお父さんのフレンドの数しか参戦できないの!」
捲し立てる様に娘に問われ、私は萎縮する。
それは確かに、うん悪いのは私だな。
私の知らないところで何かが起こった。
けれどそれは私には関係ないものと処理し、自己満足を得て現実に帰ってきた。
「おかえりなさい、お父さん。ご飯できてるよ」
「頂こう」
時間にして一時間もかからないくらい。
先に帰ってきた娘から遅めの昼食を出される。
本日の昼食は焼魚か。ちょうどよく火の通った魚の身をほぐし、白飯とともに口の中へ放り込む。
塩味の効いた鮭は白米とよく合う。
付け合わせの塩揉みきゅうりと白味噌と大根の味噌汁をいただく。
私の為だけに用意された物だと思えば娘には感謝してもしたりないくらいだ。
「ご馳走さま。美味しかったよ。腕が上がったんじゃないか?」
「お粗末さま。そうかな? お母さんの腕にはまだまだ届かない気がするけど、お父さんに認めてもらえて嬉しいな」
「ただいま~、お腹ペコペコ!」
孫娘が本日の日程を終了させて自室から戻ってくる。
「おかえり美咲」
「ただいまーお爺ちゃん」
「ご飯の前にお手洗いとうがいしてきちゃいなさい」
「はーい」
清潔面においては家から出ていない孫娘ではあるが、これは癖として覚えさせているだけだ。これがもし外出する時になって普段からしてないと親の教育を疑われるということになるのだとかで教育委員会からその様に言われてるんだって。
神経質だねぇと思わなくもないけど、子供の教育上必要だと言われれば親はそれに従わずを得ないんだろうね。
「今日のおかずは?」
「肉じゃがよ」
「ニンジン要らないからね」
「ニンジンも食べないと大きくならないわよ?」
「じゃ、じゃあ少しだけ食べる!」
渋々と承諾しながら執り行われる親娘の会話。
食事中に今日の学校での出来事を聞いたり答えたりと忙しない。
学校のことが大方終わればゲームへの話題へ移行する。
今や家族みんながゲームプレイヤー。明人君もやっていると聞いた時は驚いた物だが、娘の在籍するクランのリーダーだと聞かされて納得した。孫はクランには在籍しておらず、フリーで行動している様な話を聞く。親側としては近くで見守りたいのだろうが、子は子で自由気ままに遊びたいそうだ。
「そう言えば美咲。ブログアップしたぞ」
「ほんと!? みたいみたーい」
「まだ他人に見せられる物じゃないからフレンドにのみ見せてる形だ。ユーノ君と一緒に見てくれたら嬉しいな」
「うん!」
美咲は元気いっぱいに返事をした後、宿題を終わらせてからログインして行った。私は丁度見たい番組が始まったのでゆっくりとした午後を過ごす……そんな時。
孫から娘にコールが入った。
「あらどうしたの美咲。え、お父さんが? うん、ええ、ええ。分かったわ。今行くからあなたは慌てないでそこに待機してて」
そんな言葉のやりとりを聞いて、テレビを横目に聞いてみる。
「どうかしたか?」
「それが、あの子が『お爺ちゃんやらかしちゃってる』って」
ふむ。
どうやら私のブログで何かあった様だ。
もう今日はログインする用はないと思っていたが、娘を連れてゲーム世界に舞い戻ることになった。
「あ、お爺ちゃん!」
「取り敢えずここでは目立つわ。落ち着ける場所にいきましょ」
「う、うん」
マリンは挙動不審な態度でわたわたしながら私を指差す。
すかさずパープルが抑え込み、馴染みの喫茶店へと入り込む。
そこには馴染みの顔が。まるで先回りして待っていたかの様な偶然の出会いだ。もしかしなくても待っててくれたのだろうか?
しかし彼らと会う約束は此れと言ってしてない。
「あ、ハヤテさん」
「おやジキンさん。ギン君もお揃いでどうかしたんですか?」
「どうやらやってしまった様ですな。あ、状況説明のためにもうちの息子とフレンド登録してもらっても?」
「構わないですよ」
「あ、私もついでに」
「分かった分かった」
急かされる様にしてフレンド登録をしつつ、みんなを連れて奥の五人掛けのテーブル席へと座る。それぞれがドリンクを注文してから話を始めた。
「それでマリン、お父さんがどうしたの?」
「みんな、お爺ちゃんのブログ見た?」
この席では唯一娘が首を振る。それ以外は全員首を縦に振った。
私としては執筆者として中を確認しているのだが、どこか問題があっただろうか? 写真も良く撮れてるし、満足な出来栄えに感心している様子でもない。
「あ、これは確かに問題かも」
今確認した娘が声を上げる。それに頷く様にして他の三人が一斉に私の顔を見た。
「お爺ちゃんはきっと分かってないと思うから私から説明するね」
「うん、お手柔らかに頼むよ」
初めてのブログの採点をされる気持ちで孫の言葉を耳に入れるも、思っていたのと違う内容が記された。
内容をかいつまんで要約すると、つまりはこのブログを閲覧した者は、とあるイベントに参加する資格を得るらしい。
問題はイベントの方で、そのイベントが大規模レイドボス討伐戦。
1000人規模のプレイヤーが同時参戦する前提のゲーム難易度だとか。それがなんの問題なのかと思ったら、問題はこのブログの閲覧制限にあるのだと知らされた。
「最低でも1000人以上の上級プレイヤーの参戦が必須のイベントなのに、今回のイベントはお父さんのフレンドの数しか参戦できないの!」
捲し立てる様に娘に問われ、私は萎縮する。
それは確かに、うん悪いのは私だな。
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