恋愛っぽいものを思いつくままに

Yuuka

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月が赤いから。今日だけは...、全部なかったことにしよう。(未完・2)

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好きな人の車の助手席で。どこへ行くのかも分からないままのドライブ。
いつかの若かった、幼かった私が顔を覗かせようとする。
心臓がドキドキして、どこか心が弾んで、見渡す限り晴れの世界。

なのに、どこか切なくて。そんなものは忘れてしまえと、頭の中でループする。

『...ねぇ。なんで、結婚したの。なんで、俺じゃなくて、あいつと結婚しちゃったの。』

心臓が、ドキン!って、ドキン!って音がした。
ふいに思い出す、現実。リアル。

将人の声。

将人の声で、そんな言葉、聞きたくなかった。
将人の声だけは、聞きたくなかった。

「んー、んー。んーーー。」

『えっ、誤魔化すなよ。ずっと聞けなかったけど、聞きたかった。』

そういうの、自分でも、よく分からないから。
なんか、うまい言葉が見つからないのを、知っている。

いつだって、大好きだったし、いつまでだって、大好きだった。

「んーー、理由なんてないかも。」

なんか、そんなこと言った後、急に涙がボロボロ、零れてきてしまった。
分かんない。何、これ。
私、何に後悔してるんだろう。
将人と結婚したかったのかな。それとも、夫に後ろめたいのかな。
夫に、後ろめたい人で、ありたい。

『んっ?どういう意味?分かんねぇ。』

...んー、なんか。聞かれても、分かんないよ。

うまく答えられそうになくて、ただ黙ってみた。
なんか、こういう沈黙、やだ。

静かに加速するロクサスが、なんとなく怒りたそうな将人の心情のような気がして、
今はただ、フロントガラスの映す町並みを、目で追ってみた。
いつの間にか、だだっぴろい国道で、車の台数も少ない。静かな、夜。

将人の言葉が、無駄に破壊力強かった。涙が、止まらなくなっちゃって、なんかやだ。

いろんなこと、全部置き去りにして。
昔に戻ることができたなら、どんなに楽だろうって。今、後悔じゃないけれど。

けれど... 何?何かな。

『俺さー、もうすぐ結婚するんだ。まだ籍は入れてないけど、今、一緒に住んでる。
 なんでこんなこと言ってるか、あれだけど。ごめん、でも、里菜のこと、やっぱ好きだわ。』

将人の左手が、私の右手を握りしめる。
強くて... 痛い。

将人が、私の心臓をギュッて、握りつぶすみたいに。痛いよ。痛いよ。

ふいに車が止まって。もう、だいぶ山の中なんだね。
見渡す限りは、夜ばかり。

将人の右手が私の左頬を撫で、耳を撫で、顎を撫で。
髪の毛をクシュクシュッといじり。
うん、その指がね、大好きだったよ。大好きだった。いつも、優しかったんだよね。

『なぁ、俺のこと、目ぇ逸らさないで、見て?』

目の前に、将人。

なんか、何を言われるのか、急に怖くなって、急に怖くなって。
将人の顔を掴んで、キスをしてしまった。

分かんない、分かんない。でも、好き。
もう、好きな気持ちが止まらなくて、大好きだったことしか頭に無くなっちゃって。
将人の唇を、食べてしまった。

私の唇をひと舐めして、舌を一度絡めてから。

『あぁーあ…。はぁ…。』

私の頭を抱えて、唇離しながら困ったように。大きなため息・・・。
次の瞬間、ニコッて、やっぱり将人の、その顔が、好きだ。

『このーっ!』

ほっぺたムギューって。ほっぺたムニムニって。
ダメだ... 私、将人のこの手がね。大好き。

もっともっと近づきたくて、もっともっと将人に触れたくて。
もそもそって、運転席の将人に跨っちゃった。

「...もっと、席後ろにずらしてよ。」

『ひさしぶりに聞く里菜の言葉がそれって、なんか、怪しくない?って、今更か。』

ちょっと笑いながら、車のエンジンを切って。
将人は運転席を後ろにずらしながら、私の首筋をちろちろ舌で舐める。

ジュンッ...って。子宮が、悦んでいる。
奥の方から、焦れったい気持ちが、溢れてくる。

もう、止められない。

ひさしぶりのこの感覚が、下の方から突き上げてくる。
もっともっと、ってせがんでくる。

口の中に、やたらと唾液がたまってきて。
一度飲み込んでから、将人の唇に吸い付いた。

上唇、下唇。チュパチュパッ...って。エンジンを切った静かな車内に響く音は卑猥で。
私の頭や首を抑えながら指先で撫でる将人の手が、どこかエロティックで。
将人の唇を割りながら侵入する私の舌が、将人の舌に絡めとられて。
わざとクチュクチュ音を立てる将人は、ニヤッと意地悪そうに私の目を見続けている。
口内で響く音は、内側から脳内に響き渡って、溺れてしまいそう。
違う、溺れて沈んでしまえばいいと、思っている。私は自分の身体が悦んでいることを思い知る。

「...んぁっっ ぁっっ...」

いきなり、唐突に。
履いていたスパッツとパンツ越しに手を突っ込んで、グイッと指を入れた将人。

『やっぱり、グッチャグチャ。ほら、わぁ~、』

「あっあっ んぁっっ あっ ちょっっ ダメ... あっ」

『え~っ ほら、ココ 良くない?ほらほらっ、里菜、腰動いてるよ」

「んっんっ... あっ ああああぁぁぁ....」

『えっ?イかせないよ。腰振らないで。そんなかんたんに、イかせないよ。終わり。」

すっと抜かれて、一瞬の空っぽな膣が寂しさに襲われた。
ビチャビチャの指を、クリトリスに絡めてクチュクチュって。
あぁぁ、将人だ。この意地悪な触り方はね。将人だ。
どうしよう、奥の方が、ダラダラしてる。きっと、すごい溢れてる。

「あっ んっんっんっ あぁぁああああ やだやだ… あっあっ」

『ぜんっぜん変わってないね。俺のこと、大好きじゃん。』

あっ 将人の声が、気持ちい。うん、大好きなんだよ。
どうしよう。どうしよう、どうしよう。

クチャクチャしながら、将人が中指と人差し指と親指で。
クリトリスがもう...

「あっ ダメ... イッちゃうよ... ぁんっ まさと... あっ あっ」

『まぁ、いっか。俺のこと大好きだったら、イってもいいよ。』

「あっ うん だ...い すき... もう イクっ...」

もう全部忘れちゃえって。
仰け反った瞬間に、まんまるの赤い月と、目が合った。

ダメ。子宮の奥がキュンキュンいって、赤い月が目の前に落ちてきて。
奥の方から、ダラダラ、ダラダラと、溢れ出てる。
涙も、止まらないよ。

窓ガラス越しに見える夜は、静寂で、動かない。
このまま、このまま、時間が止まってしまえばいいのに。

そっと、強く。私の首筋を引き寄せる将人の指が、少しだけ現実感を呼び戻す。
熱っぽい吐息交じりに、将人は私の唇に吸い付いて。

『ごめん、どっか行く余裕、ない。』

運転席をそのままリクライングさせて、私を載せたまま、移動する将人。
なんだか、あの、昔の、若かった頃みたいだね。
こんな風に、どこでもかしこでも、セックスに明け暮れた日々もあった。

目の端に、赤い月が映る。
なんだか、見透かされているみたいで。背中がゾクッと、どこか後ろめたい。

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