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8.独占欲は花びらの数だけ
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____どうしてこうなった?
アリスティアは、まだ気怠げな身体を起こしながら考えていた。
あの日、レオンハルトがやってきて挨拶を交わし、その後陛下への挨拶が終わって兄のアレクシスとダンスを踊った。
1曲終えた後、両親と一緒にもう一度陛下の元へ行き今回の婚約破棄を承諾いただけたお礼を述べた。
そして、レオンハルトからダンスの誘いを受けて…いったい何曲踊ったのだろうか?
彼は「次を狙っている輩が多いな…もう一曲いける?」と聞き、返事を待たずにアリスティアを連れて踊り続けたのだ。
そして、流石に何曲も踊りっぱなしに疲れ休みたいと申し出たところ…
レオンハルトの部屋まで連れ込まれて休憩に至った。
「はぁ…お父様とお母様が心配してるわね。お兄様にも怒られちゃうかしら」
帰るのが憂鬱だ…と感じながら、早々に身支度を終えてレオンハルトの寝室を出た。
お礼の手紙を添えて…。
屋敷に帰ると、お母様に出迎えられ「相変わらず愛されてるわね!」と、ニコニコしながら首筋を指摘された。
ん?と首を傾げると…
「独占欲丸出しね!」と笑われた。
それは、後に嫌と言うほど知ることとなった。
部屋で休むと伝え、湯浴みをしようと服を脱いだ瞬間。
目の前の鏡に写る自分の身体に驚愕した。
身体の至る所に、赤い花びらが撒き散らされていたからだ。
首元に一つ…
なんて、可愛いものじゃない!
首だけで、湿疹でも出たかと思う程の数が付けられていた。
…ちなみに、今脱いだドレスは昨晩夜会で着ていたドレスだ。
夜会向けの為、がっつりとデコルテが空いていて胸元が引き立つデザインだ。
城を出る時は上からケープを羽織っていたので見られてはいないはず…
しかし、屋敷に戻った際に玄関にてケープをとり侍女へ預けていた。
この量を見れば、お母様が言った言葉にも納得する。
____やられた!
頭を抱えつつも、お父様とお兄様に見つからなくて良かったと心から安堵した。
◇◇◇
その日の夜。
執務を終えたレオンハルトは自室へと戻ってきた。
ふぅーっ、と一息はきながら寝室へ行きベットへと腰を下ろした。
すでにベットは整えられてはいたが、寝室には未だにアリスティアの匂いが微かに香っていた。
最高の夜だった。
もう、二度とこの腕に抱けないと思っていた彼女を、もう一度抱くことができた。
その悦びでいっぱいだった。
自分の下と上で、淫らに喘いでいた姿を思い出す…
(あれだけ抱いたのに…まだ足りない)
今朝の情景を思い出すだけで、立ち上がりそうになる己の欲望を抑え込んだ。
(こんな気持ちにさせるのは、ティア…君だけだ)
着替えようと立ち上がると、ふとサイドテーブルに添えられた手紙が目に入った。
美しい均等のとれた字で、丁寧に"レオンへ"と書かれている。
そっと手に取り中を開くと、泊めてくれたお礼と執務への労りの言葉が並べられていた。
「…っ!!!」
そして、最後に添えられていた言葉に、先程抑え込んだはずの欲望が、ムクムクと主張するかの様に膨らんだ。
"レオンの腕の中は守られているみたいで、とても心地がいいわね。
素敵な夜をありがとう。
感謝を込めて…ティア"
「そこは、愛を込めて…だろ?ティア」
ははっ!と笑い、そそり立つ己へと手をかけた。
手紙を胸に抱き、ティアを抱いた感覚を呼び覚ます。何度も何度も狂おしいほど抱いたティアのイキ顔を思い出しながら、レオンハルトは己の欲望を解き放った。
一息つき、背中からベットへ仰向けに倒れ込み叫んだ。
「あーーーーっっ!!!」
あいつが欲しい。
あいつが欲しい。
あいつが欲しい。
いや…もうあいつしかいらない。
ティア、愛してる…
アリスティアは、まだ気怠げな身体を起こしながら考えていた。
あの日、レオンハルトがやってきて挨拶を交わし、その後陛下への挨拶が終わって兄のアレクシスとダンスを踊った。
1曲終えた後、両親と一緒にもう一度陛下の元へ行き今回の婚約破棄を承諾いただけたお礼を述べた。
そして、レオンハルトからダンスの誘いを受けて…いったい何曲踊ったのだろうか?
彼は「次を狙っている輩が多いな…もう一曲いける?」と聞き、返事を待たずにアリスティアを連れて踊り続けたのだ。
そして、流石に何曲も踊りっぱなしに疲れ休みたいと申し出たところ…
レオンハルトの部屋まで連れ込まれて休憩に至った。
「はぁ…お父様とお母様が心配してるわね。お兄様にも怒られちゃうかしら」
帰るのが憂鬱だ…と感じながら、早々に身支度を終えてレオンハルトの寝室を出た。
お礼の手紙を添えて…。
屋敷に帰ると、お母様に出迎えられ「相変わらず愛されてるわね!」と、ニコニコしながら首筋を指摘された。
ん?と首を傾げると…
「独占欲丸出しね!」と笑われた。
それは、後に嫌と言うほど知ることとなった。
部屋で休むと伝え、湯浴みをしようと服を脱いだ瞬間。
目の前の鏡に写る自分の身体に驚愕した。
身体の至る所に、赤い花びらが撒き散らされていたからだ。
首元に一つ…
なんて、可愛いものじゃない!
首だけで、湿疹でも出たかと思う程の数が付けられていた。
…ちなみに、今脱いだドレスは昨晩夜会で着ていたドレスだ。
夜会向けの為、がっつりとデコルテが空いていて胸元が引き立つデザインだ。
城を出る時は上からケープを羽織っていたので見られてはいないはず…
しかし、屋敷に戻った際に玄関にてケープをとり侍女へ預けていた。
この量を見れば、お母様が言った言葉にも納得する。
____やられた!
頭を抱えつつも、お父様とお兄様に見つからなくて良かったと心から安堵した。
◇◇◇
その日の夜。
執務を終えたレオンハルトは自室へと戻ってきた。
ふぅーっ、と一息はきながら寝室へ行きベットへと腰を下ろした。
すでにベットは整えられてはいたが、寝室には未だにアリスティアの匂いが微かに香っていた。
最高の夜だった。
もう、二度とこの腕に抱けないと思っていた彼女を、もう一度抱くことができた。
その悦びでいっぱいだった。
自分の下と上で、淫らに喘いでいた姿を思い出す…
(あれだけ抱いたのに…まだ足りない)
今朝の情景を思い出すだけで、立ち上がりそうになる己の欲望を抑え込んだ。
(こんな気持ちにさせるのは、ティア…君だけだ)
着替えようと立ち上がると、ふとサイドテーブルに添えられた手紙が目に入った。
美しい均等のとれた字で、丁寧に"レオンへ"と書かれている。
そっと手に取り中を開くと、泊めてくれたお礼と執務への労りの言葉が並べられていた。
「…っ!!!」
そして、最後に添えられていた言葉に、先程抑え込んだはずの欲望が、ムクムクと主張するかの様に膨らんだ。
"レオンの腕の中は守られているみたいで、とても心地がいいわね。
素敵な夜をありがとう。
感謝を込めて…ティア"
「そこは、愛を込めて…だろ?ティア」
ははっ!と笑い、そそり立つ己へと手をかけた。
手紙を胸に抱き、ティアを抱いた感覚を呼び覚ます。何度も何度も狂おしいほど抱いたティアのイキ顔を思い出しながら、レオンハルトは己の欲望を解き放った。
一息つき、背中からベットへ仰向けに倒れ込み叫んだ。
「あーーーーっっ!!!」
あいつが欲しい。
あいつが欲しい。
あいつが欲しい。
いや…もうあいつしかいらない。
ティア、愛してる…
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