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51.第三王子のお茶会
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「皆様!本日は、トロワ王国へようこそおいで下さいました!
どうぞ、ごゆっくりおくつろぎ下さい」
先日の父の暴走により、第三王子であるジェイデンは急いで"婚約者候補の令嬢達"へお茶会の案内を送った。
令嬢達に一度も会いもせず断りの手紙を送るような事があれば、間違いなく国際問題へと発展してしまう可能性がある。
その為、ジェイデンは仕方なくお茶会を開催することにしたのだった。
場所は、色とりどりの花が咲き誇る王宮のテラスだ。
自国であるトロワの令嬢が誰一人として参加していない、かなりイレギュラーなお茶会である。
そして今回、妹のライラも結婚式でのお礼を伝えるために急遽参加することになった。
まぁ、それはもちろん取って付けた理由であって…
実際は、誰もが認めるほどの"女嫌い"へと成長した兄ジェイデンが、自ら令嬢達を招いたお茶会を開くなんて信じられない!
と、いち早くお茶会情報を聞きつけた妹のライラが数日前に王宮に駆け込んできた事が最大の理由だ。
ジェイデンも仕方なくこの状況になった経緯を説明すると、ライラは目を輝かせて…
いや、目をギラギラと輝かせて…
『私も参加致しますわ!!』
と、大興奮して掛け合ってきたのだ。
ジェイデンからすれば、小さくはあるが"妹"という防波堤ができるだけ少しはマシだと判断し参加を許可した。
そして、あっという間にライラの夫になったセルジオの妹、サフィーナのサポートも取り付けてきた。
その為、現在このお茶会にはサポート役の令嬢としてライラとサフィーナ嬢が参加していた。
二人ともジェイデンの親族扱いの為、会場内の令嬢達に分け隔て無く挨拶を交わしていく。
その手際の良さに関心しつつ、招いた客人を待たせることがなくなりジェイデンも安堵していた。
会場の様子を見ながら、一人一人へ挨拶を交わしていくジェイデン。
公の場に姿を現わさなかった彼の社交は、そのブランクを感じさせることもなく、王族らしくとても優雅で美しい所作で周囲の令嬢を魅了していった。
そして時折、「ほぉ~っ❤︎」と蕩けたような溜息交じりの声が上がり、ジェイデンと話し終えた令嬢達は一様に頬が赤く染め上げられていく。
自国の令嬢と違い、無駄に叫ばれることも囲まれることも無く、卒倒されることも失神されることもない。
そんな、真っ当なお茶会を開催できたことにジェイデンは心の中でとても喜んでいた。
そして、何も起きないことに気をよくしたジェイデンは挨拶が進むにつれ少しずつ警戒心を解き始める。
しかしそれは、彼の有り余るフェロモンをダダ漏れ状態にして令嬢達の間を進んでいくようなものだった。
ジェイデンは良いかもしれないが、それに当てられる令嬢達からすると堪ったものではない…
顔を真っ赤に染め上げ、パタパタと扇で仰ぎ出す令嬢が増え始める。
その様子に、サポート役のライラとサフィーナの二人も少しだけ頬を染めながら困ったように目配せしあった。
「はぁ、お兄様にも困ったものだわ…」
「殿下の、あのような笑顔は初めて見ましたわ…」
二人が驚くのも無理はない。
倒れない令嬢達に気をよくしたジェイデンは、トロワの公爵令嬢であるサフィーナでさえ見たことの無いような笑みで社交を始めたのだ。
そして、その喜びは彼女の姿を捉えた瞬間、絶頂を迎えることになる。
どうぞ、ごゆっくりおくつろぎ下さい」
先日の父の暴走により、第三王子であるジェイデンは急いで"婚約者候補の令嬢達"へお茶会の案内を送った。
令嬢達に一度も会いもせず断りの手紙を送るような事があれば、間違いなく国際問題へと発展してしまう可能性がある。
その為、ジェイデンは仕方なくお茶会を開催することにしたのだった。
場所は、色とりどりの花が咲き誇る王宮のテラスだ。
自国であるトロワの令嬢が誰一人として参加していない、かなりイレギュラーなお茶会である。
そして今回、妹のライラも結婚式でのお礼を伝えるために急遽参加することになった。
まぁ、それはもちろん取って付けた理由であって…
実際は、誰もが認めるほどの"女嫌い"へと成長した兄ジェイデンが、自ら令嬢達を招いたお茶会を開くなんて信じられない!
と、いち早くお茶会情報を聞きつけた妹のライラが数日前に王宮に駆け込んできた事が最大の理由だ。
ジェイデンも仕方なくこの状況になった経緯を説明すると、ライラは目を輝かせて…
いや、目をギラギラと輝かせて…
『私も参加致しますわ!!』
と、大興奮して掛け合ってきたのだ。
ジェイデンからすれば、小さくはあるが"妹"という防波堤ができるだけ少しはマシだと判断し参加を許可した。
そして、あっという間にライラの夫になったセルジオの妹、サフィーナのサポートも取り付けてきた。
その為、現在このお茶会にはサポート役の令嬢としてライラとサフィーナ嬢が参加していた。
二人ともジェイデンの親族扱いの為、会場内の令嬢達に分け隔て無く挨拶を交わしていく。
その手際の良さに関心しつつ、招いた客人を待たせることがなくなりジェイデンも安堵していた。
会場の様子を見ながら、一人一人へ挨拶を交わしていくジェイデン。
公の場に姿を現わさなかった彼の社交は、そのブランクを感じさせることもなく、王族らしくとても優雅で美しい所作で周囲の令嬢を魅了していった。
そして時折、「ほぉ~っ❤︎」と蕩けたような溜息交じりの声が上がり、ジェイデンと話し終えた令嬢達は一様に頬が赤く染め上げられていく。
自国の令嬢と違い、無駄に叫ばれることも囲まれることも無く、卒倒されることも失神されることもない。
そんな、真っ当なお茶会を開催できたことにジェイデンは心の中でとても喜んでいた。
そして、何も起きないことに気をよくしたジェイデンは挨拶が進むにつれ少しずつ警戒心を解き始める。
しかしそれは、彼の有り余るフェロモンをダダ漏れ状態にして令嬢達の間を進んでいくようなものだった。
ジェイデンは良いかもしれないが、それに当てられる令嬢達からすると堪ったものではない…
顔を真っ赤に染め上げ、パタパタと扇で仰ぎ出す令嬢が増え始める。
その様子に、サポート役のライラとサフィーナの二人も少しだけ頬を染めながら困ったように目配せしあった。
「はぁ、お兄様にも困ったものだわ…」
「殿下の、あのような笑顔は初めて見ましたわ…」
二人が驚くのも無理はない。
倒れない令嬢達に気をよくしたジェイデンは、トロワの公爵令嬢であるサフィーナでさえ見たことの無いような笑みで社交を始めたのだ。
そして、その喜びは彼女の姿を捉えた瞬間、絶頂を迎えることになる。
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