双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

32*王弟殿下と両手に双子

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何故、ここに王弟で有らせられる…
アレキサンダー殿下がいらっしゃるのでしょうか???


双子の頭の中は、それでいっぱいだった。
というか、完全にキャパオーバーである。

見るからに"はい、私は王族です!"と、主張できそうなほど整った顔面に、全てを見透かしているかのような碧眼は見極めるかのように、しっかりと双子を捉えていた。
そして、少し癖のある柔らかそうな長い金髪を後ろで緩く纏めた姿は、思わず…

『ご馳走様です!!!』

と、叫びたくなる程、大人の色気でムンムンだった。


それもその筈である。
先程の夜会で、王弟に挨拶をしに行ったときと今の彼では雰囲気がまるで違うのだから。

"全体的にピシッとして堅苦しい、少し強面な感じが王弟かぁ…"

そんな風に覚えたにも関わらず、今目の前にいる王弟は完全にオフ感で満載だった。
しかも、会場を離れたことで彼自身、気を緩めていたのだろう…
その力の抜けた感じと、溢れ出る色気がミックスされた極上のイケオジが、面白そうに双子と同じ目線の高さで屈んで向こうの様子を伺っているのだ。

もはや、双子にとっては最高のシチュエーションである。

アシュリーは、心の中で思った。

(やばい、エロい、抱かれたい!)と…

ナタリーも、心の中で思った。

(やばっ、カッコイイ、抱かれたい!)と…


流石は双子である。胸の内に秘めた思いまでもが、シンクロするのだ。
だからこそ、二人はお互いの考えがある程度読めるのだろう。

(この方は、いつまでここに居るのだろうか?)と。

一度、ちらっと王弟を盗み見るも、彼はまだ【三角関係~痴情のもつれ編】を鑑賞中だった。

ちなみに、今の進行状況を説明すると…
項垂れて地面に座り込んでいるアイリーンをよそに、ライオネル様にが必死にスカーレット様に頭を下げて謝罪をしているところだ。
まぁ、ここまでくると恋愛映画の流れとしては…

『スカーレット様とライオネル様は、産まれた子供と3人で仲良く暮らしました♪とさ』

的な感じで終わるのではないだろうか。

もはや、それで無事に終わって欲しい。


こっちは、それどころではないのだから!

双子の目の前には、無防備なイケオジのはだけた胸元がチラリと覗いていた。
そして、クラクラと子宮を刺激するような危ない香りに酔いしれそうになる。
極めつけは、耳元で囁かれるイケオジボイスだ。
大人の男性の、落ち着いていてどこか安心感を与えてくれるような低い綺麗な声が、双子の耳を刺激するのだ。
しかも、先程からずっとである。

こういう場合、どうしてもアラサーだった頃の自分たちが感情の最前線に出てきてしまう。
前世30代アラサーだった由佳と由希とは違い、現世のアシュリーとナタリーはまだ10代。
しかも、全く男っ気がなく、むしろ引き籠もりだったのだから、男女の駆け引きなんて出来るはずがないのだ。

…本来なら。

しかし、この双子はできてしまう。
しかも、それ以上に色々と…。

だから、双子にとってはそこのサジ加減が一番難しかった。
男を知らないなのに、今の二人は直ぐにでも王弟を押し倒したい!ぐらいには、欲求を募らせていた。
まぁ、その証拠にすでに二人の心の中では『抱かれたい』と豪語しているのだから。

必死に、浮かれそうになる自分を…
抱きつきたくなる自分を…
『一晩だけでも良い‥』と言ってしまいそうになる自分を…
懸命に押さえた双子は、なんとか平常を装い王弟に進言した。


「「アレキサンダー殿下、失礼します!」」

そう言うと、双子は王弟の両腕にそれぞれ腕をまわした。
もちろん、心の中では『触っちゃった♪』の一言である。
しかし、そんな気持ちを抑えた双子は、『もう鑑賞会は終了です!』と言わんばかりにその場を離れたのだった。

これは、王弟ではなく出演者側を案じてのことだった。
正直、不倫とか浮気などは貴族社会では特に厳しい。
それなのに、この劇場を鑑賞していたのが双子以外で、王弟となれば…
彼らは間違いなく、この貴族社会では生きづらくなるだろう。

だから、少しでも早く人物を特定される前にあの場所を離れさせたかったのである。

まぁ、もちろん、自分たちの欲望と限界が近かったせいもあるのだが…

そこに居るだけで、クラクラとさせられるイケメンの恐ろしさを痛感した双子だった。

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