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129 彼のエイチな彼
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「あれ?ユーリ!こんなところまで来てどうしたの?大司教さまに会うって伝言したんだけど聞いてない?」
「いや聞いたよ。だが私のいない場所で男と二人きりだなんて許しがたいと思ってね」
「不謹慎だよ!神のみ使い様だよ!それに大司教様はお話済んでもう帰られたよ!」
ユーリってば相変わらずの大暴走。僕にも少し分かって来た。僕に執着するのはユーリの幼少期を考えたら仕方ないって思ってたけど、それだけじゃない。ユーリってばとっても嫉妬深い…。
…なんて可愛いんだ!
そんなの…、何もかもあきらめたような瞳の毒公爵よりバイタリティがあっていいじゃないか!見てよ!この瞳のギラギラした輝き…。ちょっと僕が大変なのはユーリの為を思えばたいした問題じゃ…ない?
「けどちょうどいいや。ここまで来たんだもん。お姫様のお見舞いも付き合ってよ。」
「気が乗らないな。何故私が」
「だって僕一人で行ったら嫌がるでしょ?今回の王都は姫の様子見も目的の一つだからね」
「……分かった。」
元始の姉弟だからね。親しくしろとは言わないけど…せめてお見舞いくらいはしたらどうかな。ふいにそう思っただけなんだけどね。
侍女のお姉さんが扉を開ければ、そこは夢の国。真っ白な絹で揃えられたファブリックとロココ調の調度品。
お姫様だ…、お姫様の部屋だ…。フワフワしてヒラヒラしてる…。
リッターホルム邸も大公邸も、どちらかというと重厚な造りだからこういうのはどうも…もぞもぞする…。
「はいお姫様。お見舞いの花。それで体調はどうですか?薬は効きました?」
どんな時にも手を抜かないのが良い男の条件。抜かりなくさっき、ピンクと白のガーベラをたくさん束にしておいたのだ。
「これは…、まぁ!なんてかわいらしいお花。ふふ、ミーミル様、ありがとうございます。それからあのお薬も…、本当になんと言えばいいのか…。でも秘密ですもの、多くは語れませんわね。あの…、一粒で噓のように痛みが引いて…驚きましたわ。わたくしがとても感謝をしているということ…、それだけはどうぞお分かりくださいまし。」
「あれは聖王との約束なので。お気になさらず」
「父王は公爵家へ酷いことをしましたわ…。兄から聞きましたの、ユーリウス様がおっしゃったこと。知らずにいることがすでに罪…、そうですわね。わたくし罪深うございました。これからは兄と一緒に学ぼうと、そう思っているのですよ。父王には今まで何もさせてはもらえなかったから…。」
「そうだね、深窓のお姫様はもう終わりだ。けど…、王子と一緒に勉強はちょっとどうだろう?ほかの先生探してもらうね。」
「まぁ!何故ですの?」
「まぁ色々と…。情操教育に悪いと言うか…」
「よく分かりませんがお任せしますわ。思えば父はわたくしを父の闇から遠ざけていたのですわね。でもわたくしそれでも父を嫌いにはなれませんの。わたくしの呪いは恐ろしいものです。でもこの呪いこそが父王のわたくしへの愛情の証だと…。そう思うのはおかしいかしら?」
「ううん。いいんじゃないかな、それで」
「お薬の件…、これからもお手数おかけしますわ…ごめんなさいね」
…むしろあの柘榴が熟した経緯を考えるとこちらこそ申し訳なさの極みだ…。
だがお姫様は非常に落ち着いて過ごしているし、あの薬が効いたことで王と王妃も安心して辺境へと旅立てるようだ。
辺境への蟄居、王は快諾した訳じゃなかった様子だけど…、いつまでも前王がここに居ては大公もやりにくかろうと、コーネイン侯爵からの強引な提案らしい。さすが筆頭侯爵家当主。
「お姫様。必ず僕が呪いを解く!だから安心してここで待ってて。約束の指きr」
ガッ
「アッシュ、もう行こう。姫殿下…良好そうで何よりだがよく養生したまえ。ではごきげんよう。」
ユーリにより遮られ宙ぶらりんの右手…どうすんのこの指…
でもまぁ、ユーリの貴重なねぎらいの一言。初めて自ら声掛けしたと思えば大きな一歩だ。それなのに僕ときたら…
姫に渡したガーベラの花束。部屋に入る直前、僕が無造作に鷲掴んだその花束にユーリはクラバットを外して品よく結ぼうとしてくれた。なのに…。
「むむむ…。ち、ちょっとそこの官吏さん!その髪留めのリボン貰っていい?ごめんね。おいくら?」
「いえいえ!リボン程度どうぞお持ちください。お気になさらず!」
「はっ!アッシュ…すまない無神経だったね。私のものはすべて君のものだった。もう何一つ勝手に渡したりしない!」
というやり取りがあったことを、心狭き自分自身への自戒を込めて脳の海馬に記しておくことにする…。
「ねぇアッシュ、彼女の苦痛は時間と共に頻度を増していくんだろう?ならばここにいる間にあの黄金の薬、余裕を持って用意してあげるのはどうだろう。そうすればいちいち殿下にリッターホルムへ来させる手間もかけずにすむ。種は持って来たんだろう?」
「えっ?そっ、あ、うん。そうだよね…、そうなんだけど…」チラリ
二人きりで過ごすまったりした夜の時間。いきなりもちかけられたユーリからの提案。
僕とユーリはあれ以来、ユーリの鋼の意志を以て!少し激しめのキスとハグぐらいで終えられている…。
そのユーリからの少し人前では言えない秘密の提案…。
なんでだろう?それなりに良いこと言ってるはずなのに何故だか少しもそう思えないのは…。
「今夜スキルを使ってもいいかい?嫌ではないよね?私たちは夫夫なんだし」
「いやぁ…どうしよっかな…」
おかしいな…。顔中に下心って書いてある気がする…。そうして僕はポケットから出した掌の中の種をじっと見つめる…
「最後まではしないから、ね、いいだろう?少しだけ…」
そっ、それは信じちゃいけない男の言葉ランキング上位の台詞!ユーリッ!なんて台詞をっ!
「ふー、やれやれ。そう言ってなし崩しになるのが快楽に弱い男の本能、男の僕が言うんだから間違いない。ちょっと信じられないな…」
「わ、私にもプライドがある!自信を持って事に挑めるまでは最後までしない!」
本当だろうか…。種とユーリの顔を何度も見比べるけど…、そこに答えはない。うぅ~ん…
「少しだけ?約束する?ほんとに少し?」
「ああ!最後までは絶対しない!約束だ!」
僕とユーリにとって約束は大切なキーワード。それは決して破られたりはしない。…と思う。
「じ、じゃぁ…ユーリを信じて『種子創造』」シュルシュルシュル…ポン
「ふふ…実は可愛い嫉妬が嬉しくてね。自制きくかな…」ブワァ…
「えっ?」
「あ、あ、ああーーーーー…♡」
と、途中までって言ったって…、言ったってー!最後以外、ほぼ全部じゃん!バカっ!バカバカ!ユーリのエロ公爵ー!
「いや聞いたよ。だが私のいない場所で男と二人きりだなんて許しがたいと思ってね」
「不謹慎だよ!神のみ使い様だよ!それに大司教様はお話済んでもう帰られたよ!」
ユーリってば相変わらずの大暴走。僕にも少し分かって来た。僕に執着するのはユーリの幼少期を考えたら仕方ないって思ってたけど、それだけじゃない。ユーリってばとっても嫉妬深い…。
…なんて可愛いんだ!
そんなの…、何もかもあきらめたような瞳の毒公爵よりバイタリティがあっていいじゃないか!見てよ!この瞳のギラギラした輝き…。ちょっと僕が大変なのはユーリの為を思えばたいした問題じゃ…ない?
「けどちょうどいいや。ここまで来たんだもん。お姫様のお見舞いも付き合ってよ。」
「気が乗らないな。何故私が」
「だって僕一人で行ったら嫌がるでしょ?今回の王都は姫の様子見も目的の一つだからね」
「……分かった。」
元始の姉弟だからね。親しくしろとは言わないけど…せめてお見舞いくらいはしたらどうかな。ふいにそう思っただけなんだけどね。
侍女のお姉さんが扉を開ければ、そこは夢の国。真っ白な絹で揃えられたファブリックとロココ調の調度品。
お姫様だ…、お姫様の部屋だ…。フワフワしてヒラヒラしてる…。
リッターホルム邸も大公邸も、どちらかというと重厚な造りだからこういうのはどうも…もぞもぞする…。
「はいお姫様。お見舞いの花。それで体調はどうですか?薬は効きました?」
どんな時にも手を抜かないのが良い男の条件。抜かりなくさっき、ピンクと白のガーベラをたくさん束にしておいたのだ。
「これは…、まぁ!なんてかわいらしいお花。ふふ、ミーミル様、ありがとうございます。それからあのお薬も…、本当になんと言えばいいのか…。でも秘密ですもの、多くは語れませんわね。あの…、一粒で噓のように痛みが引いて…驚きましたわ。わたくしがとても感謝をしているということ…、それだけはどうぞお分かりくださいまし。」
「あれは聖王との約束なので。お気になさらず」
「父王は公爵家へ酷いことをしましたわ…。兄から聞きましたの、ユーリウス様がおっしゃったこと。知らずにいることがすでに罪…、そうですわね。わたくし罪深うございました。これからは兄と一緒に学ぼうと、そう思っているのですよ。父王には今まで何もさせてはもらえなかったから…。」
「そうだね、深窓のお姫様はもう終わりだ。けど…、王子と一緒に勉強はちょっとどうだろう?ほかの先生探してもらうね。」
「まぁ!何故ですの?」
「まぁ色々と…。情操教育に悪いと言うか…」
「よく分かりませんがお任せしますわ。思えば父はわたくしを父の闇から遠ざけていたのですわね。でもわたくしそれでも父を嫌いにはなれませんの。わたくしの呪いは恐ろしいものです。でもこの呪いこそが父王のわたくしへの愛情の証だと…。そう思うのはおかしいかしら?」
「ううん。いいんじゃないかな、それで」
「お薬の件…、これからもお手数おかけしますわ…ごめんなさいね」
…むしろあの柘榴が熟した経緯を考えるとこちらこそ申し訳なさの極みだ…。
だがお姫様は非常に落ち着いて過ごしているし、あの薬が効いたことで王と王妃も安心して辺境へと旅立てるようだ。
辺境への蟄居、王は快諾した訳じゃなかった様子だけど…、いつまでも前王がここに居ては大公もやりにくかろうと、コーネイン侯爵からの強引な提案らしい。さすが筆頭侯爵家当主。
「お姫様。必ず僕が呪いを解く!だから安心してここで待ってて。約束の指きr」
ガッ
「アッシュ、もう行こう。姫殿下…良好そうで何よりだがよく養生したまえ。ではごきげんよう。」
ユーリにより遮られ宙ぶらりんの右手…どうすんのこの指…
でもまぁ、ユーリの貴重なねぎらいの一言。初めて自ら声掛けしたと思えば大きな一歩だ。それなのに僕ときたら…
姫に渡したガーベラの花束。部屋に入る直前、僕が無造作に鷲掴んだその花束にユーリはクラバットを外して品よく結ぼうとしてくれた。なのに…。
「むむむ…。ち、ちょっとそこの官吏さん!その髪留めのリボン貰っていい?ごめんね。おいくら?」
「いえいえ!リボン程度どうぞお持ちください。お気になさらず!」
「はっ!アッシュ…すまない無神経だったね。私のものはすべて君のものだった。もう何一つ勝手に渡したりしない!」
というやり取りがあったことを、心狭き自分自身への自戒を込めて脳の海馬に記しておくことにする…。
「ねぇアッシュ、彼女の苦痛は時間と共に頻度を増していくんだろう?ならばここにいる間にあの黄金の薬、余裕を持って用意してあげるのはどうだろう。そうすればいちいち殿下にリッターホルムへ来させる手間もかけずにすむ。種は持って来たんだろう?」
「えっ?そっ、あ、うん。そうだよね…、そうなんだけど…」チラリ
二人きりで過ごすまったりした夜の時間。いきなりもちかけられたユーリからの提案。
僕とユーリはあれ以来、ユーリの鋼の意志を以て!少し激しめのキスとハグぐらいで終えられている…。
そのユーリからの少し人前では言えない秘密の提案…。
なんでだろう?それなりに良いこと言ってるはずなのに何故だか少しもそう思えないのは…。
「今夜スキルを使ってもいいかい?嫌ではないよね?私たちは夫夫なんだし」
「いやぁ…どうしよっかな…」
おかしいな…。顔中に下心って書いてある気がする…。そうして僕はポケットから出した掌の中の種をじっと見つめる…
「最後まではしないから、ね、いいだろう?少しだけ…」
そっ、それは信じちゃいけない男の言葉ランキング上位の台詞!ユーリッ!なんて台詞をっ!
「ふー、やれやれ。そう言ってなし崩しになるのが快楽に弱い男の本能、男の僕が言うんだから間違いない。ちょっと信じられないな…」
「わ、私にもプライドがある!自信を持って事に挑めるまでは最後までしない!」
本当だろうか…。種とユーリの顔を何度も見比べるけど…、そこに答えはない。うぅ~ん…
「少しだけ?約束する?ほんとに少し?」
「ああ!最後までは絶対しない!約束だ!」
僕とユーリにとって約束は大切なキーワード。それは決して破られたりはしない。…と思う。
「じ、じゃぁ…ユーリを信じて『種子創造』」シュルシュルシュル…ポン
「ふふ…実は可愛い嫉妬が嬉しくてね。自制きくかな…」ブワァ…
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―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
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