チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する

kozzy

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151 彼は嫉妬する

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「それで兄さん、アッシュさんは本当にすごいんです!微かに地響きがしたと思ったらいきなり背の高い木が出現して!」
「そ、そうなの?少し落ち着いてロビン…」

「その木のてっぺんにアッシュさんがっ!あ、いえ、アッシュさんとアレクシさんが!」
「ロビン君、いいよ、つけ足さなくても…」

「木にしがみついてるアッシュさんを見つけた時どれほど嬉しかったか…」
「良かった。う、でも見られてたんだ。へ、へぇー…」


しがみついて…、セミのようなあれを見られていたとは。ああ…せめてもう少しカッコよくしがみつけばよかった…


「アッシュさんの言うとおりにしたら火が点きました。少し大変でしたけど…アッシュさん、言われた通りに出来ましたよ!赤い火種がポゥっと…すごいです!アッシュさんでしたらもっと早く点けるのでしょうけど…私は時間がかかってしまいました…。もっと精進しますね」

「……」


言えない。今さら一度もやった事無いとは…言えない…


「白スグリ…、甘いんですね。赤スグリは酸っぱくて苦いから…知りませんでした。あんなに白いのが甘いなんて。そうだ!そのあとあれを見つけたんです!アッシュさんが仰っていた〝幻の珍果”サルナシ!すごく甘くて美味しかった。アッシュさんに見せてあげたいって思って!」

「ロビン君、それはアッシュ君がきみのために生息させたんだ。君の進路に向けて広範囲にね」
「そっ、…そうだったんですね。ありがとうございます…、その…、感激です…」


感動してはにかむロビン君は年相応でとてもかわいい。
そして今にも毒素を吐き出しそうなしかめっ面のユーリは…公爵閣下として実に相応じゃない。

あ~あ~、そんなに感情だだ洩れにしてしょうがないなぁ…


「あの〝ジップライン” 今ならとても楽しめそうです。アッシュさん、その、良ければ一緒にやりませんか?」

「いやちょっと、」
「すまないねロビン。アッシュはああ言ったものが苦手なのだよ。おや?君は知らなかったのか?ああ、それは私しか知らない事だった。何しろアッシュの事なら何でも知ってるんだ私は。なんでもね」

「ユーリ…」
「ユーリウス様…」


2つも下の子供に張り合うなんて…ユーリってばどうなのそれって。アレクシさんも呆れてるじゃないか。
でもまったく気に留め無いのがロビン君の良いところで…


「え…、じゃぁ私の為に苦手なものを堪えてくださったのですか?…アッシュさん…もう、胸がいっぱいです…」

チッ!

チッて言った?チッて言ったのユーリ ⁉ 驚きのあまりロビン以外の全員が固まったよ…。
人が墓穴を掘る瞬間を目撃してしまった…。

あれ?はしゃいでたロビンがうって変わってシュンとしている。感情の降り幅が大きいのも若さの特権だよねぇ。



「アッシュさん。ギリギリまで伸ばした滞在があと少しになってしまいました。とてもその…、残念です。もっといろいろお話うかがいたかった…どうしよう、せめてもう1日か2日…」

「あっ!あー、そうだね。け、けどそれはどうかな…」チラ

「………」

「ロ、ロビン。あんなことのあった後だもの。父上も母上も元気な顔を見たがっているよ。そっ、それにほら、すぐに夏休みになるのだから。今回は一度帰りなさい」


大慌てでロビンの暴走を止めに入るノールさん。ロビンとユーリに挟まれさっきからうっすらと冷や汗をかいている…気の毒に…


「そうですね兄さん。名残惜しいですがそうします。アッシュさん、では今日はずっと同行してもいいですか?作業の邪魔はしませんので昨日話していらした『金とプラチナの資産価値』あの続きをぜひお聞かせください」

「あ、う、うん。もちろん。フォレスト行こうと思ってるから案内するよ」チラ

「………」

「ロ、ロビン。アッシュ君にあまり迷惑かけてはいけないよ。そ、そうだ。今日は兄さんがもう一度領都へ連れて行ってあげる。あの木彫りの飾りは山で落としてしまったと言っていたね?新しいのを買ってあげよう。そういえばあのマツリカは領都でポプリとして売られているんだよ。それも兄さんが買ってあげる、ね、そうしたらどうかな?そうしなさい!」

「それはいい考えだノール!ではロビンの為に馬車を出すとしよう。ノールと領都をゆっくり楽しむがいい。そうだ。そのままその馬車で王都まで送らせよう。領都の待合馬車を使って帰るつもりだと君は言っていたがあんなことがあった後に一人で帰らせることなどとても出来ない。ノール、領都を回ったら家まで送ってやりたまえ」


ユーリ…、その真意はロビン以外の全員が正確に察してるよ…。ま、まぁ馬車で送るのには賛成だけど…


「ユーリウス様!私なんかをお気遣いいただきありがとうございます。そうまで仰っていただけるとは光栄です。ではお言葉に甘えてそうさせていただきます。実は手持ちが少し心もとなかったのです。先の領都で少し使いすぎてしまって…。アッシュさん、本当に本当に名残惜しいのですが…」

「あー、僕も名残惜しいかな…。でもまたおいでよ。これに懲りずに」

「はい、そうします」

本当に素直ないい子だ。



あの事件で分かったことだが…

どうやらロビンは少々惚れっぽいようだ。いや誤解があっちゃいけないな。敬愛の対象をヘンリックさんから僕へと移したようだ…。
そしてアッシュさんアッシュさんと無邪気に懐いてくれて、すごく嬉しいしくすぐったいんだけど…ユーリの機嫌は日増しに悪化の一途を辿っていてね…、僕とノールさんがこの数日どれほど神経すり減らしたか…

………

なんて心の狭い公爵様なんだ…。成人前の子供相手に大人げないったら…。
あからさまにしてないだけましだけど…いや、思いっきりしてるか?ロビンが気付いてないだけで…



とにかく!夜になるたび不安だ不安だって僕に慰めを強要するのはどうかと思うよ?






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