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receive 祝福
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お父様がウエストエンドへ来たのには他にも大きな理由がある。それはこの子達フィンとグリージオが神殿で『祝福』を授かるのに立ち会うためだ。
来週僕は超絶忙しい。なにしろ王城、ここ、そしてウルグレイスと、三カ所移動しながら全てで『祝福』の儀と祝賀パーティーに参加するからだ。もつかな身体…。
因みにお父様と左大臣はエトゥーリア共和国大使であるシュバルツのクラレンス王国における後見人でもある。今回左大臣がルカの『祝福』に立ち会うためグリージオの『祝福』にはお父様がやってきたのだ。実はハミルトンの叔父様も一緒に。
「叔父様いらっしゃい!婚姻の式典以来ですね。お会いしたかった。馬車鉄道も開通したんですからもっと来てくださいよ、もうっ!」
「すまないねレジナルド。だが誰かさんにあの広大なハミルトンを丸投げされているおかげで私もなかなか大変なのだよ」
「…あ…」
「ランカスターはこれで安泰と言う事か。侯爵家にはコリンが居て公爵家にはフィンが居る。ハミルトンはどうする?亡きイザベラから継いだものをこのままには出来ないよ、レジナルド」
墓穴…。
ハミルトン領は一度たりとも危うくなったことなど無かったからほとんど気にした事が無かった。僕はいっそ叔父様、もしくは叔父様の子達が継いだらいいんじゃないかと思っているのだが、叔父様はハミルトン伯爵領を別途お持ちだし、嫡男以外のご子息がたもそれぞれ婿入りしたりそれなりに地位の有る立場のようだ。
「それに私はイザベラの意志を無視することは出来ないよ。彼女はランカスターが早晩傾くことを危惧して、だからこそ君にハミルトンを残そうと死の間際まで執務に奔走したのだ」
「叔父様…。わかりました。よく考えます。ええ、真面目に」
「頼んだよ」
うぅーん…、また一つ考えることが増えてしまった…。
さ、さて気を取り直して!今回ベターライフ神殿で『祝福』を授けるのは言わずとしれたニコである。
シュバルツとやって来たグリージオも含めて三人が並んだ姿にニコの興奮は最高潮だ。因みにエルウィンは形式だけの参加である。
「ああ~んカワイイ!孵化したての時より顔立ちがはっきりしてきたわね。眩しいわ…」
「でしょ。ルカとラシエールも居たら良かったんだけどね」
さすがに公衆の面前で女神官の部屋に入れるのは僕と子供たちだけである。
お父様と叔父様、シュバルツとパウル、ヴォルフにシャリム、アーニーとウィル、うちの家人たちはみなすでに着席してお待ちかねだ。
「ルカちゃんは王城で一昨日だっけ?ラシエールちゃんは明後日ウルグレイスで?」
「そう。おかげで忙しいよ。王城はフィンも一緒だったんだよ」
「あら?全員連れてかなかったの?」
「グリージオは一応エトゥーリアの子だしエルウィンはエルフの子だしね。クラレンス籍の子はフィンだけなんだよ」
「言われて見れば…」
「でも明後日のウルグレイスはエルウィンを連れていくよ」
「フィンちゃんは?」
「本人がやだって。ヴォルフがすかした国、とか言うから…」
「ひどいわね…」
万能通訳であるシャリムの活躍で最低限の意思疎通ができるのは勿怪の幸いだった。その事実にやきもちを焼くヴォルフがまた面白い。
「さあチャチャっとやっちゃいましょうか。何の属性が生えるのかしら。楽しみね」
儀式の手順はもう分かっている。『祝福』の水晶を両手で握らせるとニコが何かの呪文を唱えていく。輝きだす水晶。そしてその向こう側には真っ赤な炎が見える…。
「フィン様の属性は炎でございますね」
「それはそれは」
強い性質を持つ炎属性は当主の属性として好まれることが多い。ジェイコブもクラウスも互いに満足顔で頷き合っている。
「兄様、グリージオは兄様が会得された土のようですね」
「うむ。私と同じ…。ますます実感がわいたよ」
土属性はシュバルツにとって義父、義弟となるランカスターのお父様、コリンの属性でもある。ほら、お父様が悦に入った顔で嬉しそうだ。
「エルウィン様は形だけ…って、あら?水晶はどこ?」
「す、すみません…、ニコ様、水晶はここに…」
「ありがとうウィル。ん?キャンドルの日が全部消えたわ…」
「ゴメン、ニコ…」
「ニコ様、聖水の瓶が空っぽです」
「エル、それホント?困ったわね…」
犯人は当然いたずらっ子のエルウィンである。
その後の鑑定でエルウィンのレベルがすでに10程まで上がっていることが判明した。彼はそろそろミルクも卒業だし…、残念だが早めにエルフの里へ戻した方が良いかもしれない。彼らエルフを人間社会の枠にはめ込んで良いとも思えない。次にエルダーが来たとき相談しよう。
儀式を終え神殿を出るとそこには多くの領民たちがフィンたちを一目見んと待ち構えていた。今日はこのままアッパータウンまで含めてパレードの予定である。ここが世界一安全な領、ウエストエンドで良かった。おかげで屋根の無いオープンな馬車でみんなに思いっきりお披露目が出来る。
よく似た三人の息子たち。中でも獣人比率の高いここウエストエンドの嫡男となるフィンは地面が割れんばかりの大歓声に迎えられている。
「レジー様!フィン様!ばんざーい!」
「でかしたぞヴォルフ!」
「よくやった!」
突っ込みづらい声援は遠慮して欲しい…。
さて、事あるごとに開催される恒例の大宴会だが当然今回も領を上げて行われる。
ただ酒ただ飯ただ余興。ヴィラ及びアッパータウンには曲芸師や演奏家が手配してある。ダウンタウンでは有志が勝手に出し物でも行うだろう。パレード中にもポールダンスをするコアラ獣人のドアラさんが見えたしチンパンジー獣人のパンくんがジャグリングしているのも見えた。みんな楽しそうだ。
そうして領内を周回して到着した屋敷には先に帰っていたシャリムとアーニーが居た。
「ごめんねアーニー呼び出して。どうしても揃ってお祝いしたくて。でもフィンを下町にはまだ連れていけないから」
「良いけどよ。明後日はセザールんとこか?」
「そうだけど?」
「それが済んだら少し落ち着くのか?」
「んー、まぁ一段落かな」
「そうしたら約束のレイジタウンな。エトゥーリアでもいいけどよ。海鮮食べさせてくれんだろ?」
…あー、そんな話してたっけ。でも丁度いい。エトゥーリアとウルグレイスの電波塔建築視察、そのお出かけは出張扱いにしておくから…頑張ろうね、アーニー。
来週僕は超絶忙しい。なにしろ王城、ここ、そしてウルグレイスと、三カ所移動しながら全てで『祝福』の儀と祝賀パーティーに参加するからだ。もつかな身体…。
因みにお父様と左大臣はエトゥーリア共和国大使であるシュバルツのクラレンス王国における後見人でもある。今回左大臣がルカの『祝福』に立ち会うためグリージオの『祝福』にはお父様がやってきたのだ。実はハミルトンの叔父様も一緒に。
「叔父様いらっしゃい!婚姻の式典以来ですね。お会いしたかった。馬車鉄道も開通したんですからもっと来てくださいよ、もうっ!」
「すまないねレジナルド。だが誰かさんにあの広大なハミルトンを丸投げされているおかげで私もなかなか大変なのだよ」
「…あ…」
「ランカスターはこれで安泰と言う事か。侯爵家にはコリンが居て公爵家にはフィンが居る。ハミルトンはどうする?亡きイザベラから継いだものをこのままには出来ないよ、レジナルド」
墓穴…。
ハミルトン領は一度たりとも危うくなったことなど無かったからほとんど気にした事が無かった。僕はいっそ叔父様、もしくは叔父様の子達が継いだらいいんじゃないかと思っているのだが、叔父様はハミルトン伯爵領を別途お持ちだし、嫡男以外のご子息がたもそれぞれ婿入りしたりそれなりに地位の有る立場のようだ。
「それに私はイザベラの意志を無視することは出来ないよ。彼女はランカスターが早晩傾くことを危惧して、だからこそ君にハミルトンを残そうと死の間際まで執務に奔走したのだ」
「叔父様…。わかりました。よく考えます。ええ、真面目に」
「頼んだよ」
うぅーん…、また一つ考えることが増えてしまった…。
さ、さて気を取り直して!今回ベターライフ神殿で『祝福』を授けるのは言わずとしれたニコである。
シュバルツとやって来たグリージオも含めて三人が並んだ姿にニコの興奮は最高潮だ。因みにエルウィンは形式だけの参加である。
「ああ~んカワイイ!孵化したての時より顔立ちがはっきりしてきたわね。眩しいわ…」
「でしょ。ルカとラシエールも居たら良かったんだけどね」
さすがに公衆の面前で女神官の部屋に入れるのは僕と子供たちだけである。
お父様と叔父様、シュバルツとパウル、ヴォルフにシャリム、アーニーとウィル、うちの家人たちはみなすでに着席してお待ちかねだ。
「ルカちゃんは王城で一昨日だっけ?ラシエールちゃんは明後日ウルグレイスで?」
「そう。おかげで忙しいよ。王城はフィンも一緒だったんだよ」
「あら?全員連れてかなかったの?」
「グリージオは一応エトゥーリアの子だしエルウィンはエルフの子だしね。クラレンス籍の子はフィンだけなんだよ」
「言われて見れば…」
「でも明後日のウルグレイスはエルウィンを連れていくよ」
「フィンちゃんは?」
「本人がやだって。ヴォルフがすかした国、とか言うから…」
「ひどいわね…」
万能通訳であるシャリムの活躍で最低限の意思疎通ができるのは勿怪の幸いだった。その事実にやきもちを焼くヴォルフがまた面白い。
「さあチャチャっとやっちゃいましょうか。何の属性が生えるのかしら。楽しみね」
儀式の手順はもう分かっている。『祝福』の水晶を両手で握らせるとニコが何かの呪文を唱えていく。輝きだす水晶。そしてその向こう側には真っ赤な炎が見える…。
「フィン様の属性は炎でございますね」
「それはそれは」
強い性質を持つ炎属性は当主の属性として好まれることが多い。ジェイコブもクラウスも互いに満足顔で頷き合っている。
「兄様、グリージオは兄様が会得された土のようですね」
「うむ。私と同じ…。ますます実感がわいたよ」
土属性はシュバルツにとって義父、義弟となるランカスターのお父様、コリンの属性でもある。ほら、お父様が悦に入った顔で嬉しそうだ。
「エルウィン様は形だけ…って、あら?水晶はどこ?」
「す、すみません…、ニコ様、水晶はここに…」
「ありがとうウィル。ん?キャンドルの日が全部消えたわ…」
「ゴメン、ニコ…」
「ニコ様、聖水の瓶が空っぽです」
「エル、それホント?困ったわね…」
犯人は当然いたずらっ子のエルウィンである。
その後の鑑定でエルウィンのレベルがすでに10程まで上がっていることが判明した。彼はそろそろミルクも卒業だし…、残念だが早めにエルフの里へ戻した方が良いかもしれない。彼らエルフを人間社会の枠にはめ込んで良いとも思えない。次にエルダーが来たとき相談しよう。
儀式を終え神殿を出るとそこには多くの領民たちがフィンたちを一目見んと待ち構えていた。今日はこのままアッパータウンまで含めてパレードの予定である。ここが世界一安全な領、ウエストエンドで良かった。おかげで屋根の無いオープンな馬車でみんなに思いっきりお披露目が出来る。
よく似た三人の息子たち。中でも獣人比率の高いここウエストエンドの嫡男となるフィンは地面が割れんばかりの大歓声に迎えられている。
「レジー様!フィン様!ばんざーい!」
「でかしたぞヴォルフ!」
「よくやった!」
突っ込みづらい声援は遠慮して欲しい…。
さて、事あるごとに開催される恒例の大宴会だが当然今回も領を上げて行われる。
ただ酒ただ飯ただ余興。ヴィラ及びアッパータウンには曲芸師や演奏家が手配してある。ダウンタウンでは有志が勝手に出し物でも行うだろう。パレード中にもポールダンスをするコアラ獣人のドアラさんが見えたしチンパンジー獣人のパンくんがジャグリングしているのも見えた。みんな楽しそうだ。
そうして領内を周回して到着した屋敷には先に帰っていたシャリムとアーニーが居た。
「ごめんねアーニー呼び出して。どうしても揃ってお祝いしたくて。でもフィンを下町にはまだ連れていけないから」
「良いけどよ。明後日はセザールんとこか?」
「そうだけど?」
「それが済んだら少し落ち着くのか?」
「んー、まぁ一段落かな」
「そうしたら約束のレイジタウンな。エトゥーリアでもいいけどよ。海鮮食べさせてくれんだろ?」
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