19 / 225
二人は仲良く初デート
しおりを挟む
「えーとどれどれ…?」
昨日張り出した募集の紙はリコによりすでに剥がされている。なのに何しに来たかと言うと…
「イヴァーノ、その紙は?」
「あれ?来ちゃったの?えっとこれは求人票です」
僕のコス喫茶軍資金は追加二人分の人件費へと名前を変えた。
とりあえずしばらくの生活費は死守しているが…何かで増やさない事にはいずれ無くなる。
ということは、何をするにしても、先ずはお金を貯めなきゃ話にならないってことだ。
「あ、これとか良さそう。一応キープっと」ペリ
「もしかして君は市井で働くつもりかい?」
「そうですよ。とりあえずバイトしないと。うーん、これもキープしとこう」ペリ
目的に向かって必要経費を計算しそれに合わせてお金を稼ぐ。これは慣れ親しんだ僕のルーティーン。好きなことを好きなだけ楽しむためなら働くのに僕は何の抵抗もない。無いのだが…
「だが私が伯爵なら君は伯爵夫人だ。市井へ働きに出るなど社交界から笑われよう。コレッティ侯も許さぬと思うが…」
「わかってますよ。もしかして…嫌なの?」
「いいや。だが君の外聞が悪くなっては…」
「大丈夫です。心配いりません」
そう。伯爵夫人の僕が汗水流して働く…なんて、万が一あのお父さんにバレたら多分特大の雷が落ちる事請け合いだ。勘当どころじゃすまないかもしれない。
それに、それにだよ?
万が一にもあのパンクラツィオや他の攻略者たちにバレたりしたら…そしてあろうことか馬鹿にされでもしたら…
ちょっとそればかりは想像するだけでも…ムカつく。真面目に働いて馬鹿にされるって意味わかんないけど、それが貴族なら従うしかない。
そこであれだよ。ふっふっふっ、僕には奥の手がある。
「イヴァーノ、君にばかり苦労を掛けるのは忍びない。であればやはり私も何か…」
「ちょ!絶対止めて下さいね!面倒が舞い込む予感しかしない!それにこれは苦労とかじゃないですから。むしろ趣味と実益…とでも言うか…」
「イヴァーノ…」
まあ見てろって!
所変わってここは園芸の店。菜園に必要な種や苗、道具などは全部ここで揃うらしい。
「フラヴィオ、プラムとオレンジ、どっちがいい?」
「オレンジだろうか…。国に居る時から絞りたての果汁を楽しんでいたのでね」
「じゃあオレンジをシンボルツリーにしましょうね。後で植えるの手伝ってくださいよ?」
「もちろんだ」
実がなるまでは数年かかるが、フラヴィオはルイージ君が成人まではこの国に居ると言っていた。なら一緒に収穫できるだろう。できたらいいな。
さて、一番簡単なサツマイモとジャガイモは鉄板として…
「へー、庭に生えていたカブみたいなハーブ、フェンネルっていうんだ」
「またあのスープ作ってもらえるかい。茎が蕩けそうで美味しかった」
「じゃあ少し苗買い足しましょうか。フラヴィオは食いしん坊ですね」
あの夜フラヴィオは、あの野菜が庭に自生していた雑草ハーブだと知っても怒るでなくドン引きするでもなく、一言「雑草とは強いものだね…」としみじみ言った。
ああいうところがただの箱入りお坊ちゃんとは違うところで、僕がフラヴィオを「ポンコツだけど憎めないな」と思う部分だ。
さて、あとは茎の赤いチコリと、やたらカラフルなチャード、小松菜みたいなレタ…ス?の種を手に取るが、…うーん、紫色のキャベツや玉ねぎといい、野菜までやたらカラフルなのもキラキラゲーム仕様だろうか?
あとはズッキーニやトマト、パプリカといった実のなる野菜の苗を買い入れて、買い物終了っと!
----------------
「ゲッ!フラヴィオ隠れて!」
「な、何をイヴァーノ!」
園芸店を出た私たちは金物を扱う店を目指していた。イヴァーノが「鉄板が欲しい」と言ったからだ。
そんな最中、いきなり腕を掴んだイヴァーノは私を狭い路地に押し込めようとした。
だが彼は忘れている。私たちには荷車を引く馬が居るということを。
「あっ!イヴァーノ様!イヴァーノ様じゃないですかぁ?」
「ニコラ…」
「わぁ会いたかったぁ!パンクラツィオ様から婚約を解消され名もなき男爵子息に嫁いだとお聞きしましたが…お元気でしたぁ?」
「うるさい二コラ!僕が誰と結婚しようがお前に関係ないでしょーが。そもそも元凶がそれを言うな!」
馬と共に立ちすくむ私をよそに、イヴァーノはピンクブラウンの髪を肩まで伸ばした、まるで少女の様な青年と話し始めた。
元凶…ということは、この目の前に居る彼がコレッティ家の執事がお話しになられていた、学院内の男たちを、それも王子殿下や名門家のご子息たちを次々に陥落させていると言う…教会に住む魔性の青年、その名も二コラか。
「ひどぉい!そんなこと言わないでください。誤解があるみたいですけどぉ、僕は何もしていませんし言ってもいないですぅ。あれはパンクラツィオ様が勝手になさったことでぇ…僕はイヴァーノ様とも仲良くしたかったのにぃ!」
「はいはい。あーそうですか。てかその語尾ヤメロ。イライラする」
「えー、ひどぉい!でもぉ、僕イヴァーノ様に謝りたいって思っててぇ…」
「はぁ?」
「パンクラツィオ様が僕を好きになっちゃってぇ…ゴメンナサイ?」
「その語尾ヤメロっつっただろーが!!!」
ビクッ!「ヒッ!」
「熨斗つけてくれてやるわあんなもん!」
「…な、なんかイヴァーノ様…口調変わりました…?」
「いーや!とにかく僕はあんなモラ男予備軍少しも好きじゃないから。どうぞご自由に」
「イヴァーノ様?そんな風に強がりばかり言うから捨てられちゃったんですよ。もっと可愛く泣いてすがりつけば良かったのに。言ってくだされば教えて差し上げますよ?」
目の前の小柄な青年はイヴァーノと違い、どこか万人に親しみを感じさせる可憐さを漂わせている。
常に少し上目使いの目は己の魅力を十分に熟知したうえでそうしているのだろう。それはあの少しとがらせた唇にも言えることだ。
彼は全身から可愛らしさを振り撒いているが、その甘えた物言いに何か含みを感じるのは気のせいだろうか。
「出たよ本性、あざとっ!あの場に居ながら何が見えてたの。あれは捨てられたんじゃなくて僕が捨てたんだけど…その眼は飾り物かっ!!!」
ビクビクッ!「じ、次期公爵夫人の座にあれだけご執心だったのに誰が信じると思ってるんですか?」
「僕は態度のデカい浮気者は昔っから大っ嫌いだ!あんな奴一度だって好きだったことはない!」
イヴァーノは一貫してそう主張を続けている。そして私はその言葉を固く信じている。
昨日張り出した募集の紙はリコによりすでに剥がされている。なのに何しに来たかと言うと…
「イヴァーノ、その紙は?」
「あれ?来ちゃったの?えっとこれは求人票です」
僕のコス喫茶軍資金は追加二人分の人件費へと名前を変えた。
とりあえずしばらくの生活費は死守しているが…何かで増やさない事にはいずれ無くなる。
ということは、何をするにしても、先ずはお金を貯めなきゃ話にならないってことだ。
「あ、これとか良さそう。一応キープっと」ペリ
「もしかして君は市井で働くつもりかい?」
「そうですよ。とりあえずバイトしないと。うーん、これもキープしとこう」ペリ
目的に向かって必要経費を計算しそれに合わせてお金を稼ぐ。これは慣れ親しんだ僕のルーティーン。好きなことを好きなだけ楽しむためなら働くのに僕は何の抵抗もない。無いのだが…
「だが私が伯爵なら君は伯爵夫人だ。市井へ働きに出るなど社交界から笑われよう。コレッティ侯も許さぬと思うが…」
「わかってますよ。もしかして…嫌なの?」
「いいや。だが君の外聞が悪くなっては…」
「大丈夫です。心配いりません」
そう。伯爵夫人の僕が汗水流して働く…なんて、万が一あのお父さんにバレたら多分特大の雷が落ちる事請け合いだ。勘当どころじゃすまないかもしれない。
それに、それにだよ?
万が一にもあのパンクラツィオや他の攻略者たちにバレたりしたら…そしてあろうことか馬鹿にされでもしたら…
ちょっとそればかりは想像するだけでも…ムカつく。真面目に働いて馬鹿にされるって意味わかんないけど、それが貴族なら従うしかない。
そこであれだよ。ふっふっふっ、僕には奥の手がある。
「イヴァーノ、君にばかり苦労を掛けるのは忍びない。であればやはり私も何か…」
「ちょ!絶対止めて下さいね!面倒が舞い込む予感しかしない!それにこれは苦労とかじゃないですから。むしろ趣味と実益…とでも言うか…」
「イヴァーノ…」
まあ見てろって!
所変わってここは園芸の店。菜園に必要な種や苗、道具などは全部ここで揃うらしい。
「フラヴィオ、プラムとオレンジ、どっちがいい?」
「オレンジだろうか…。国に居る時から絞りたての果汁を楽しんでいたのでね」
「じゃあオレンジをシンボルツリーにしましょうね。後で植えるの手伝ってくださいよ?」
「もちろんだ」
実がなるまでは数年かかるが、フラヴィオはルイージ君が成人まではこの国に居ると言っていた。なら一緒に収穫できるだろう。できたらいいな。
さて、一番簡単なサツマイモとジャガイモは鉄板として…
「へー、庭に生えていたカブみたいなハーブ、フェンネルっていうんだ」
「またあのスープ作ってもらえるかい。茎が蕩けそうで美味しかった」
「じゃあ少し苗買い足しましょうか。フラヴィオは食いしん坊ですね」
あの夜フラヴィオは、あの野菜が庭に自生していた雑草ハーブだと知っても怒るでなくドン引きするでもなく、一言「雑草とは強いものだね…」としみじみ言った。
ああいうところがただの箱入りお坊ちゃんとは違うところで、僕がフラヴィオを「ポンコツだけど憎めないな」と思う部分だ。
さて、あとは茎の赤いチコリと、やたらカラフルなチャード、小松菜みたいなレタ…ス?の種を手に取るが、…うーん、紫色のキャベツや玉ねぎといい、野菜までやたらカラフルなのもキラキラゲーム仕様だろうか?
あとはズッキーニやトマト、パプリカといった実のなる野菜の苗を買い入れて、買い物終了っと!
----------------
「ゲッ!フラヴィオ隠れて!」
「な、何をイヴァーノ!」
園芸店を出た私たちは金物を扱う店を目指していた。イヴァーノが「鉄板が欲しい」と言ったからだ。
そんな最中、いきなり腕を掴んだイヴァーノは私を狭い路地に押し込めようとした。
だが彼は忘れている。私たちには荷車を引く馬が居るということを。
「あっ!イヴァーノ様!イヴァーノ様じゃないですかぁ?」
「ニコラ…」
「わぁ会いたかったぁ!パンクラツィオ様から婚約を解消され名もなき男爵子息に嫁いだとお聞きしましたが…お元気でしたぁ?」
「うるさい二コラ!僕が誰と結婚しようがお前に関係ないでしょーが。そもそも元凶がそれを言うな!」
馬と共に立ちすくむ私をよそに、イヴァーノはピンクブラウンの髪を肩まで伸ばした、まるで少女の様な青年と話し始めた。
元凶…ということは、この目の前に居る彼がコレッティ家の執事がお話しになられていた、学院内の男たちを、それも王子殿下や名門家のご子息たちを次々に陥落させていると言う…教会に住む魔性の青年、その名も二コラか。
「ひどぉい!そんなこと言わないでください。誤解があるみたいですけどぉ、僕は何もしていませんし言ってもいないですぅ。あれはパンクラツィオ様が勝手になさったことでぇ…僕はイヴァーノ様とも仲良くしたかったのにぃ!」
「はいはい。あーそうですか。てかその語尾ヤメロ。イライラする」
「えー、ひどぉい!でもぉ、僕イヴァーノ様に謝りたいって思っててぇ…」
「はぁ?」
「パンクラツィオ様が僕を好きになっちゃってぇ…ゴメンナサイ?」
「その語尾ヤメロっつっただろーが!!!」
ビクッ!「ヒッ!」
「熨斗つけてくれてやるわあんなもん!」
「…な、なんかイヴァーノ様…口調変わりました…?」
「いーや!とにかく僕はあんなモラ男予備軍少しも好きじゃないから。どうぞご自由に」
「イヴァーノ様?そんな風に強がりばかり言うから捨てられちゃったんですよ。もっと可愛く泣いてすがりつけば良かったのに。言ってくだされば教えて差し上げますよ?」
目の前の小柄な青年はイヴァーノと違い、どこか万人に親しみを感じさせる可憐さを漂わせている。
常に少し上目使いの目は己の魅力を十分に熟知したうえでそうしているのだろう。それはあの少しとがらせた唇にも言えることだ。
彼は全身から可愛らしさを振り撒いているが、その甘えた物言いに何か含みを感じるのは気のせいだろうか。
「出たよ本性、あざとっ!あの場に居ながら何が見えてたの。あれは捨てられたんじゃなくて僕が捨てたんだけど…その眼は飾り物かっ!!!」
ビクビクッ!「じ、次期公爵夫人の座にあれだけご執心だったのに誰が信じると思ってるんですか?」
「僕は態度のデカい浮気者は昔っから大っ嫌いだ!あんな奴一度だって好きだったことはない!」
イヴァーノは一貫してそう主張を続けている。そして私はその言葉を固く信じている。
1,221
あなたにおすすめの小説
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日投稿だけど時間は不定期
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸にクリスがひたすら愛され、大好きな兄と暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスは冤罪によって処刑されてしまう。
次に目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過保護な兄たちに可愛がられ、溺愛されていく。
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで新たな人生を謳歌する、コミカル&シリアスなハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
推しの為なら悪役令息になるのは大歓迎です!
こうらい ゆあ
BL
「モブレッド・アテウーマ、貴様との婚約を破棄する!」王太子の宣言で始まった待ちに待った断罪イベント!悪役令息であるモブレッドはこの日を心待ちにしていた。すべては推しである主人公ユレイユの幸せのため!推しの幸せを願い、日夜フラグを必死に回収していくモブレッド。ところが、予想外の展開が待っていて…?
悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる