涙袋 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地

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   第61夜・『それ位の幸せがあってもいいと思うんですよね~』

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 ・・・職場に、A君と言う人物がいて、そのA君は、B子さんを好きだった。

 ある日。

 A 「団地さん、B子さん、可愛いっスよね^^」

 団地 「俺の好みではないけど、男たちに人気あるよね^^」

 A 「ええ^^ 俺、この間、テレビを見ていたら、この会社の近くに美味しいケーキ屋さんがあるのを知ったんです」

 団地 「ふんふん」

 A 「で、そのケーキ屋さんに、B子さんを誘おうと思っているんですよ」

 団地 「ふむふむ、それはいいねぇ^^」

 A 「ですよね! 彼女(B子さん)、ここで週の半分を働いて、後の週の半分は違うところで働いて、頑張っているんです」

 団地 「へーっ」

 A 「だから、美味しいケーキを食べるくらいの幸せがあってもいいと思うのです」

 団地 「・・・、・・・(ピクッ)」

 A 「ねえ? それくらいの幸せがあってもいいですよねぇ?」

 団地 「・・・、・・・(同意を求めるなー^^;)」

 私は結構、その口振りに驚いた。

 大概、人を好きになるにおいては、その対象を、自分の常識や価値観と言う「考え」の範疇で規定するものだが、

 心の中の思いはどうあれ、いざ行動に移す段においては、まずは、こちら側が求め(好きになっ)ているので、相手の思いは、多分に希望的観測はあれど「不確定」と言う考えのもと、どうしても、やや控えめな言動になって然るべきだと考える。

 それを、あたかも、彼女が選んで満足し続けている生活を、「不幸」ででもあるかのように判断し、

 自分が、彼女(B子さん)に「ご褒美」でも与えてやるかのような、「上から目線」のA君のもの言いに、

 あたいは、のけぞりそうになったものだった・・・。

   ◇

 だから、私は、一昨日、同僚の数人に、「ずーっと仕事休まずに頑張ってきたので、明日はピンサロに行こうと思っているんですよ^^」と話したものだが、

 上記のA君の逸話を知っている人には、

「明日はピンサロに行こうと思っているんですよ^^ それぐらいの幸せが俺にあってもいいと思うんですよね」

 と言ったら、その話のニュアンスを理解できる相手は大爆笑していた^^;

                       ・・・(2011/10/19)
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