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第二章 中央大陸
拾われ子の成長
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中央大陸は地域ごとに分けると北部、北西部、西部、南西部、南部、南東部、東部、北東部、そして中央部の九つに分けられる。
中央大陸に来て約一ヶ月半。スイとコハクは中央部へと辿り着いていた。
『流石中央部、平原が続いてて雨を遮る物が何も無い……』
冷たい雨が降り頻る中を歩く。
二回り程細くなったコハクは長い毛先から、スイも髪や顎の先から絶えず水が落ちる程ずぶ濡れとなっている。
『今日は次見えた町で休もう。雨の中ずっと歩いてきて疲れちゃった』
《うん……寒い……身体重い……》
『毛が濡れてぺったりしてるもんね。宿に着いたら乾かすよ』
《お願い……》
ただでさえ濡れるのが嫌いなのに雨でずぶ濡れになり、重く垂れ下がった毛に包まれながら長い時間歩くのは相当堪えるらしく、コハクはずっと消沈している。
対照的にスイは疲労こそあるが、コハクのように雨自体に気が滅入っている様子は無い。
『モンスターも泊まれる宿があれば良いなぁ』
無かった場合、コハクが更に落ち込む事になる。どうかそんな事にならないようにと願いながら、濡れて重いブーツで歩く事暫く。
漸く次の町が見えてきた。
『コハク、町見えたよ』
《やっとかー……疲れたーー!》
門に近付くと見張りの衛兵が驚いた顔を見せた。
土砂降りの雨の中、モンスターを連れて歩いてきた子ども。
訳ありの身と思われて警戒されたが、ハンターの証を提示して身分とこれまでの滞在記録を確認してもらう事で解決した。
「うちの若いのが早とちりしてすまんな。しかし、災難だったなぁ。こんな土砂降りの中、此処まで遠かっただろうに」
『そんなに長く降らないだろうって思ったら降られました』
「あぁそうか、元は西大陸にいたんだから雨は珍しいか」
西の果ての森なら雨は珍しくないが、砂漠は殆ど降らない。森を出てから雨を見たのはこれが初めてだ。
『はい。冬前の雨がこんなに冷たいとは知りませんでした』
スイは水属性持ちなので寒さに耐性があるが、魂繋契約による僅かな水属性耐性だけのコハクは辛そうだ。
アサシンレオウルフは気温の高い土地に生息するモンスターなので、元々寒さに慣れていないせいもあるだろう。
ぶるぶると身体を振るわせて水気を飛ばしたコハクは、今度は寒さに震えている。
「早く休んだ方が良いな。従魔可の宿はこの道を真っ直ぐ行って、分かれ道の所にある緑の屋根の建物がそうだ」
『解りました。ありがとうございます。コハク、もうちょっとだけ歩こう』
《うん》
宿までの道を急ぐ。ドアを開けて入ってきたずぶ濡れの子どもとモンスターに、オーナーの女性は眼を丸くした。
「まぁ! そんなに濡れてしまって、寒いでしょう? 待ってて、すぐに拭くものを……」
『あ、魔法で乾かすので大丈夫です。今晩、一部屋お願いしたいのですが空いていますか?』
「部屋は空いてるわ。魔法の属性を教えてもらえるかしら?」
『風と水です』
「それなら攻撃魔法を使わなければ大丈夫よ。火だと困るけど」
受付のカウンターにある料金表を見て、宿代を支払って部屋の鍵を受け取る。
部屋に入り、シャワールームを確認すると、ギリギリだがコハクも入れそうだ。
『お湯で温まってから乾かした方が寒くないよ?』
《……本当? ならそうする……》
濡れそぼったコハクの全身にくまなくシャワーでお湯を当てていく。
《温かい……》
『でしょ』
充分温まった頃を見計らってシャワーを止めると、コハクが前足の爪を軽くスイの服に引っ掛けた。
『わっ、どうしたの?』
《スイ、シュウがやってたのと同じように乾かしてくれ》
シュウがやっていたのとは、余分な水分だけを抽出する水魔法の応用だ。繊細な魔力操作が求められる。
『前も言ったけど、あれは私にはまだ難しいから……』
《でも風魔法でオレを乾かしてたらスイの身体が冷える。オレで練習してみれば良い。人間は毛が乾燥しすぎると気にするみたいだけど、オレなら気にしないし、すぐ生え変わるから大丈夫だ》
『……確かに』
冬毛への換毛を終えたコハクだが、今でも定期的にブラッシングしては一定量の毛を脱ぎ捨てている。
やらなければ身につかない。スイは魔力操作に集中する。
『痛みや違和感があったら教えてね』
《うん》
コハクの被毛から水が浮き出て空中に玉を作る。
《おぉ、水の玉が膨らんでく!》
『………………』
スイは喋らない。真剣な眼で水の量を見極めて、魔力操作に全集中力を注いでいる。
雨水では無く、汗がスイの顎から落ちた時、スイはいつの間にか詰めていた息を吐いた。
『ふはぁ……! コハク、どうかな……?』
《多分いつもと変わらない。凄いぞスイ!》
『やっぱり難しいや……。すっごく集中力使う』
取り除いた水分を排水溝に落とし、スイはもう一度息を吐く。
『ふぅ。私もシャワー浴びるね。コハクは部屋で待ってて』
《うん》
コハクがシャワールームから出て行ってから、スイは濡れた服を脱いでシャワーのお湯を頭から被った。温かさに身体が解れていく。
下げた視線の先、自分の胸が眼に入った。
『(……また膨らんだかな……)』
亡くなる少し前にレイラには言われていた。
男の子のふりをするにも限界が来る。大きくなったら、胸をサラシで抑えても、顔付きや体型でどうしても女性と判ってしまう。
その時の為に、力を身につけておきなさい。心から信頼出来る仲間を見つけても尚、最後に自分の身を守れるのは自分だけなのだから。
『(……いつまで男の子のふりが出来るかな)』
レイラは旅に出るなら必要な事だからと、スイに性についての知識を教えていた。
男女の身体の違い。性行為について。場合によってはモンスターよりもある意味気をつけなければならない人間の男性と、その理由。
そして、万が一に備えての避妊薬の作り方を。
『(コハクがいるけれど、私ももっと強くならないと)』
その為にも、魔法の威力に直結する魔力操作の腕は上げておいて損は無い。
毎日魔力操作の練習をしようとスイは決心して、髪と身体を洗ってからシャワールームを出て着替える。
脱衣所を兼ねた洗面所を出ると、部屋ではコハクが毛繕いをしていた。
窓の外からはまだ雨が降っている音が聞こえてくる。
《明日も雨が降っていたらどうする?》
『昼までは様子を見ようかな。止まなかったらもう一泊する』
《賛成だ。次の目的地は?》
アイテムポーチから地図を取り出して広げる。
『今いるのが此処。次は……出来ればこの町まで行きたい』
動く指先をコハクの眼が追う。スイが指した町で一度止まり、また動いた眼がある事に気付いた。
《……もう少し先にリロの洞窟があるって言ってなかったっけ?》
『そうだよ。このまま行けば余裕あるから、潜れると思う』
日程がぎりぎりなら洞窟には向かわずにまっすぐ王都を目指すつもりだったが、七日程余裕がある。
広さによっては、最下層まで行かずに途中で戻らなければならないだろうが、売る為の素材も集めたいのでとりあえず潜ってみる事にした。
《強い奴いるかな?》
『いるんじゃないかな。中位向けみたいだし。強いモンスターと戦いたいの?』
《強い奴と戦わないと強くなれないだろ。オレはもっと強くなりたいんだ。ドラゴンからもスイを守れるように。あの時、オレは何も出来なかったから》
『……そっか』
それは自分も同じだ、とスイは思う。
威圧されて動けなかった。シュウがいなければきっと死んでいた、と。
『私も、ドラゴンと戦えるくらいに強くならなきゃ。Aランクを目指すんだし』
《………………》
妙に物言いたげな視線をコハクから向けられ、スイは首を傾げた。
『どうしたの?』
《……スイは、強くなるより先にもっとデカくなった方が良いんじゃないか? デカくならないと強くなれないだろ?》
『出来たらやってるよ!』
心からの反論に、思わず大きな声が出た。
『ヒトはアサシンレオウルフみたいに短期間でそんなに大きくならないから仕方ないの! せ、成長期が来たら私だって大きくなるよ!』
多分、と付け加えそうになって既の所で止めた。
多分じゃなく、絶対に大きくなるのだ。ここで止まるなんて事は絶対に無い。スイはそう信じる。
《そ、そっか》
『そうだよ……!』
この日から、スイは身長を伸ばすのに効くと噂を聞いて牛乳を頻繁に飲む様になった。
中央大陸に来て約一ヶ月半。スイとコハクは中央部へと辿り着いていた。
『流石中央部、平原が続いてて雨を遮る物が何も無い……』
冷たい雨が降り頻る中を歩く。
二回り程細くなったコハクは長い毛先から、スイも髪や顎の先から絶えず水が落ちる程ずぶ濡れとなっている。
『今日は次見えた町で休もう。雨の中ずっと歩いてきて疲れちゃった』
《うん……寒い……身体重い……》
『毛が濡れてぺったりしてるもんね。宿に着いたら乾かすよ』
《お願い……》
ただでさえ濡れるのが嫌いなのに雨でずぶ濡れになり、重く垂れ下がった毛に包まれながら長い時間歩くのは相当堪えるらしく、コハクはずっと消沈している。
対照的にスイは疲労こそあるが、コハクのように雨自体に気が滅入っている様子は無い。
『モンスターも泊まれる宿があれば良いなぁ』
無かった場合、コハクが更に落ち込む事になる。どうかそんな事にならないようにと願いながら、濡れて重いブーツで歩く事暫く。
漸く次の町が見えてきた。
『コハク、町見えたよ』
《やっとかー……疲れたーー!》
門に近付くと見張りの衛兵が驚いた顔を見せた。
土砂降りの雨の中、モンスターを連れて歩いてきた子ども。
訳ありの身と思われて警戒されたが、ハンターの証を提示して身分とこれまでの滞在記録を確認してもらう事で解決した。
「うちの若いのが早とちりしてすまんな。しかし、災難だったなぁ。こんな土砂降りの中、此処まで遠かっただろうに」
『そんなに長く降らないだろうって思ったら降られました』
「あぁそうか、元は西大陸にいたんだから雨は珍しいか」
西の果ての森なら雨は珍しくないが、砂漠は殆ど降らない。森を出てから雨を見たのはこれが初めてだ。
『はい。冬前の雨がこんなに冷たいとは知りませんでした』
スイは水属性持ちなので寒さに耐性があるが、魂繋契約による僅かな水属性耐性だけのコハクは辛そうだ。
アサシンレオウルフは気温の高い土地に生息するモンスターなので、元々寒さに慣れていないせいもあるだろう。
ぶるぶると身体を振るわせて水気を飛ばしたコハクは、今度は寒さに震えている。
「早く休んだ方が良いな。従魔可の宿はこの道を真っ直ぐ行って、分かれ道の所にある緑の屋根の建物がそうだ」
『解りました。ありがとうございます。コハク、もうちょっとだけ歩こう』
《うん》
宿までの道を急ぐ。ドアを開けて入ってきたずぶ濡れの子どもとモンスターに、オーナーの女性は眼を丸くした。
「まぁ! そんなに濡れてしまって、寒いでしょう? 待ってて、すぐに拭くものを……」
『あ、魔法で乾かすので大丈夫です。今晩、一部屋お願いしたいのですが空いていますか?』
「部屋は空いてるわ。魔法の属性を教えてもらえるかしら?」
『風と水です』
「それなら攻撃魔法を使わなければ大丈夫よ。火だと困るけど」
受付のカウンターにある料金表を見て、宿代を支払って部屋の鍵を受け取る。
部屋に入り、シャワールームを確認すると、ギリギリだがコハクも入れそうだ。
『お湯で温まってから乾かした方が寒くないよ?』
《……本当? ならそうする……》
濡れそぼったコハクの全身にくまなくシャワーでお湯を当てていく。
《温かい……》
『でしょ』
充分温まった頃を見計らってシャワーを止めると、コハクが前足の爪を軽くスイの服に引っ掛けた。
『わっ、どうしたの?』
《スイ、シュウがやってたのと同じように乾かしてくれ》
シュウがやっていたのとは、余分な水分だけを抽出する水魔法の応用だ。繊細な魔力操作が求められる。
『前も言ったけど、あれは私にはまだ難しいから……』
《でも風魔法でオレを乾かしてたらスイの身体が冷える。オレで練習してみれば良い。人間は毛が乾燥しすぎると気にするみたいだけど、オレなら気にしないし、すぐ生え変わるから大丈夫だ》
『……確かに』
冬毛への換毛を終えたコハクだが、今でも定期的にブラッシングしては一定量の毛を脱ぎ捨てている。
やらなければ身につかない。スイは魔力操作に集中する。
『痛みや違和感があったら教えてね』
《うん》
コハクの被毛から水が浮き出て空中に玉を作る。
《おぉ、水の玉が膨らんでく!》
『………………』
スイは喋らない。真剣な眼で水の量を見極めて、魔力操作に全集中力を注いでいる。
雨水では無く、汗がスイの顎から落ちた時、スイはいつの間にか詰めていた息を吐いた。
『ふはぁ……! コハク、どうかな……?』
《多分いつもと変わらない。凄いぞスイ!》
『やっぱり難しいや……。すっごく集中力使う』
取り除いた水分を排水溝に落とし、スイはもう一度息を吐く。
『ふぅ。私もシャワー浴びるね。コハクは部屋で待ってて』
《うん》
コハクがシャワールームから出て行ってから、スイは濡れた服を脱いでシャワーのお湯を頭から被った。温かさに身体が解れていく。
下げた視線の先、自分の胸が眼に入った。
『(……また膨らんだかな……)』
亡くなる少し前にレイラには言われていた。
男の子のふりをするにも限界が来る。大きくなったら、胸をサラシで抑えても、顔付きや体型でどうしても女性と判ってしまう。
その時の為に、力を身につけておきなさい。心から信頼出来る仲間を見つけても尚、最後に自分の身を守れるのは自分だけなのだから。
『(……いつまで男の子のふりが出来るかな)』
レイラは旅に出るなら必要な事だからと、スイに性についての知識を教えていた。
男女の身体の違い。性行為について。場合によってはモンスターよりもある意味気をつけなければならない人間の男性と、その理由。
そして、万が一に備えての避妊薬の作り方を。
『(コハクがいるけれど、私ももっと強くならないと)』
その為にも、魔法の威力に直結する魔力操作の腕は上げておいて損は無い。
毎日魔力操作の練習をしようとスイは決心して、髪と身体を洗ってからシャワールームを出て着替える。
脱衣所を兼ねた洗面所を出ると、部屋ではコハクが毛繕いをしていた。
窓の外からはまだ雨が降っている音が聞こえてくる。
《明日も雨が降っていたらどうする?》
『昼までは様子を見ようかな。止まなかったらもう一泊する』
《賛成だ。次の目的地は?》
アイテムポーチから地図を取り出して広げる。
『今いるのが此処。次は……出来ればこの町まで行きたい』
動く指先をコハクの眼が追う。スイが指した町で一度止まり、また動いた眼がある事に気付いた。
《……もう少し先にリロの洞窟があるって言ってなかったっけ?》
『そうだよ。このまま行けば余裕あるから、潜れると思う』
日程がぎりぎりなら洞窟には向かわずにまっすぐ王都を目指すつもりだったが、七日程余裕がある。
広さによっては、最下層まで行かずに途中で戻らなければならないだろうが、売る為の素材も集めたいのでとりあえず潜ってみる事にした。
《強い奴いるかな?》
『いるんじゃないかな。中位向けみたいだし。強いモンスターと戦いたいの?』
《強い奴と戦わないと強くなれないだろ。オレはもっと強くなりたいんだ。ドラゴンからもスイを守れるように。あの時、オレは何も出来なかったから》
『……そっか』
それは自分も同じだ、とスイは思う。
威圧されて動けなかった。シュウがいなければきっと死んでいた、と。
『私も、ドラゴンと戦えるくらいに強くならなきゃ。Aランクを目指すんだし』
《………………》
妙に物言いたげな視線をコハクから向けられ、スイは首を傾げた。
『どうしたの?』
《……スイは、強くなるより先にもっとデカくなった方が良いんじゃないか? デカくならないと強くなれないだろ?》
『出来たらやってるよ!』
心からの反論に、思わず大きな声が出た。
『ヒトはアサシンレオウルフみたいに短期間でそんなに大きくならないから仕方ないの! せ、成長期が来たら私だって大きくなるよ!』
多分、と付け加えそうになって既の所で止めた。
多分じゃなく、絶対に大きくなるのだ。ここで止まるなんて事は絶対に無い。スイはそう信じる。
《そ、そっか》
『そうだよ……!』
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